図書センカ ノ カタリベ000054649

戦禍の語部

サブタイトル1~10
残された者の手記
編著者名
伊藤 一男 編/有山 恭弘 編
出版者
時事通信社
出版年月
1978年(昭和53年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
viii,317p,図版[4]p
ISBN
NDC(分類)
916
請求記号
916/I89
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

口絵
序章 二百六十万の人柱に憶う(多田実)
 
Ⅰ 修羅の山河で
白いおむすび食べたいョオ(堀越静子)
死と残虐の難民行路(栗原英子)
ゴザから亡き妹の足が―(野村和子)
修羅の巷の中で生きた(角川千枝子)
飢えと疲労の死の行進(長谷川次郎)
圧死の子供も出た惨劇(村岡俊子)
〝女子特攻隊〟に合掌す(舟橋洋子)
ハルビン収容所で逝った三人の吾子(鳥塚久子)
銃声一発で難を逃れて(矢沢美枝子)
もうすぐ母さん行くからね(広沢巳喜)
〝貴金属と女を残して行け〟(小谷澄子)
せめて遺骨を故郷へ(瀬田静子)
おからに塩ふりかけて(田村まん)
北朝鮮に眠る和子よ!(高島寿子)
平壌の山を埋めた遺体(久保明子)
炎天の校庭に残してきた患者さんたち!(関ヒロ子)
にわか従軍僧となって(渡辺秀岳)
呉淞陸軍病院婦長の記(松丸静江)
〝消防団の制服〟で殺された父(泉登枝)
三合里の丘悲し(田米三悟)
玉砕の島・サイパンで生きた私と妹(石浜とみ)
ひめゆり部隊生き残りの一人として(嘉陽春子)
地獄の戦場・沖縄の九十日(宮城喜久子)
みんなみんな死んでいった(高取武)
 
Ⅱ 慟哭の父子像
思い出は白い軍手に―(高橋孝子)
父の死は自爆だった―(松村安孝)
三歳で戦災孤児になって(内倉静子)
父に見せたい舞姿(大崎洋子)
詩・お父さん あなたの死を(川崎洋子)
ビルマの宿で夢に立った父(青木宣子)
白木の箱の父還る(斎藤フミ子)
父が戦死した証拠はどこに(大和久洋子)
レイテに眠る父への手紙(伊藤靖子)
忘れられないあの手の温もり(佐藤厚子)
父に捧げる鎮魂の章(城昭子)
父の「死」で生き方を教えられた(岡崎照子)
闇米のおにぎりを売って暮らした(東文子)
病院で生死不明のままに―(小松順子)
 
Ⅲ 特攻離別譜
カモメとなって還れ弟(恩田静枝)
予備学生を見送ったあの日(宮崎節子)
六○一空艦爆隊秘話二題(杉野守一)
十六歳で敵艦に散った兄(中村陸男)
樺太墓参と対戦車特攻隊(伊藤一男)
 
Ⅳ 血涙の空襲
〝天の川〟の恐怖(三宅直子)
陸軍看護婦生徒の広島原爆体験記(北山紀子)
長崎高女の講堂を埋めた学友の遺影(松永美代子)
家族六人東京空襲で(田辺紀枝子)
深川区立東川国民学校(池田町子)
母の背に亡き弟の〝人形(ひとがた)〟が(船渡和代)
おばあちゃんが身代わりに(清水栄子)
東京と仙台で空襲にあって(斎藤ふみ)
青春を女子挺身隊に捧げて(鷹野悦子)
補助警官の父が語る横浜空襲(近田登志子)
空襲下の陸軍病院手術室で(松岡登良子)
苦しんで死んだ十七歳の姉(江崎しづよ)
母と弟を奪われて(木原よし恵)
明るい電灯でご飯を食べたいと言った母(板垣節子)
空襲の炎をくぐって運転した市バス(桂あや子)
終戦の前日に岩国空襲の恐怖(中島須磨子)
 
Ⅴ 飢餓の疎開地
東京では八人家族全員が―(根本照子)
「人生の並木路」(中村とみ子)
疎開学童訓導の日々(森玉江)
飢えに泣いた少女の頃(江川洋子)
卒塔婆さえも燃料に(西野セキ)
第二のふるさと押切村(堀もと子)
疎開、再疎開と「孤独」の巡礼(池田さち)
耳に残る竹ヤリ部隊の足音(前田えみ子)
動員学徒の愛国心(藤原君代)
疎開先へ来た父の訃報(今本育子)
 
Ⅵ 追慕の妹が
兄よ この「流れ星の花」を(村田文子)
四人の兄が次々と(関田フサ子)
靴音に目覚める三十三年(多田せき子)
あの口笛よ もういちど(巻渕美智子)
最後の面会三十秒(菅川千鶴子)
弟は愛機とともに(原田志寿栄)
玉砕のさま凄惨に―弟への鎮魂歌(佐藤やす)
信ちゃん、安らかに―(中河原由子)
正男兄ちゃんの遺書(斎藤恒子)
 
Ⅶ 苦難の道程
あなた答えて下さい(藤本利子)
締め切れない〝箱〟一つ(薄静江)
四児抱え苦闘の義母は(福井セツ子)
乳飲み子と学校の宿直へ(後藤君代)
俳句で綴る三十三回忌(石野まさ子)
空襲から戦後へ三児抱えて(高橋やす子)
跫音待ち続けて三十三年(内海ミユキ)
塩鯖売りがいのちの綱(石川静恵)
米兵にも三十三回忌を―(山本隆子)
 
終章 鎮魂―たましずめとたまふり(有山恭弘)
 
あとがき(山本思外里)
装幀(相澤光朗)