世界史のなかの満洲帝国と日本
はじめに
第一章 満州とは何か―もともと種族名だった満州。地名になったのは日本がはじまり
「満州」と「マンジュ」
「満州」という民族名の誕生
「満州」はいつから地名になったのか
第二章 満州の地理と古代―中国文明とは「漢字」と「都市」と「皇帝」
中国東北地方の地理
ロシアの沿海州とアムール河沿岸の地理
内蒙古自治区の地理
河北省東北部の地理
中国文明の発生
中国人とはだれか①―漢字の特性
中国人とはだれか②―都市に住む者
中国人とはだれか③―中華と夷狄
満州の先住民
勿吉と靺鞨
第三章 東アジアの民族興亡史ー日本人と朝鮮人は、中国から同時に独立した“双子の関係”
「中国」は二千二百年
朝鮮半島と日本列島
高句麗の反撃
百済の滅亡
日本誕生
新羅の半島統一と日本人の形成
渤海国と日本の修好
契丹の大帝国
女直の金
第四章 元朝から清朝へ―モンゴルの元朝、満州人の清朝による中国の支配
モンゴル帝国の建国
モンゴル帝国のしくみ
元朝がもたらした「パクス・モンゴリカ」
モンゴル支配下の満州と朝鮮半島
日本への蒙古襲来
明朝と北元
明代の満州
清朝の建国
明清後退
「満州人」すなわち「旗人」
清朝時代の満州
第五章 ロシアの南進と日露関係―ロシアが奪うアムール北岸と沿海州
モンゴル帝国を継承したロシア
ロシアのシベリア進出
ネルチンスク条約にいたる露清関係
清朝の最大領土
ヨーロッパ列強の進出
ロシアの黒龍江進出
ロシアの満州進出
初期の日露関係
第六章 日本の大陸進出―日清・日露戦争―近代化できない清国・朝鮮にロシアの触手が…
国民国家を生み出したアメリカ独立とフランス革命
清帝国の変質―五大種族の同君連合から国民国家への志向
日本の開国と清国と朝鮮
日清戦争(一八九四~九五)
ロシアによる東清鉄道の敷設
朝鮮の鉄道と閔妃事件(一八九五)
義和団事件(一九〇〇)
日露戦争にいたる日本とロシア
日露両国の兵力
日露戦争(一九〇四~〇五)
第七章 日露戦争後の満州と当時の国際情勢―欧米列強が承認、南満州と韓国という日本の勢力圏
日露戦争当時の満州
日本の満州経営のはじまり
関東州と関東軍
満鉄誕生
満鉄の業務内容
満鉄調査部の役割
日本とロシアの密約
日韓併合
辛亥革命(一九一一)
袁世凱の専制君主化と軍閥の抗争
二十一カ条要求と反日運動
ロシア革命(一九一七)とシベリア出兵
モンゴル独立宣言と満蒙独立運動
モンゴル人民共和国成立
第八章 満州帝国の成立―ソ連の謀略と中国の排日運動、満蒙権益を守るための満州建国
満州帝国をめぐる歴史学の立場
中国共産党の成立と第一次国共合作
中国の軍閥
満州の軍閥・張作霖
蒋介石の北伐
張作霖爆殺される
排日運動の激化
満州と朝鮮人
満州事変
関東軍の満蒙領有論
満州国の建国
日満議定書
満州国をめぐる対外関係
第九章 日本史の中の満州―官・民あげて満州投資、最大二百二十万人の日本人が満州に
日本史の中の満州
満州の人口
満州青年連盟と大雄峯会
満州国の行政組織
日満一体の行政へ
三期にわたる経済建設
満州への日本の投資
産業開発五カ年計画
満州への移民
教育・文化行政
モンゴルの民族運動
ノモンハン事件
関東軍
第十章 日本敗戦後の満州―満州帝国の“遺産”が現代中国をつくった
日本の敗戦と満州帝国崩壊
開拓団の悲劇とシベリア抑留
満州引き揚げ
国民党軍と共産党軍の国共内戦
モンゴルの戦後
その後の満州=中国東北地方
おわりに