スマトラ無宿
まえがき
1 戦争末期の憲兵
首都メダンへ
敵諜者(スパイ)と一騎打ち
抗日テロ団の逮捕
2 敗戦、離隊
和解か、敗戦か
終戦時の波瀾
消えゆく兵補たち
子分との別離
惜別した南国父母
奇しき邂逅
華僑の情報網
連合軍からの召喚
岐れ路
離隊!
3 潜伏地を索めて
あてなき小舟の旅
腰ぬけの警察官
安住の地、いずこ
椰子の木蔭アイクロバー
悲劇のテビンチンギ事件
死魔の誘い
日本軍ついに去る
4 混乱の巷に
キサランの表情
われ遂に本性を現わす
四名の日本人
インドネシヤ独立援助開始
不可能な脱出計画
蚊攻め、水攻め
テロクニボンの兵器修理工場
5 キサラン生活
再びキサランへ
残留日本人の消息(その一)
ヤブ医者の正体
残留日本人の消息(その二)
化けの皮が剥がれたか
現地邦人の姿
6 オランダ軍迫る
危機迫る
神兵の出現
怒涛のオランダ軍
哀れな日本人よ、いずこへ
はかり知れない華僑の心
暗夜行路
前線ドロックシノンバー
シャンタルの夜襲
息詰まるテガドロ
再び流転の旅へ
死の招き、マラリヤ病
兵站墓地ブロラジャへ
7 独立戦の渦中に
戦争屋集結す
チモルバネとは、どんな男か
新案スパイ屋の正体
アサハン地区の蘭軍
前線ヘンゲローの友軍
反省にふける残留者たち
絶望か、彼女の運命
彼女の救出
8 色褪せた独立旗
同士討ち
武装解除
壮絶、岡田准尉の戦死
疑わしき停戦協定
丸裸の日本人
山賊か、海賊か
9 インドネシヤ地区からの脱出
脱出工作
「紅い水蓮」
河畔の町ラブァンビリック
製材所の分捕り談判
意外な友の告白
神の救いか!
スンゲプロパンの華僑
インドネシヤ境界線の突破
見ゆ、バガンシアピ
10 華僑圏バガンシアピ
バガンシアピの表情
残留の日本人五人組
やとわれ機関士稼業
死の腸チフス病
ロカン河を遡る
子分との邂り合い
カボンジャイの同志達
悪化するマライの治安
パガン最後の日
11 運命の四角邑島
パガンの脱出
狗父(カペ)、狗母(カポ)!
ブランチャン造りと、担ぎ屋
どこに活路を求むべきか
呉水龍と、彼女の来島
ヒントを得たシャム国
船の入手工作成らず
12 ついに蘭軍上陸
平垣老人の出現
彼女との別離
裏切り者!
ついに蘭軍上陸
許祖俊―おゝ神様!
脱出準備完了す
スマトラ虎口の脱出
13 マラッカ海峡の突破
スマトラの漁柵
怒涛への突進
マラッカ海峡の苦闘
激突?マラッカ燈台
上陸したマライ海岸
襲いくる暴風雨
14 北上したマライ海岸
飲料水の補給路
クリンワンの関所
想い出のペナン島
ペナンの死霊
馬来、泰国境線の突破
泰国を求めて
運命のコッサライ漁村
15 友邦泰国
コッサライ漂着
情報蒐集
カルワンさん
三人の親友との再会
安全境の刑務所
彼女への密報工作
16 英軍警の脅威
おそるべき情報
英軍警現わる
幸運児!
泰国の華僑達
タイの寺院祭り
喜びと哀愁と
囚人の看守役
なつかしい日本の貨物
バンコック行、決定す
17 バンコックの拘置所
バンコックへの途
知事さんとの惜別
辛苦のブタ箱生活
最後の関所
さらばバンコック
憧れの日本船
18 夢にみた祖国へ
懐かしい祖国へ
戦犯者の宿命
「東京裁判」
郷里の人々
むすび―人の情けと神の救い