太平洋戦争の失敗・10のポイント
まえがき
第一章 真珠湾攻撃成功の罪とは
ハル・ノートで日米交渉決裂
日本に勝算はあったのか
アメリカを見くびるという誤り
鮮やかな奇襲で大戦果
「国が潰れて何が国際法だ」
日本人のやることは汚い
誰もが望んでいた日米の対決
戦争の真の勝利は見失われた
第二章 ミッドウェー敗戦に隠された構図
山本五十六の賭け
本土爆撃が作戦の追い風に
機動部隊は敗れるべくして敗れた
作戦を狂わせた海軍の隠蔽策
アメリカ兵たちを支えた怒り
第三章 戦場なき戦争の指導者と国民
戦争は身近になかった
国家自体を兵舎に変える
「戦時」はいつ解けるのか
内在していた玉砕、特攻作戦の芽
戦争を知らなかった日本人
指導者たちにも焦りが
第四章 ガダルカナル戦に現れた歪み
「餓死した者は一人もいない」
ガダルカナル奪回はすぐできる
第一次上陸部隊は壊滅状態に
日本兵は強かったか
現実離れした「奪回」に固執
誰も「やめよう」と言えなかった
遅すぎた撤退の代償
第五章 山本五十六の戦死と戦争の終わり
憎きヒットラー以上の敵
若くして情報戦の渦中へ
「アメリカと戦争はできない」
陸軍は庶民の代弁者だった
国を誤らせる戦争への反発
陸軍には絶望感を持っていた
山本は生きていたのか
第六章 アッツ島玉砕は必然だったか
近代日本の最大の恥
捕虜になることも戦い
玉砕は政治の延長ではない
アッツ島争奪戦の始まり
指導者の甘さが非情を生んだ
「救うことはできない」が結論
捨てられた側の思いと悲惨
第七章 虚構の防御ライン・絶対国防圏
戦争終結の見通しはなかった
イタリア降伏の大誤算
正確な分析を歪めた独断の怖さ
裏付けのなかった「絶対」
日本一国で世界と戦う異様さ
それは単なる作文に過ぎなかった
第八章 インパールの惨劇をもたらしたもの
極めて政治的な作戦
最大の敵は自軍の指揮官
三師団長を次々に更迭
戦闘の環境や条件整備に無関心
「情」が立てた無謀な作戦
英断か、それとも裏切りか
軍人による戦士の限界
日本軍崩壊の予兆
第九章 だれも責任をとらない戦争指導
東條という指導者の質
負け惜しみが精いっぱい
サイパン陥落で窮地に
「反東條」は何を意味したか
フィリピンは譲れない
虚構の大戦果
電報は生かされなかった・・・
第十章 矛盾の総決算としての昭和二十年
無条件降伏を強いる必要はない
日本はやはり遅れていた
矛盾が迷走をもたらす
天皇が気持ちを固めた時
女王蜂を取ってはいけない
美学と化した軍事の歪み
「私は命令できない」
政治は無力だった
長すぎた戦争の終わり
あとがき
解説(野村實)
太平洋戦争関係年表