ウランバートル捕虜収容病院
第一部 一九四五年(昭和二十年)
敗戦=南満州よりソ蒙国境へ
ウランバートルまで三六〇粁(キロ)の旅
ウグイノール漁場行きを断る
羊毛工場吉村隊
深夜労働の苦痛と蒙古人の親切
第二部 一九四六年(昭和二十一年)
「山の病院」へ入院し、病院勤務につく
病院勤務の女性たち
ウグイノール漁場から来た患者
吉村隊長、初めて病院へ来る
大消毒=陰毛を剃る
春日軍医、一〇六名の強制退院に立ち向かう
女院長の手腕に舌を巻く
春の到来とともに重労働が始まる
モルヒネ中毒の男、ゲーペーウー中尉夫人、性病
ウランバートル市外へ行く
煉瓦工場の過酷なノルマと日本人
春日軍医、ついに牢獄(シヨロン)へ送られる
父とチンギス汗
日本人墓地へ埋葬に行く
ロシア婦人の醜聞
精神異常者と癩病患者
羊の心臓を手でつぶすのを見る
南清一参謀の死
満洲国陸軍軍官学校
ゲーペーウーのサージョ曹長、包茎手術を頼んでくる
ソ連共産党(?)発行「日本新聞」の効用
吉村隊長の「暁に祈る」の処罰に七田少尉、抗議する
第三部 一九四七年(昭和二十二年)
加倉井夫人、蒙古兵に抵抗する
産湯を使わないで死んだ赤子
日本軍侵略の劇映画を観る
加倉井さん「モンゴル革命」を語る
駱駝、馬、犬を食べる
木の皮、石鹸、革帯をかじる
ウランバートル中央病院
蒙古兵、幽霊におびえる
院長に向かって放尿して退院させられる
二百五十年前の日本人の渡蒙の跡を発見する
元寇と朝鮮半島
新アムラルトへ行く
日本人、ウランバートル中央広場の建設に励む
広野健一中尉と社本留辨候補生の死
最後の墓参り
ゲーペーウー少尉の取り調べを受ける
若い女の風葬
十日以内に死ぬ患者の名簿を作れ
出発、三十分以内に集合せよ
蒙古人と別れを惜しむ
ソソルバルム少将の挨拶を通訳する
癩病患者、国境線に残る
輸送列車、東へ向かう
民主グループの人民裁判
英彦丸船長の英断で日本海へ
あとがき