図書カタリツグ センソウ000052797

語りつぐ戦争

サブタイトル1~10
編著者名
福岡県教職員組合 編
出版者
葦書房
出版年月
1979年(昭和54年)7月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
276p,図版2枚
ISBN
NDC(分類)
916
請求記号
916/F82
保管場所
閉架一般
内容注記
和書
目次

まえがき
 
第Ⅰ章 戦争中のくらし
◆食べる物も着る物もなく
戦いのあった日々
ごはんつぶを争って
弟たちをにらんだ食事時
一斗がんの底のアメ
芋の葉の雑炊
さつまいものおまんじゅう
黄土色のランドセル

◆学校
日の丸弁当で戦勝祈願
銃後を守る
世界地図に日の丸の旗
初めての手紙は慰問文
学校工場そして空襲
大きな木の下で授業
戦中を一小学校教師として
忘れ得ぬ師

◆疎開
学童疎開
魚をとったり螢柱を見たり
売ってくれるのはタマゴだけ

◆農村
一升の米も自由にできず
朝五時の早起きタイコ
女手だけの農作業
兵隊さんの食事

◆敗戦
久留米空襲と終戦後のくらし
「私を殺して下さい」
空から落ちてきたドラムカン
カラン、カランと下駄の音
つりと大砲
教科書をぬりつぶす
戦争に負けたよ

◆戦死
二歳の時、両親を亡くす
父ちゃんが死んだ
父をうばった戦争
特攻隊で戦死
夫の戦死
英霊もうかばれない

◆戦争中のくらし・聞き書き
まずい麦ごはん
配給制
物置きに残っている着物
菓子もなく虫歯もなく
こうりゃんまんじゅう
明けてもくれても“勤労奉仕”
七つボタンの航空隊
学校をスミで真黒に
いじけた父
学徒動員で火薬工場へ
祖父の戦死
戦争てきたない
せんそうはこわいです
小さな足

第Ⅱ章 空襲
◆福岡空襲
火の海を逃げまわって
夢の中のサイレン
死体の中、米を運ぶ
炎をくぐって
今でも耳に残る焼夷弾の音
私は生きている
わたしの家が燃えている
登校途中でサイレン
はがれた天井
焼野が原を糸島から宗像まで
一場の夢のよう

(雷山空襲)
パンツ一枚で山奥に逃げる
牛小屋の近くで爆発
片足をほうちょうで切る

◆北九州空襲
死んだ坊やを背負って
三号炉の精錬中に爆撃
馬は立ったまま死んでいた
霧雨のように
子供を守って焼けこげたおかあさん
庭先に焼い弾の火柱
麦刈りの最中に
遊びの途中で爆撃

(久留米空襲)
火煙の入道雲が高々と
久留米空襲と友の死

(大牟田空襲)
第二回大牟田空襲の夜

(大刀洗空襲)
下校中の生徒が即死

◆各地の空襲
Bはどこからくっとね
機銃掃射で老夫婦が即死
鹿児島の山奥で
基隆で機銃掃射に会う
川も沸騰して
定期便

◆広島・長崎での被爆
のろいの火をあびて
あの恐ろしい一瞬
軍隊は依然として存在す!
八月九日十一時二分
原爆の翌日に
長崎の港の見える防空壕で
偶然が原爆から救う

◆空襲・聞き書き
町は火の海
壊されるとわかっている畑をつくる
母は叫び、馬は狂う
アメリカ兵をつき殺す
夜のように暗かった
二度と見られないから……
村のおみやでべんきょう
こわい戦争
一瞬、きれいだなと思う
くさくて暗かった防空壕
D・D・Tで髪は真白
機銃掃射でタァちゃんは死んだ
残ったのはレンガとかわらと便器だけ
灰になったやくなす
ぼうくうごうで生まれた母
腹の立つ天皇の記者会見
長崎が里でよかった
人類最後の日
ピカッと光り、まっきいろに染った
広島の部隊で被爆

第Ⅲ章 引揚の記録
◆満州
デンシュウから引揚げる
奉天での生地獄と引き揚げ
内地で一年生のやりなおし
中国服を着てとうふ売り
自害用の青酸カリ
頭から血を流して倒れた兄
娘さんは丸坊主に
ソ連兵の宿舎に
盲目の父の手を引き
赤ちゃんを殺したり
私があるいた十九の春
市街戦そしてソ連軍入城
朝鮮人、中国人を差別した反動

◆朝鮮
朝鮮での日々
竹槍をもち雨戸をしめ
四人の小さな妹弟と
大きなリュックを担ぎ
とうもろこしと母のなみだ

◆引揚の記録・聞き書き
おかあさん、おいていかないで!!
ソ連の越境
目の前で死んでいく人が
祖父は戦犯でソ連に
無政府状態の文管屯
いばっていた日本人
台湾の山奥に疎開
ロシア兵の食べかけのパンを
八路軍の看護婦として従軍
 
第Ⅳ章 軍隊での体験
◆兵士
命令
日本男子として
戦車肉弾攻撃
転落した甲板長
ブーゲンビル島の沖で
中国人の老婆と少年
一銭五厘の兵隊

◆予科練
海軍兵学校生徒
幼年学校から士官学校
「神国不滅!!」
予科練の思い出
中学生で航空隊へ

◆シベリヤ抑留
シベリア抑留
ソ連での捕虜生活

◆軍隊での体験・聞き書き
終戦後も戦闘
友達の指を切って前進
「必ず勝つ」と信じて
ツギマノココロ マンゲツノゴトシ
おじいちゃんの生まれかわり

戦争は終わっていない 編集を終えて
あとがき