絵具と戦争
まえがき
第一章 没収された従軍画家の本
GHQが変容させようとした歴史
GHQに没収された本
戦争画の舞台となった地域
支那事変の始まりを描いた『北支戦線 陣中手記』
上等兵向井潤吉の『繪と文 北支風土記』
陸軍・海軍の支援した『靖國の繪巻』
大陸の風物を描いた川島理一郎の『北支と南支の貌』
有名作家、有名画家の『大陸戰史 画と文』
軍人画家武藤夜舟の随筆『爆彈』
シンガポール攻略を描いた『六人の報道小隊』
日比米混合軍の行進を描く『比島從軍記 南十字星下』
ラバウル航空隊を『爆下に描く』
日本軍最初の玉砕『繪巻アッツ島血戰』
アッツ島玉砕の真相
第二章 従軍画家の戦争画
「戦争画」にたいする戦前の美術界の動向
「南昌・武漢攻略戦」と戦争画
「ノモンハン事件」と戦争画
戦時下の藤田の日常
「真珠湾攻撃」と戦争画
「マレー沖海戦」と戦争画
「ウエーキ島攻略戦」と戦争画
「シンガポール攻略」と戦争画
「ビルマ戦線」と戦争画
「ガタルカナル決戦」と戦争画
「ソロモン海戦」と戦争画
「ニューギニア密林での戦い」と戦争画
「サイパン島での戦闘」と戦争画
「レイテ落下傘部隊」と戦争画
後方部隊や銃後を描いた戦争画
軍医画家の描いた後方部隊
第三章 GHQと百五十三点の戦争画
無期限貸与された戦争画
アメリカで発見された戦争画
宮本三郎、向井潤吉ら「戦争画」の返還を語る
「戦争画」にたいする肯定的評価
「戦争画」にたいするGHQ民間情報教育局の否定的評価
藤田の戦争画にたいする評価
第四章 戦争画と戦争責任
戦後の一部日本人の豹変
軍医画家「宮田重雄」の藤田嗣治批判
「美術家の節操」への藤田・鶴田の反論
藤田を「戦争責任者リスト」へ
決着した朝日新聞の「美術家の節操」論争
「宮田重雄」の変身
私が日本を棄てたのではない 捨てられたのだ
あとがき
参考文献