ケータイ世代が「軍事郵便」を読む

はしがき
　
第一章　小泉博美（ひろよし）書簡八八通との格闘
小泉書簡との出合い
小泉博美さんとその軍事郵便の特徴
小泉博美さんの人柄と召集前後
博美さんの戦死の受け止め方と慰霊
軍事郵便の内容と兄との三回の面会
コラム1　軍事郵便解読を通して
　
第二章　軍事郵便の企画展示
展示に至るまでの経緯と準備
展示の概要
メディア宣伝と予想外の反響
来場者の分析と観覧の感想
研究成果を展示という手法で公表した意義
戦争展示の難しさと課題
歴史史料としての軍事郵便
コラム2　私と軍事郵便
コラム3　一人の兵士の手紙に触れて
　
第三章　軍事郵便が記録する戦時下の日本とビルマ――「帝国」内を往還する八八通の手紙――
家族への思いを記録する
軍隊生活を記録する
「帝国」の〈いま〉を記録する
おわりに
コラム4　「小泉博美書簡研究」を振り返って
コラム5　“命の手紙”軍事郵便が教えてくれたこと
　
第四章　衣川（きぬがわ）書簡の分析と関係者追跡の旅
衣川賢太郎さんの軍歴と生涯
衣川さんと富田賢子さんとの関係
謎を追い求めて――賢子さんの所在と衣川姓の追跡
富山から兵庫へ
コラム6　新井ゼミで学んだこと
コラム7　軍事郵便の現地調査から学んだもの――就職活動にも活きる
　
第五章　ご子息・古川春馬さんとの出会い
衣川姓の探索と電話作戦
二人の関係と検閲印
賢子さんの出産と賢太郎さんの独身のなぞ
軍刀を振りかざした一枚の写真
沖縄戦参加の衝撃とPTSD
九二歳で亡くなる前に回想録を書く
総括
コラム8　軍事郵便からの警告に耳をかたむけよう
コラム9　朝来市和田山で得られたこと
コラム10　「手紙」の持つ力を見直す
　
終章　軍事郵便に触れることで私たちが学んだこと（座談会）
　
あとがき