映画の母性

はじめに
　
序章
もうひとりの母、それが「映画のお母さん」
ヴァーチャルマザーと母もの女優
母性認識のディレンマ
　
第1章　母ものシリーズの特性
大映の母もの
母もののナラティヴ（主に松竹・大映映画）
母ものの娯楽性
母娘のジュイサーンス
抑制型ジェイサーンスと映像戦略
子守唄のドラマツルギィ
母ものシリーズの成立
　
第2章　母親イコンのヴァラエティ
受難の母
母もの戦争テクスト
命懸けの母性愛
浪曲とミュージカルの寿ぐ母の殉死
母親イコンとマジックワード
　
第3章　母もの映画の受容
観客の母もの受容
古川ロッパの日記に見る同業者の母もの受容
観客受容とイコン搾取
　
第4章　主演女優の実像
母もの女優三益愛子の芸歴
制作担当重役川口松太郎の略歴
三益愛子と二人の男性
喜劇女優から転身
　
第5章　実像と虚像の交差
取りつくまなざし
お母さんの造形と浅草文化
川口松太郎と母性
制作を支える男性たち
母親ペルソナの愛とディレンマ
　
第6章　ハリウッドの母親イメージ
ハリウッド映画と芸人母親（Mother　Wore　Tights［ママは踊り子］）
ハリウッドの母親制裁（Hard,Fast,and　Beautiful［テニス・ママ］）
ハリウッドの二組みの母娘（Imltation　of　Life『悲しみは空の彼方に』
　
第7章　日本の母の転身からフィナーレへ
母ものヒロインのペルソナ転向
狂う母にみせる愛子の芸魂
愛子のライバル意識
がめつい母性
聖母イコンの逆襲と日本の母の終り
　
終章
「映画のお母さん」の母親受容
母性認識に受けるインパクト
　
あとがき
　
改訂増補版あとがき
　
索引（映画・歌舞伎・新派劇・文楽）