大空襲三一〇人詩集
序文 大空襲体験を次世代へ手渡すために(早乙女勝元)
一章 海外/戦中
雪は中国の大地の上に降っていて(艾青)
血の洗礼(阿●)
最も怯懦な者こそ最も残忍だ(郭沫若)
惨目吟―惨状を目にうめく(郭沫若)
合いことば(戴望舒)
深夜の電話―日本軍の重慶大爆撃の残叫(秋吉久紀夫)
重慶(村田正夫)
ネズミの行方(鈴木文子)
黄泉草子形見祭文(抄)(尾花仙朔)
実験(山本倫子)
夜の進行(山本倫子)
「蚤の跳梁 VIII・XII」より(木島始)
空襲警報は解除されていない。(森田進)
『長詩 リトルボーイ』より(高炯烈)
真珠湾(パール・ハーバー)の水(新川和江)
六十二年前の今日(池田錬二)
真珠湾奇襲(水崎野里子)
ゲルニカ(浅井薫)
磔刑図考(浜田知章)
ゲルニカ(南邦和)
ヒロシマ・一九四五年八月六日(テレシンカ・ペレイラ)
爆心地(ウイリアム・スタフォード)
4人の賢者のキャロル(ジェームズ・カーカップ)
ロンドンの子供の焼死に哀悼を拒める詩(ディラン・トマス)
焼夷弾空襲の後の儀式(ディラン・トマス)
明け方の空襲で殺された者のなかに百歳の男がいた(ディラン・トマス)
雨は降り続く(イーデス・シットウェル)
神は涙で答えた(ディヴィッド・クリーガー)
町は嘆く(マリア・キスナー)
少年期の風景―第十四章(ハインツ・チェホフスキー)
ある生き残りの男について―その一(フォルカー・ブラウン)
最後の雨のあとの ヨーロッパ―その六(ドゥアス・グリューンバイン)
せともの。わが故郷の没落の詩―その一(ドゥアス・グリューンバイン)
日本の抒情(池田久子)
いまだに出走する(川内久栄)
唯一の成果(川内久栄)
紙風船(武藤ゆかり)
紙漉きのわらい(一)(大崎二郎)
声帯(弓田弓子)
贄(にえ)の貌(かお)(入江昭三)
北回帰線(久宗睦子)
台東の海(真辺博章)
旗をひらひらさせていった飛行機(宗美津子)
豊原駅前空襲(宗美津子)
人が火の中へ消えた(宗美津子)
林の中(宗美津子)
あれは地獄だ(宗美津子)
二章 東京
走っている その夜14(宗左近)
東京下町・薤露(かいろ)行(浜田知章)
太白(たいはく)―昭和十九年十一月二十四日(菊田守)
自分の家(菅原克己)
「風III」より(福田律郎)
東京大空襲(短縮稿)(田中清光)
明けがたの烽火台(斎藤庸一)
さっちゃんは戦争を知らない(宮静枝)
キシボ(鬼子母)(宮静枝)
火の記憶(宮静枝)
なげきのさくら(宮静枝)
火の歎き(東京大空襲)(宮静枝)
火天(鈴木満)
良子(よしこ)ちゃん(小森香子)
病葉(『暁闇』より)(江波戸敏倫)
あの夜から(山野井悌二)
巣友(ソウユウ)(田中順三)
人々は炎の海を泳いでいた(堀内利美)
一九四五・三・九から三・十の朝まで(森徳治)
地獄の火の鳥(森徳治)
「空襲何ぞ恐るべき」―東急大空襲大虐殺の記憶―(黒羽英二)
実景(黒羽英二)
さまよえる(黒羽英二)
昭和20年3月10日(山本龍生)
真っ赤な絵本 NHKスペシャル「東京大空襲60年目の被害地図」を観て(西村啓子)
黒い朝のノート(三方克)
春の焔(小倉勢以)
百キロ爆弾のそばで(秋山泰則)
火の鳥(秋山泰則)
六十年目の鎮魂 あの日 あの夜降ったのは……?(石塚昌男)
