昭和期美術展覧会の研究 戦前篇
序
総論
「統制」と「国際」の時代――戦中期の有島生馬を中心に(田中淳)
戦前の県展――展覧会の中央と地方――(田中修二)
昭和前半期の美術 植民地・占領地の美術(後小路雅弘)
展覧会の内側/外側
「婦女子」の日本画――昭和戦前期官展の美人画を介して――(藤井素彦)
床の間の上の裸婦――小林古径《髪》より――(塩谷純)
「工芸展覧会」としての商工展(寺尾健一)
国民性の発露としての工芸――初期帝国美術院展覧会第四部(美術工芸部)における作家意識と国民工芸創出への諸相――(本橋浩介)
昭和戦前期の官展彫塑年代記 并朝倉塾(村山万介)
銀座紀伊國屋ギャラリーという場所(大谷省吾)
満州国美術展覧会をめぐって(江川佳秀)
美術をめぐる集団と個
矢部友衛とプロレタリア美術研究所(喜夛孝臣)
一九三○年代の大阪におけるヨーロッパ前衛絵画の受容と展開――石丸一と吉原治良を中心に――(平井章一)
日本版画協会――その設立から終戦時まで――(西山純子)
青龍社と「会場芸術」(長嶋圭哉)
前衛主義と伝統主義の相克――「成層絵画研究集団」の成立と変遷――(菊屋吉生)
小野佐世男――逆説の漫画家・空談家――(足立元)
メチエとの葛藤
梅原龍三郎の絵画技術について――透明画法と不透明画法――(小林俊介)
モニュメントとしての木彫――昭和戦前期の平櫛田中・佐藤朝山――(沓沢耕介)
昭和前期の美術界と写真作品(光田由里)
機械的視覚メディアの「影響」からみる昭和十年代の前衛絵画――瀧口修造「影響について」(昭和十四年)を手掛かりに――(谷口英理)
最小限住宅とその室内設備に関する一考察――型而工房とそのメンバーのデザイン活動から――(敷田弘子)
戦時下と美術
描く兵士――日中戦争と「美術」の分際――(河田明久)
絵画館と壁画――東京府養正館と国史絵画――(澤田佳三)
戦争美術展における「銃後」図像に関する試論(吉良智子)
昭和戦前期彫刻における公共的モニュメントの展開――第三部会・新構造社・九元社・新制作派協会の実践――(齊藤祐子)
南進政策と美術――南洋美術協会をめぐって――(滝沢恭司)
資料
本研究関係美術展覧会年表…喜夛孝臣編
本研究関係美術団体相関図…足立元編
あとがき
執筆者一覧