家制度の廃止
はしがき
略語表
序章
本稿の対象
課題の限定
「家」制度と憲法・民法・戸籍法の相互関係
史料状況と先行研究
新史料
本稿の位置付け
第一章 憲法二四条成立過程と民法・戸籍法の「家」制度
序説
本章の対象とその限定
史料状況・先行研究と新史料
憲法二四条の解釈と「家」制度の存廃(並びに存置・廃止の程度)の関係分析の準備
GHQ/GSの初期起草作業
日本政府の起草作業とGHQ/GSとの交渉
補論 憲法制定に関する三月六日以降のGHQ/GSの方針―「ハッシー文書」中の憲法の一草案を手がかりとして―
枢密院での審議
帝国議会・衆議院での審議―本会議・帝国憲法改正案委員会・「芦田小委員会」―
本会議・帝国憲法改正委員会
「芦田小委員会」での審議
衆議院本会議の最終日
帝国議会・貴族院での審議
本会議・貴族院帝国憲法改正案特別委員会
貴族院帝国憲法改正案特別委員小委員会・その懇談会
貴族院本会議の最終日
小括―日本側・GSの方針の射程及びその限界―
第二章 民法改正過程―戸籍法改正過程に先行した民法上の「家」廃止方針決定の予備的考察―
序説
憲法二四条下での民法上の「家」存廃の選択の余地
日本側の「家」廃止初期方針決定過程
GHQの「家」改廃方針・その日本側への影響
日本側史料
GHQ/GSの「家」改廃方針・日本側への影響―GHQ側史料による新たな知見の整理―
補論 「氏」―オプラー/GSの「家」改廃に関する方針との関連で―
小括―日本側・GHQ/GSの方針の射程及びその限界―
第三章 戸籍法改正過程の諸段階
序説
戸籍法改正過程の全体像
主要改正点の要約
研究史上の問題点
人口動態統計の精密化をめぐる戸籍法改正過程―改正過程(一)一九四六年三月~一〇月
改正初案―改正過程(二)一九四六年七月
改正要綱案とその成立―改正過程(三)一九四六年九月
改正要綱の要点
改正要綱案を巡る議論の要点
改正草案条文起草―改正過程(四)一九四六年九月~四七年七月
条文起草の基礎方針
改正草案史料について
各草案成立過程
草案をめぐる司法省とGSとの会談―改正過程(五)一九四七年八月~一一月
国会審議と改正戸籍法・戸籍法施行規則の成立―改正過程(六)一九四七年一一月~一二月
第四章 民法上の「家」制度廃止による戸籍法改正―「第一の流れ」―
民法上の「家」制度廃止を巡る戸籍法改正過程の全体像
戸籍編製原理上の諸問題
戸籍編製原理(一)―静的側面―
戸籍編製原理(二)―動的側面―
戸籍編製原理以外の問題
戸籍改製の時限上の問題―十年の猶予期間設定―
条文の大幅削減・施行規則への移項
小括
第五章 人口動態統計の精密化・プライバシー保護による戸籍法改正―「第二・第三の流れ」―
戸籍法・戸籍制度特有の「家」の機能
人口動態統計の精密化による戸籍法改正の問題―プライバシーの権利保護とGHQ内部の対立―
戸籍簿非公開化の試みとその挫折―プライバシーの権利保護とGHQ内部の協調―
小括
結章 憲法・民法・戸籍法改正過程に於ける力学―憲法・民法・戸籍法改正過程の総括―
戦後占領期の憲法・民法・戸籍法改正―「家」の廃止とその限界―
戸籍制度の二重の法的機能
新憲法二四条と民法改正における「家」改廃
戸籍法改正における「家」改廃(一)―身分登録機能と「第一の流れ」―
戸籍法改正における「家」改廃(二)―個人データ収集・提供機能と「第二・第三の流れ」―
民法・戸籍法改正における「家」の廃止方針の射程とその限界
戸籍制度の個人データ収集・提供機能と「家」の特質
残された課題―「国体の一支柱」としての「家」?―
結語―先行研究との比較において―
付属資料1 元GHQ民政局(GS)次長チャールズ・L・ケイディス氏へのインタビュー(一九九三年)
〈付属資料2・3〉
付属資料2・3への共通のはしがき
付属資料2 川島武宜・東京大学名誉教授へのインタビュー(一九九一年)
付属資料3 来栖三郎・東京大学名誉教授へのインタビュー(一九九〇年)
付属資料4 民法改正に関わるGHQ文書一覧(時系列)
付表 文献リスト
あとがき
事項索引
人名索引