もしも三月十八日の決断があれば(新井一雄)
息子が帰って来た(新井しず江)
焼跡(高良留美子)
行水(武内利栄)
戦後・2(武内辰郎)
風景―三月十日―(大井康暢)
屠殺場遊び―1945・3・10 東京大空襲に―(原子修)
誰も答えてくれない(塚本月江)
あの夜(岡田優子)
海 海 海(山本十四尾)
復員兵(甲田四郎)
あの日の桜(西尾君子)
空襲下の『風と共に去りぬ』(大掛史子)
その橋の黒ずみは(吉田博子)
いろはにほへとちりぬる(増岡敏和)
「黄砂がきた」より(増田幸太郎)
あの夜(丸山勝久)
夢違之地蔵尊縁起(葵生川玲)
一輪車(宮崎清)
蝉(佐久間隆史)
人間九十九 ケロイド1(まつだひでお)
委託(山佐木進)
犠牲者(小野恵美子)
三月十日 三ノ輪の町で(浅見洋子)
独りぽっちの人生(せいかつ)(浅見洋子)
戦うかぼちゃ(李美子)
三月十日のおひなさま(森田和美)
炎の地層(方喰あい子)
私の顔(川奈静)
上野図書館(中川波)
水泡(みずあわ)―隅田公園にて(鈴木比佐雄)
ハナダイコンを添えて(鈴木比佐雄)
三章 関東
焼き殺されたふさ子(鳴海英吉)
五月に死んだ ふさ子のために(鳴海英吉)
『滞京日記』より(更科源蔵)
やけあと(山田今次)
鎮魂歌(木原孝一)
防空壕で死んだ少年の独白(杉山滿夫)
秋の暮(筧槇二)
硫黄島(いおうじま)覚書(鎗田清太郎)
神風を探しに(細野豊)
桃花源を尋ねて(埋田昇二)
木箱の骨(和田文雄)
防空壕(山田直)
遠い記憶(國井世津子)
老夫婦夜話(市川つた)
花火(香野広一)
八月の広瀬川(北畑光男)
対岸の炎(田上悦子)
千葉市《七夕空襲》(石村柳三)
非常時(布留川洋子)
抱擁(内藤紀久枝)
桃の蕾に紅さして(佐藤恵子)
平塚空襲(内藤喜美子)
横浜大空襲(北村愛子)
亡骸(なきがら)を焼く(北村愛子)
新幸福論(野島茂)
火の記憶(硲杏子)
未来へ(青柳晶子)
爆音(岡野菊子)
金丸原飛行場周辺の空襲(貝塚津音魚)
爆弾(成瀬峰子)
サークル・ゲーム―幼年期の私が見た戦後に―(中村不二夫)
空襲(吉原幸子)
赤いサンダル(森田海径子)
この土の下に(星清彦)
五月二十九日 横浜(大石規子)
1981年、日本生まれAと戦争(阿久津歩)
戦時、という路のさき(阿久津歩)
四章 北海道・東北
非常の時(高村光太郎)
爆弾穴―僕らの町に海軍の空軍基地があった―(矢口以文)
ゴーシュの破れセロ炎上―花巻大空襲(森三紗)
海受難―釜石が焦土と化した日(森三紗)
炭化したパンのイメージ(若松丈太郎)
あるべきでないうつくしさ(若松丈太郎)
あの時、友だちと(斎藤彰吾)
燃える町(今入惇)
仮眠(今入惇)
名簿(今入惇)
上州の空(小坂太郎)
釜石伝説(金野清人)
幾千の光が落とされて燃え(斎藤久夫)
みどりのふるさと(三浦幹夫)
神の手(工藤優子)
昼顔の花(大村孝子)
硯(山形一至)
少女は見ていた(未津きみ)
最後の空の前に(経田祐介)
ひとつの夏・少女(3)(こたきこなみ)
弾痕(蒼わたる)
朱(みやのえいこ)
八才の夏(みやのえいこ)
戦争(日高のぼる)
防空壕(日高のぼる)
「御真影」(日高のぼる)
五章 中部
真紅の服で(石川逸子)
