戰場と故郷
咲き出ずして散る(中支派遣軍太田部隊・故清水末孝)
第一線をめざして
支那の子供たち
奔放な大陸の氣候
異郷にて天長節を祝ふ
激戰の幻覺に惱む
螢飛ぶ平和の一とき
日本人の好む平和
炎暑を忘れる夕べ
いたづらをする雨
亡き母上の命日
戰傷をうけて後退
悲壯最後の便り
中隊長よりの弔状
菅原中尉の弔状
前中隊長の弔状
白兵戰の華(北支派遣軍・故北岡一角)
支那兵をイモ刺し
敵の機銃で撃退
病床の夢(於野戰病院・森永部隊・小野友三郎)
病床で聞く戰況
後送患者を迎へる
つきぬ看護婦への感謝
戰地の婦人會員
手を握り合ふ戰友
内地還送兵の發表
原隊復歸兵を送る
妻を想ふ(中支派遣軍・少尉・阪本博)
船中より故郷の妻へ
露營の空に明月を見る
山又山の難行軍
バナナの樹蔭から(南支派遣軍・辻本郁之助)
マストにとまる瑞鳥「鷹」
水の不足に苦しむ
謠曲上等兵の負傷
火野葦平と握手する
獨樂と紙風船(南支派遣軍・特務兵・森脇康雄)
從軍兵士の甘黨ぶり
繪のやうな街廣東
妻と共に戰ふ(北支派遣軍・上村浩基)
歩哨に立つ妻の幻
一ときの平和を守る
眞心に引かされて強行軍
未だ見ぬ我が愛し子
漢口占領の歴史的一瞬
戰場と母(北支派遣軍・伍長・故朝倉豐)
黄塵萬丈の支那の風
内地の輕井澤を思ふ
黄色い支那の河水
母上の誕生日を祝ふ
一枚の便箋に書く
切々胸を打つ遺書
戰友からの戰死の報
戰線に通ふ眞心(南支派遣軍・少尉・中原庸一)
紺碧の海を征く
鐘を鳴らして走る汽車
こわれたウクレレ
一時に來る支那の四季
ハンカチの縁り(星野部隊・林肇)
傷ける我が愛馬
水牛のいる支那の風景
戰場で古代美術を研究
戰ひと我が子(北支派遣軍・工兵少尉・西尾直彦)
我れを慕ふ故郷の幼兒
生活不安定を氣遣ふ
妻が眞心こめた靴下
武士の妻の覺悟
英靈に祈る(中支派遣軍・吉田耕一)
身代りの寫眞機
逆襲をくり返す敵
クリーク行進譜(高品部隊・池戸軍曹)
亡き戰友の靈に祈る
再度の負傷(高品部隊・軍曹・柳川清)
内山上等兵の最期
玄海の波怒る
惱み多き内山君の半生
亡き友に勵まされて
子供にかへる(北支派遣軍・後野由衞)
唯一の慰安・慰問袋
戰友を失ふ(土師部隊・松山友二)
戰死を祖國へ通知する
戰線を飛ぶ(北支派遣軍○○飛行隊・西川好次郎)
戰蹟の牧歌的情景
母國の熱情に咽ぶ
戰友の墓標に祈る
聖戰譜
苦樂の半分(支那駐屯軍山下部隊・伍長・故下條逹人)
支那人と「大地」
英雄閑日月あり
戰場で貯金報國
戰場で見る月影
肺腑をつく遺言
壯烈なる戰死の報
バイアス灣(南支派遣軍・植田武吉)
亞熱帶を征く
腹を洗ふ雨水
砲兵の第一線(谷口部隊・中尉・故野上正義)
觀測車と電話連絡
蚊帳のない夏の戰場
漢口へ漢口へと進む
神の加護(中支派遣軍・藤田軍醫)
メス一本で重症を救ふ
海の荒鷲(○○部隊・松山周一)
慰問袋の勇士から
病める妻へ(中支派遣軍・勝田藤雄)
内地の暴風雨
病める妻へ金を送る
雨降る惡路(中支派遣軍・加藤佐一)
自動車は我が生命
規律と愛情(中支派遣軍・鈴木良雄)
寫眞班に撮影さる
復興途上の町から
野戰料野(中支派遣軍東部隊・大山恭二)
慰問袋の萬年筆で
豚の丸燒を食ふ
討匪行(北支派遣軍・萩原喬三)
討匪で東奔西走する
許婚者(土師部隊・中屋正)
陸戰隊の一員として活躍
榮ある軍旗(中野部隊・旗手・故山崎俊夫)
慰問袋の贈り主へ
妻の死(中支派遣軍大山部隊・溝口欽一)
陣中に知る悲報
愛馬の歌(滿洲派遣軍・古屋正一)
北滿陣地だより
愛馬海北號病む
鐵路の警備(中支派遣軍畑部隊・中村清)
錢塘江畔に立つ
戰場の歌(北支派遣軍井關部隊・特務兵・茅野茂次)
郷里なる姉上へ
愛兒の死(○○部隊・伊藤清六)
敵襲と南京虫(中支派遣軍稻葉部隊・砲兵少佐・松本岩吉)
郷里なる妻へ
戰地の歌だより(北支派遣軍井關部隊・特務兵・茅野茂次)
郷里の妻へ
萬年筆と友情(中支派遣軍・水野清治)
鐵兜に穴があく
英靈のねむる枯野
流彈が鐵兜に
徐州會戰に參加