証言記録生還
【序章】 五〇年目の玉砕地
激戦の島へ/船中の邂逅/五〇年目の再開/捕らわれた藤井少尉
【第1章】 死出の旅
絶対国防圏/関東軍の精鋭、太平洋戦線へ/混乱する師団の転用先/米潜水艦に狙われる輸送船団/
最後の地ペリリュ―島へ/炎暑の中の地下洞陣地造り/サイパン守備隊の玉砕/
陸軍に編入された海軍部隊/米軍特殊工作部隊
【第2章】 オレンジビーチの死闘
詳細に立てられた反撃計画/米軍の砲爆撃に耐える洞窟陣地/米第一陣を迎え撃つ日本軍/
米軍第一陣を撃退した西地区隊/米軍、橋頭堡を築く/実行された第一号反撃計画/
千明大隊長の戦死/大隊長の相次ぐ戦死/敵の包囲網の中で出た撤退命令/
夜襲の肉弾斬り込み/損耗大きい米第一海兵師団/たった一人になった第七中隊員/
ペリリュー脱出をはかった工兵隊/二八年目の工兵隊壕/集団投降した朝鮮人軍属
【第3章】 敵前逆上陸
大本営を喜ばせたペリリュー地区隊/北地区隊の水戸山の攻防/連隊長の熱望で決定された増援派遣/
軍事極秘『逆上陸戦闘詳報』/五〇パーセントの損害を出した逆上陸作戦/
愛児の遺骨を抱いて決死の海中伝令/増援要請の米軍と北地区隊の死闘/
最後の日本兵「芸者・久松」の戦死
【第4章】 玉砕
中央山岳部に追いつめられた日本軍/暗号電文に見る戦闘報告/負傷者で充満の海軍壕/
米軍の占領エリアに潜む日本兵/捜し当てた「死闘の井戸」/一斉斬り込みを禁じられた地区隊/暗号名「サクラ、サクラ」
【第5章】 敗残の洞窟生活
「海軍壕」ではじまった敗残生活/無事生還した「洞窟の幽霊」/米軍の残敵掃討戦で数を減らす日本兵/
グループに分かれて潜伏生活/再武装の「糧ハ敵ニ拠ル」/軍属と兵士グループの出会い/
米兵と一緒に映画鑑賞/男たちはいかに欲望を処理していたか/洞窟生活を支えた娯楽メニュー
【第6章】 奇跡の投降
米兵との銃撃戦で潜伏がバレる/降伏勧告にやってきた日本の海軍少将/投降か潜伏続行か、ゆれる兵士たち/
敗戦を信じ、単身脱走した土田上等兵/「土田捕虜」で、戦闘態勢を固めた日本兵/
家族が書いた必死の手紙/「直ちに戦意を捨てゝ米軍の許に至るべし」/三四人の命を救った肉親の手紙
【終章】 祖国
投降して知った「鬼畜米英」の素顔/米軍からの支給品を詐取された生還兵たち/再会を果たした生還者たちの戦後
あとがき