飛燕(溝口章)
運行している(溝口章)
階段(津坂治男)
麦の風(小島禄琅)
夕闇のさくら谷―輪島・一本松公園―(千葉龍)
遠景(永谷悠紀子)
骨の来歴(黛元男)
空襲(松本恭輔)
やけあと(松本恭輔)
戦争の果実(吉永素乃)
余生を生きて(吉永素乃)
墓の中の祖父よ(稲木信夫)
富山空襲 打木南瓜(かぼちゃ)(徳沢愛子)
お堂と共に燃えた人たち(安永圭子)
合歓(ねむ)の花(比留間一成)
安倍川(金水善)
誕生日は祝えない(うおずみ千尋)
銀色の飛行機(和田攻)
だるまさんがころんだ(こまつかん)
東雲の彼方から(酒井力)
長岡大空襲の一夜が(館路子)
六章 関西
ヨシコ(たかとう匡子)
大阪大空襲一九四五・三・十三・夜(日高てる)
焼け跡―三月十三日の大阪大空襲(志賀英夫)
レクイエム・ほむら野―大阪府立豊中高女動員学徒の死―(島田陽子)
大阪鎮魂(西岡光秋)
峠へ(犬塚昭夫)
黒蝶(丸本明子)
炎天(丸本明子)
潰れる(丸本明子)
燃えた樹(いわはしよしお)
堺大空襲―一枚の写真から―(原圭治)
眠られぬ夜に(有馬敲)
炎の裸馬と少年―大阪大空襲三月十三日(大原勝人)
少年期と父兄の死(日高滋)
記憶の岸辺(坂東寿子)
弱い一族(下村和子)
僕の八月六日(直原弘道)
サイレン(宮本正清)
瞳(西田彩子)
月夜(西田彩子)
疎開児童と不発弾(名古きよえ)
炎の海(伊藤眞司)
ブーメラン(伊藤眞司)
花火(平原比呂子)
タンポポ(坂上清)
悦びの日へ(浅井千代子)
お母さんへ(瀬野とし)
人参の花(吉村伊紅美)
七章 中国・四国
光(小野十三郎)
汝の鷄(澤村光博)
ヒロシマ・わが幻(澤村光博)
碑銘余話(米田栄作)
堺川(木川陽子)
今津川のほとりで―ふるさとIV(御庄博実)
手の話(片岡文雄)
鶴(小松弘愛)
橙色に包まれた街(鳥巣郁美)
ああ 呉の街(山本あさ子)
学校の跡の方へ(井奥行彦)
戦争 1(なんば・みちこ)
洞穴(松田研之)
鶴ちゃん(妹尾倫良)
水島(岡隆夫)
また背中がひりひりする(山下静男)
高知空港周辺で(猪野睦)
抱いたまま(中桐美和子)
火柱の天守閣と赤い太陽(福谷昭二)
基地の街にて(長津功三良)
いわくに、ひかりの空襲は八月十四日 でした(長津功三良)
「岡山空襲」の記憶から(くにさだきみ)
ほたる(皆木信昭)
腕時計(白河左江子)
夢(田中郁子)
敗戦前後(佐藤勝太)
六十三年目のヒロシマ(佐藤勝太)
記憶(坂本法子)
いつもの空(結城文)
白いテント(上田由美子)
空爆の連鎖(相良蒼生夫)
不詳(赤山勇)
八月の満月(今井文世)
緋色の猫(市川紀久子)
火の雨降る夜の記憶(杉本知政)
包丁(木村恭子)
夏の思い(植木信子)
広島(植木信子)
終わらない空(一瀉千里)
八月の校庭(福間明子)
カーテンを開けると(広瀬弓)
蝉(真田かずこ)
被爆地蔵(大山真善美)
燃える地図(みもとけいこ)
静かな空の下で(林木林)
八章 九州・沖縄
操り人形(嵯峨信之)
童女へ(福田須磨子)
八月(山田かん)
灰の記憶 被爆三〇年(風木雲太郎)
そして八月は(上瀧望観)
六月の雨(餘戸義雄)
夏の訣れ(福田万里子)
愛(倉岡俊子)
戦禍の子供たち(倉岡俊子)
