図書ダイセンソウ ノ オモテ ト ウラ000052936

大戦争の表と裏

サブタイトル1~10
潜り抜けた幸運な男の記録
編著者名
和田 耕作 著
出版者
富士社会教育センター
出版年月
2000年(平成12年)2月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
388p
ISBN
4938296306
NDC(分類)
289
請求記号
289/W12
保管場所
閉架一般
内容注記
関係略年譜:p385‐387
和書
目次

第一章 私の育った時代―明治末期から大正
日露戦争後の日本
いたずらっ子の小学校時代
ストライキをやった中学校時代
人生問題に悩んだ旧制高校時代
 
第二章 京大左翼の一員として
学者志望からの転換
改良主義との訣別
社研でのファシズム批判論議
三・一五事件と河上教授追放反対大会
学内外での諸闘争と幸運な卒業
 
第三章 転向そして結婚と就職
共産党再建に参加
電車顛覆犯人隠蔽容疑で逮捕
留置場から軍隊へ
転向の契機となった満洲事変
ある女性との交際
京都市役所に就職
 
第四章 京都市役所から満洲へ
大陸政策と深刻化する内外の情勢
大不況下の社会課の風景
大陸への道を開いた課長との衝突
本庄栄治郎教授の紹介で満鉄入社
 
第五章 活気あふれる満鉄経済調査会
熱河省の資源調査と北京の見学
黒龍江省チチハルから北安鎮への資源調査
東支鉄道買収と沿線風景
嘱託から正社員へ―たのしかった大連生活
いわゆる「満鉄左翼」に実体
二・二六事件と北支那政策の積極化
 
第六章 企画院と東亜研究所
思いがけない企画庁副調査官への転進
任官挨拶―松岡総裁・近衛総理・広田外相
長男の死、支那事変拡大による企画庁の開店休業、赤紙さわぎ
企画庁から企画院へ、そして私は中野から荻窪を経て鎌倉へ
東亜研究所の支那経済班主事に就任
 
第七章 昭和研究会と大政翼賛会
後藤隆之助と尾崎秀実との出会い
初期の昭和研究会と河合栄治郎・蝋山政道
第一次近衛内閣と昭和研究会の変化
対支政策をめぐって二分した議論と迷走する独米との外交
第二次近衛内閣と日独軍事同盟の締結
大政翼賛会への軌跡
一国一党論を制した「臣道実践」論
前途多難な大政翼賛会の発足
 
第八章 まぼろしの企画院事件
暁の検挙で野方警察署へ
事件の政治的背景
事件の内容と留置場生活
いわゆる「手記」なるもの
追求きびしい尾崎秀実との関係
留置場生活余話
 
第九章 獄中応召
赤紙に感激して出獄
松江聯隊で野戦行きを懇願
夕陽の宍道湖と輸送船団
 
第十章 比島バターン作戦の思い出
上陸直後の無我夢中の総攻撃
尖兵長として二回目の総攻撃
「死の行軍」ではない米軍捕虜収容
北部ルソン島の警備と討匪行
戦場での異常心理
軍曹に昇進してバギオの兵団本部勤務
比島最後の地・コトコト山警備隊長
 
第十一章 事実無根の満鉄事件
戦場での再検挙と「武人の情」
新京への護送
企画院事件と似た調査部事件
公主嶺の憲兵隊留置場
未決囚としての奉天監獄
発疹チフスと監獄病院
 
第十二章 病気のための保釈出所
伝染病院に駆けつけた家内
般若心経と観音経との出会い
興城温泉での療養と新しい友人たち
日満木工勤務と執行猶予の判決
 
第十三章 新京(長春)で迎えた終戦
だらしない関東軍―司令部が真先に新京脱出
召集責任者のいない二回の召集と自衛団の結成
日満木工社員の救出
予想を超えたソ連軍の暴状
 
第十四章 日本人難民救済とソ連軍
バルビル少佐との接触
日本人中佐(野坂参三)との面談
ソ連軍との交渉に成功
「新京ニュース」の発行
難民救済のための活動
民主連盟の結成
民団改組と思わぬトラブル
 
第十五章 中国共産党との接触
貨車に飛び乗って奉天へ
奉天の中共指導者たち
奉天の日本人民主組織
 
第十六章 新京情勢の急変とソ連軍警による検挙
行方不明のバルビル少佐
国民党の退去と中共の支配
思いもよらぬ検挙
スパイ容疑で軍警の取調べ
数奇な運命の女ターニア
権力を握った共産党主義者への疑問
 
第十七章 中央アジアへの護送
詐術の繰り返しだった取調べ
「希望」を餌に締め上げるゲーペーウー
封印貨物車でシベリアへ出発
感慨深いハルピン駅
昭和二十一年元旦に中ソ国境を越える 四十歳
地獄のチタと聖なるバイカル湖
ノボシビルスクの入浴とトルクシーブ鉄道
 
第十八章 悲惨なアルマータ収容所の生活
収容所(ラーゲリー)と白系ロシア人
発疹チフスの大発生
いかがわしい所長の労働宣言
ハラショ・ラボーターへの報奨
白系小隊長ストッキーを戒める
体位三級の軽労働としての農作業
「等級食」による最悪の冬
白系ロシア人の退場と職場復帰
民主教育の講師と民主運動
 
第十九章 カラカンダ収容所と帰還
アルマータからカラカンダで
二度目の帰還にもれる
瀧本君との再会と煉瓦積み職人
つるしあげを受けた民主委員会総会での居直り
スパイの適正を試したのか最後の取調べ
ナホトカと舞鶴で手間取った帰還と上陸
 
終章 あと書き
共産主義と私
戦後は余白