昭和史を動かしたアメリカ情報機関
まえがき
序章 アメリカ情報機関の歴史
軍事戦、政治戦、心理戦
南北戦争から第一次世界大戦
第一次世界大戦から第二次世界大戦
戦後から現在
第一章 「ルーズヴェルトの陰謀」はあったのか――陸軍・海軍情報局と真珠湾攻撃
「ルーズヴェルト陰謀説」
ブラック・チェンバーから陸軍通信情報局へ
レッド(九一式暗号機)とパープル(九七式暗号機)
筒抜けだった二枚舌外交
今も残る「風情報」の謎
結局、誰も動かなかった
アメリカ側は日本がどこを攻撃するか知らなかった
ノイズがインテリジェンスの邪魔をする
思いこみがインテリジェンスを無効化する
ルーズヴェルトは半年後を望んでいた
ルーズヴェルトはなぜマジック情報隠蔽をはかったのか
第二章 天皇制はいかに残されたか――戦時情報局とグルーの工作
グルーと戦時情報局
「反戦天皇」の起源
天皇制存置を主張する理論的根拠
戦時情報局に利用されつつ利用する
ポツダム宣言はこうして生まれた
日本へ提案するプログラム
国務省内から出た天皇制存置反対
ハード・ピース派とソフト・ピース派の攻防
グルーの工作は失敗か、成功か
第三章 ポツダム宣言受諾に導いた対日心理戦――海軍情報局とザカリアス
エリス・ザカリアスという男
ザカリアスの対日心理戦計画
グルーの工作とザカリアスの心理戦
日本に届いたメッセージ
『ワシントン・ポスト』に掲載された「無条件降伏」
ザカリアスの「無条件降伏」がポツダム宣言受諾に導いた
第四章 終戦を早めたダレス工作――戦略情報局とスイスの日本人
終戦工作は「幻」ではなかった
アレン・ダレスとジョセフ・グルーの関係
ダレスがスイスで築いた情報網
対日終戦工作は三月に始まっていた
戦略情報局の報告書が語るもの
本部から打ち切られた海軍ルート
グルーの必死の呼びかけ
賭けに出たダレス
暗礁に乗り上げた和平工作
ダレス工作、東郷を動かす
「余には確信がある」
第五章 戦後史の陰の演出者――参謀二部と日本占領
参謀二部とは何か
正力松太郎の無罪判決を誘導
政治戦のコマに使われた者たち
ターゲットは超国家主義者から共産主義者へ
参謀二部の対日心理戦
対日心理戦のターゲット
朝鮮半島向けプロパガンダ放送
参謀二部は「逆コース」にどう関わったか
民政局と経済科学局のパージ
第六章 テレビはいかにして日本に導入されたのか――心理戦委員会と日本テレビ放送網
C・D・ジャクソンとは何者か
ジャクソン文書から出てきた日本テレビ放送網計画
鉄のカーテンを破るためのプロジェクト・トロイ
マッカーサーもVOA長官も「ヴィジョン・オブ・アメリカ」を支援した
「ラジオの父」と「トーキーの父」が正力を担ぎ出す
正力とホールシューセンの密約
日本がアメリカのテレビ方式を採用した本当の理由
危機に瀕したホールシューセン・正力密約
日本テレビ放送網をめぐるアメリカ議会と政府の主導権争い
「ポダルトン」工作=一〇〇〇万ドル借款工作
吉田、一〇〇〇万ドル借款つぶしに動く
あとがき
本書に登場するアメリカ情報機関
引用・参考文献
アメリカ情報政策の変遷