商社マン戦中裏日記
序
はじめに
第一章 日米開戦
駐在員謀殺事件
戦前の企業社員の帰属意識
米国と開戦
壮士一たび去って復た還らず
米潜水艦に狙われた大洋丸
波間に漂う不屈の根性
美人社員とエリート社員
第二章 鬼の憲兵と商社マン
丙種合格社員の出陣
苦戦苦闘の船内生活と内緒話
思いだす戦前の商社幹部の経営哲学
軍人社会の中の異邦人
憲兵バッシングと櫻組の嘆き
商社存立を脅かした大原事件
第三章 戦時下のジャカルタ支店
完全犯罪(洋服抜取り事件)
人喰い虎に狙われながら生ゴム集荷
コンニャク芋と風船爆弾
焼玉エンジン木造船と自動車エンジン特攻艇
第四章 ジャカルタ暮らし
ドイツ潜水艦補給事務と華僑コネクション
三人の中国系エリート社員
弾薬船の爆沈と血族が呼ぶ怪奇
ジャワ風土病の怖さ
二百種類のバナナ奇談
舞い降りた落下傘神兵
第五章 ジャワ生活奇談
M氏の大冒険
泥棒避けの神符(豚の絵)
トッケイ(ヤモリ)物語
飢えた読書欲
ダッチワイフ奇談
H(エツチ)な日本人名とひとり息子鍛錬法
第六章 日本軍とインドネシア独立運動
物情騒然のジャワと戦車特攻兵
日本降伏と独立運動蔓延
死体が転がるジャカルタ市内(治安悪化)
インドネシア独立宣言と日本軍の協力
日本人狩り始まる
プロ軍団城戸部隊の決起
不運の王子製紙社員五三名
相次ぐ悲報
深夜に死の訪問者
中国人コックの命をかけた親切
第七章 敗戦と強制労働
収容所生活
英軍の日本軍悪用による対日感情の悪化
重労働と肉体改造
親切な印度兵
印度兵の決起事件
一人前の沖仲士(船内外で働く労働者)
にわか仕立てのコックと特上スープ
殺人的強制労働
第八章 収容所暮らし
陸海軍の対立
機を見るに敏―リスクマネージメント
総力戦音痴の軍部と日本人救出
商社女性社員と抑留生活
第九章 さらばジャカルタ
内地帰還余談
戦犯容疑を救ってくれた石鹸水スープ
さらばジャカルタ また来る日まで!
あとがき
参考文献
イラスト(著者)