図書ショウワシ ノ シンソウ000053214

昭和史の深層

サブタイトル1~10
平凡社新書;525 15の争点から読み解く
編著者名
保阪 正康 著
出版者
平凡社
出版年月
2010年(平成22年)5月
大きさ(縦×横)cm
18×
ページ
278p
ISBN
9784582855258
NDC(分類)
210.7
請求記号
210.7/H91
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

はじめに
 
第一章 満洲事変前後の国家改造運動
昭和のテロはここから始まった
国家改造運動の本質
陸軍内部の運動グループが分裂「大善を果たす軍人たれ」
当事者たちの意思はいかに培養されたか
 
第二章 二・二六事件と新統制派
青年将校の主体的意思と天皇の怒り
事件は、「失敗し、そして成功した」
新統制派は事件を利用した
事件の計画案は洩れていた?
事件が成功していたら
 
第三章 日中戦争と「現地解決・不拡大」
対中国観の歪み
煙たがられた不拡大派の石原莞爾
形にならなかった対中和平工作
両国の歴史認識の隔たり
トラウトマン工作、最大の障害
孤立を深めっていった日本
「聖戦」とういう名の戦時下体制
 
第四章 南京事件―戦場における残虐行為とは
東京裁判でどのように受け止められたか
「軍隊はまったく無統制でありました」
東京裁判の弁護人が確認した事実
家族に知られるのを恐れていた将校
綱紀粛正を訴えた松井司令官
 
第五章 太平洋戦争とその歴史的本質
近代日本が行きついた結果の自滅行為
太平洋戦争はどのように語られてきたか
結論は簡単にでない
歴史的な国策を考える指導者がいなかった
 
第六章 毒ガス・原爆・大量殺りく兵器を許した論理
二つの大戦を比較する
アメリカによる「正義の神話」
第一次世界大戦を克服する論理を見いだせなかった
大正時代の良質な面が押しつぶされた
 
第七章 北方四島、北海道占領をめぐるドラマ
北海道の運命は紙一重だったスターリンとトルーマンのやりとり
極東ソ連軍の暴走がなかったことが幸いした
運命を振り回されたシベリア抑留者
スターリンがさらに考えていたこと
 
第八章 「敗戦」と向き合うということ
東条の幻想じみた神話へのこだわり
鈴木貫太郎の敗戦の弁
東久邇宮の「一億総ざんげ論」
戦争体験を語るときに人間の生地があらわれる
昭和史の底流にある「人間の本質」
 
第九章 東京裁判が真に問うていること
世界制覇の夢を貪っていた陸軍将校たち
昭和史の内面に入ってゆく道標としての法廷文書
東京裁判を考えるときに必要な指針
判事の個人的背景を検証することで視点が深まる
史実を見抜く目が試されている
 
第十章 占領期に見る宰相の資質
占領期を見るときに欠けている点
民意を反映した三人と天皇側近に選ばれた二人それぞれの足跡
吉田茂の国家観
「歴史意思」に引っぱりだされた吉田
 
第十一章 占領は解放か、それとも抑圧か
靖国A級戦犯合祀に対する昭和天皇の怒り
占領期におけるプラスとマイナス
「五箇条の御誓文」をめぐって
マッカーサーへの礼賛とへつらい
スチムソン陸軍長官が挙げた三人の日本人
 
第十二章 強制連行の実態を考える
強制連行された中国人の証言
国内の労働力不足を補うために
ふえてきた個人による訴訟
「徴用」という名の強制連行
松代大本営建設の実態
 
第十三章 沖縄戦の本質を見つめる
怒りの県民集会
沖縄戦を考えるときに意識する視点
沖縄戦に参加したアイヌ人兵士
沖縄戦は本土決戦そのもの
昭和天皇の沖縄への思い
 
第十四章 慰安婦問題に見る「戦場の性」
韓国では反日ナショナリズムの象徴
戦時下における人権問題
三人の兵士の証言
事実誤認をもとに
一軍医が残していた記録
軍における性の管理
 
第十五章 昭和天皇の歴史的役割を分析する
昭和天皇の三つの「戦後」
「自分の花は欧州訪問の時だった」
昭和天皇の「記憶力」
その歴史観とは
平成の天皇から感じられる明確な意思
同時代から歴史へ
 
おわりに―日本人の意識はどう変わったか
 
あとがき