日本刀(秋吉久紀夫)
この八月どうしていますか(岡たすく)
蓑虫の遺伝子の歎語(原子朗)
0哩(岩崎則子)
草むら(はんだゆきこ)
八重桜(松本知沙)
献体(丸山創)
燃える夜 熊本市空襲(丸山真由美)
束の間の大浜飛行場(丸山由美子)
火炎忌(門田照子)
門司市空襲被害(中原澄子)
“なぜ”(野田寿子)
ある夏(田中詮三)
正直な話I・II(岡山晴彦)
幻の蝶(飽浦敏)
コッコーヌ ファ(飽浦敏)
思い出の海(河野洋子)
デイゴの赤い花(山田朝子)
雛あられ(絹川早苗)
わたしにあるのは(三尾和子)
大空襲―戦争をしない勇気(酒木裕次郎)
水俣空襲(秋田高敏)
避難(宮城松隆)
八月の庭(柳生じゅん子)
防空ずきん(草倉哲夫)
犬と蝉(宮内洋子)
ある日(大塚欽一)
精霊船(大塚欽一)
哀しみが降り注ぐところ(楊原泰子)
校門(宇宿一成)
サイレン(宇宿一成)
大空襲 夜の光におもう(青柳俊哉)
沖縄の勲章(角田博)
波の伽耶琴(崔龍源)
長崎の空に(龍秀美)
九章 海外/戦後
蘖(ひこばえ)(中正敏)
逃げる真実(長谷川龍生)
空―新聞記者のうた 3―(黒木清次)
火炎樹の下で(くにさだきみ)
自由の歩み(エルネスト・ダキュイスト)
爆撃弾痕地の空(ラム・ティ・マイ・ダ)
立葵(大崎二郎)
グラウンド・ゼロにて―Y・Jに(中川敏)
落日(中原道夫)
あこがれ(今村冬三)
非祷(今村冬三)
いまを(長津功三良)
メモリアルディ(伊藤眞理子)
鬼灯(ほおずき)(岸本マチ子)
イチローと―プレーオフのころ空爆開始(麦朝夫)
鍋(麦朝夫)
思い出(麦朝夫)
爆弾穴(遠藤一夫)
NYのこと(津田てるお)
ファルージャ二〇〇五(御庄博実)
二〇〇一年秋、公園 桧町公園(栗原澪子)
二〇〇一年秋、公園 宮下公園(栗原澪子)
二〇〇一年秋、公園 森林公園(栗原澪子)
砲撃の下を(久保田穣)
幻日(高田太郎)
英霊(高田太郎)
爆弾を落としているのは私だ(三田洋)
二枚の絵(山本衞)
静かな朝に目覚めて(中村純)
ガザ2009(尾内達也)
春―イラクの少女シャミラに(柴田三吉)
「―おおオメガ、あの人の眼の紫の光線!」(有働薫)
イラク(真田かずこ)
スーパーマーケット(山本聖子)
頭上の空(山本聖子)
裏庭(塚越祐佳)
求む 大人(新井豊吉)
私の焼け跡(李承淳)
九月(一)(杉谷昭人)
九月(二)(杉谷昭人)
侵略戦争を隠すものたちへ(佐相憲一)
国家病棟(佐相憲一)
空母帰還(ゆきなかすみお)
わたしたち生きのこったものは(大河原巌)
二〇〇三年十二月六日―アフガン発(上野都)
川柳「花嫁に爆弾」(都月次郎)
酷暑の中の七歳は(若山紀子)
死者をして語らしめよ(田中俊廣)
風の祈り(横田英子)
悔悟(小川聖子)
君はムンタダール・アルゼイディを知っているか(郡山直)
誰もやってこない(伊藤芳博)
ガザ(小坂顕太郎)
解説・編者あとがき
解説
非戦闘員への空襲を糾す(森徳治)
『大空襲・三一〇人詩集』発刊に寄せて(黒羽英二)
世界から空襲・空爆の連鎖を断ち切るために(鈴木比佐雄)
編者あとがき
戦争の記録と抑止について(長津功三良)
真実の開示こそ明日への道標となる(山本十四尾)
世界平和に貢献するために(郡山直)
編註