朝日新聞の中国侵略

一　朝日新聞社の「汚点」
戦争責任が集約的に現れる『大陸新報』
不都合な事実を意図的に削除
　
二　『大陸新報』の創刊
上海での日本語新聞
『大陸新報』創刊号の偉観
月額二万五千円の補助金
　
三　なぜ軍部が上海で新聞を発行しようとしたのか
満洲事変まではプロパガンダに無関心
内閣情報部と陸軍情報部
上海事変が迫った軍部の租界メディア対策
陸軍の宣伝機を担った馬淵逸雄
租界向け宣伝工作（1）―中国語メディアへの対策
租界向け宣伝工作（2）―外国特派員への対策
南京事件以後の欧米の日本非難―南京事件の宣伝戦への甘い対応
蒋介石の国際プロパガンダの効果に危機感
　
四　なぜ満洲浪人の福家俊一が『大陸新報』の社長になれたのか
偉い人に取り入ることでは天才的
密使兼メッセンジャーボーイ
上海を拠点とした新聞創刊構想
福家・朝日コンビにやらせろ
　
五　なぜ朝日が『大陸新報』に足を突っ込んだのか
満洲事変以降の朝日の部数増加
ライバル大阪毎日の気になる大陸への関心
大陸進出への秘めたる野心
暴れ者福家の拡張路線
三つの証言―創刊当時の『大陸新報』と朝日の人的関係
それほど多くなかった創刊時の朝日人脈の記者たち
朝日のエリートは政治部記者
朝日上海支局の陣容
　
六　『大陸新報』の定着
四つの『大陸新報』の発行
『大陸新報』の発行部数
『大陸新報』の発行
社長の交代―福家社長誕生と桐島龍太郎
紙面に躍るワンマン福家の派手な言動
左右イデオロギーの被告を採用
　
七　華字紙の世界
抗日華字支配の上海新聞界
軍直営時代の「新申報」の不人気
大陸新報社からの「新申報」の発行
英字紙の立場
　
八　朝日新聞の中国への高まる野望
ブラック『大陸新報』の出現
福家俊一の社長退任
朝日による福家はずし劇の進行
大政翼賛会推薦候補福家の当選
大陸新報社の財団法人許可と新陣容
理事長長尾坂与市とは
広告収入の増加
電通吉田秀雄による広告集め
『朝日新聞』の満洲進出計画
　
九　緒方竹虎と影佐禎昭
東亜問題調査会と影佐
影佐と犬養健
影佐と神尾茂
緒方の上海訪問と神尾茂
　
十　緒方竹虎と辻政信
突然の辻の申し出
太田、香港で貴重な情報を入手
東亜連盟嘱託就任とアヘン禁絶断行提案
太田の朝日退社
　
十一　特務機関と新聞
梅機関の暗躍
暗殺工作を指揮した影佐
機密を聞き出すか、殺すか
梅機関の解散は偽装
横行する新聞へのテロ
「七十六号」のテロ報告
　
十二　太平洋戦争と中国新聞協会の結成
『上海毎日新聞』を合併する
大陸新報社と朝日上海総局の英字紙ビルの占拠
朝日による大陸新報社の子会社化
朝日重役会が「大陸新報」の値上げを承認
中国新聞協会設立と朝日
『東亜新報』との提携
『大陸新報』と『東亜新報』の比較
『満洲朝日新聞』の布石か？
悲しき国策新聞
チミモウリョウの記者を束ねる朝日出身記者
『大陸新報』出身の出世頭、森山喬電通常務
　
十三　敗戦前の『大陸新報』
厳しい戦局での動き
短波ラジオ情報の入手
戦時報道隊の結成
最後の茶会
読者の多くが「負け組」だった
　
十四　敗戦後の大陸新報社
「国策新聞」から引揚新聞へ
『改造日報』と『中日時報』
さびしい尾坂の死去
　
十五　緒方竹虎の蹉跌
平時はデモクラシー、戦時は帝国主義
軍への積極御用
美土路の辞意表明
美土路の村山社長への直言第二弾
各種和平工作の失敗
　
十六　ブラック・メディアとしての『大陸新報』
「国賊新聞」から「国策新聞」へ
『大陸新報』の収益性と侵略性
GHQへ提出した弁明書
　
あとがき
大陸新報年譜
大陸新報社日本人社員名簿・住所録（1944年6月現在）
主要参考文献
人名索引