「証言録」海軍反省会 2
解説
海軍反省会記録第十一回
「戦訓録」の投げかけるもの―開戦の原因をどこに求めるか
「戦訓録」―後半の説明
情報収集の不足
戦略思想の欠如
統率者の認識不足
記憶力優先の指揮官教育の弊害
機関科・戦力抑止力の問題と雑感
「戦訓録」への質問―反省会の進行をめぐって再び紛糾
大東亜戦争か太平洋戦争か
負けるなどとは言えない―軍令部作戦課関係者
政略なき戦略―長期戦への展望の欠如
自存自衛の目的と矛盾する作戦
後方連絡・護衛・補給―後方支援を無視した作戦計画
情報と兵站を軽んじた陸海軍
補給を無視したミッドウェー作戦
特攻の指示はだれが出したのか
海軍省副官の見た開戦前夜―福地氏所感
自衛隊に反映したい海軍の失敗―久原氏所感
内田・井本氏を会に招聘―佐薙・寺崎氏より提案
巷間流布される海軍神話の誤謬を正す反省会の役目―土肥氏のまとめ
海軍反省会記録第十二回
開戦の経緯―明治元年から二十一年の政治状況と照合する
矢牧発表(明治元年~明治二十一年)―陸軍の政治介入・アメリカの対日政策の変化は日露戦争後
対日政策の変化―日露戦争後
開戦日程にまつわるエピソード
昭和六年が転換期―軍縮会議と政治・経済情況
矢牧発表への質疑
技術・知識の研究を望む―大井所感
「軍が国家を所有」という思想の醸成―木山、寺崎、鳥巣、鈴木所感
幼年学校からの人材養成が陸軍政治主導をもたらした
海軍を駄目にした四人―陸軍と同調して開戦に向かう
陸軍の政治介入は
海軍反省会記録第十三回
十九世紀末~大正初期のアメリカ極東政策―日米開戦始動のプロセスを探る
矢牧発表(十九世紀末~大正初期)―アメリカの極東政策・日本の実情
陸軍の満州占領を海軍は黙認した
第一次世界大戦は予防戦争
二十一カ条の要求は出した時期がまずかった
日米開戦直前の欧州事情を知る者から話を聞きたい―野元所感
艦隊側の意見も聞きたい
海軍反省会記録第十四回
三国同盟直前の対独関係・連合艦隊司令部の作戦を検証する
駐在武官の見た太平洋戦争中のドイツ
欧州戦線の戦況
指導者に実情が伝わらないのはドイツも日本も同じ
スターマーにソ連同盟の可能性をほのめかされる―三国同盟はドイツに騙された
ドイツの対英上陸は不可能―軍令部の判断
第四航空艦隊司令官の見た太平洋戦争
昭和四年 対米戦の素案は軍令部作戦課にいた時に出来上がっていた
昭和十一年 大和・武蔵の建造計画に着手
昭和十五年 総力戦研究所で机上演習―二年以上の長期戦は無謀という結論を閣僚に示唆
パールハーバー・ミッドウェーは軍令部の作戦計画を無視した連合艦隊の場当たり作戦
短期戦の根拠―大和・武蔵は抑止力になり得たか
英・米は大和・武蔵の建造をいつ知ったのか
パールハーバー作戦の功罪
海軍反省会記録第十五回
実戦に生かせなかった砲術―黛治夫氏講演をめぐって
「海軍の砲術問題」
ジャットランドの海戦・日露戦争
高木惣吉氏への反論(高木氏の論についての部分はテープなし)
戦艦の砲戦を軽んじた連合艦隊
日米決戦はないと思っていた連合艦隊は大砲を積極的に利用しなかった
日本海軍の射程距離はアメリカより長い
レイテ戦の敗因―小型航空母艦と対潜艦艇による砲撃と航空からの攻撃を行わなかった
質疑応答
海軍反省会記録第十六回
続・実戦に生かせなかった砲術
実戦に生かせなかった砲術
資料解説
EF命中率一覧表
砲戦射撃の命中率は理論上だけのデータでは―鈴木
見敵必戦では勝てない
ミッドウェー戦の敗因は軍令部にもあり
決戦武器の使い方を間違っていた連合艦隊
支作戦に無駄な決戦兵器を使用
質疑応答
雷探射撃の利用率―松田
命中率の高い二万メートルを生かす戦略はあるのか―野元
昭和十八年には中国沿岸・日本海の情報を把握していたアメリカに取り得る戦略はあったのか―大井
砲術論から戦略論へ
歴史には推定論などない―黛対大井
戦争巧者の条件とは―松田所感
砲術が能力を発揮できなかった理由―末国・寺崎
海軍反省会記録第十七回
反省会運営方法を見直す
野元案「反省会を反省する」―反省会運営方法の見直し
野元案で執筆分担へ
海軍の諸問題を解明するには日本人・民族論の研究が必要だ―大井
敗軍の将こそ語らねばならない―戦争体験者の率直な所感は記録として重要
責任の所在―負ける戦争に駆り立てられたのは運命か
国策の転換ができなかった日本―世界情勢・歴史への理解不足故の失策
諸連絡・訪台報告
海軍反省会記録第十八回
「人事・教育・統帥」
「人事・教育・統帥」野元発表
戦争防御の方策、指揮官の責任と幕僚の義務
適材適所主義、転置・配置
皇族人事配置
質疑応答
敗戦は人事配置の失敗のみにあらず
戦争の勝敗を基準とするべきではない―大井
人事の反省には客観的な比較が必要―大井
海軍大臣は軍令部総長を統率できない―だれも責任をとらない仕組み
人事配員については多方面からの検討が必要―具体的な名前を挙げて示す
人事局の配置は私心がなかったのに誤った方向に行った原因は何か―平時と戦争時で人事配置を変えるべきだ
野元総論は原則論
戦時と平時の人事―実例を挙げた比較が望ましい―市来
人事行政を受けた者として―茂木
後世に伝えるために人事の功罪については具体的な実例と論証が必要
野元総論に補足して―寺崎・黛
海軍の人事は理想的に行われていた
適材適所の行き違いが招いた弊害
軍政・軍令では敵性が異なる
戦時中の人事
進級の問題
高級人事に関する問題
教育の問題
海軍反省会記録第十九回
人事制度と行政―末国氏発表をめぐって
海軍の人事制度と人事行政―末国発表
機関将校問題 発端は明治
機関科出身者は人事で差別された
機関将校から噴出する不満
制度見直しの要求
軍令承行令の改正
機関問題を無視していた首脳部
主計科からも一系の要求はあった
アメリカのオフィサー制度との比較―市来
勤務に影響を及ぼした待遇
制度問題対応の遅れが海軍に損害を与えた―曽我
戦時には適所へ適材を、迅速に配置できる制度が必要だった
軍令承行令は適所配置を妨げる障壁となった
陸海軍の体質とものの考え方―末国発表
ドイツ式の陸軍・イギリス式の海軍
陸海の大学校の違い
陸海将校のものの考え方の違い
質疑応答・所感
独断専行の陸軍・科学的合理主義の海軍―大井
増加参謀と覇権参謀―独断参考の原因
陸軍の政治主動は明治期から
陸主海従
大陸一辺倒の教育―陸軍
派閥が政治力を生む
狭く深い陸軍の研究
戦闘史は習っても戦史は教えない―新見
人材が豊富な陸軍に押しまくられる―軍令部在籍時の体験から
満州事変は参謀本部と関東軍で計画されたものだった
海軍反省会記録第二十回
潜水艦を有効利用しなかった海軍
潜水艦関係と水中特攻
潜水艦関係―資料説明(資料略)
自己紹介
潜水艦戦の失敗を考える
アメリカ海軍の四大被害
潜水艦の主要義務と艦隊戦闘
アメリカ海軍の潜水艦利用
潜水艦は主戦略から除外
交通破壊戦をおざなりにした連合艦隊司令部
輸送作戦の悲劇―伊の二・六・三八の場合
潜水艦戦備―性能向上に注力しない無定型な設計の多種多様少量建造
水中特攻作戦の失敗
特殊潜航艇作戦
竜巻作戦
回天―真価を発揮できなかった水中特攻
潜水艦全滅の原因
単独行動の潜水艦は指令の乗艦は不要
二十回質疑
関連資料
資料1 軍令部戦争指導部員当時の意見
資料2 海軍反省会発言者