戦争 3
VII 恥じるな、あなた方は英雄だ
婦女子の避難を見送ったわけ(清田移)
東坎子監獄の日々(小林栄太郎)
通化脱出の前後(日野懋)
広野に消えた二人の幼い命(玉田甚夫)
首相官邸守るため強制疎開(八代美栄子)
赤い空にホタル(三富秀子)
労働動員と女子挺身隊(高柳麗子/永沢道雄編集委員)
平和日本の到来を待たずに(内山滋/小島範浩/湧井悦子)
男の子のあわれみ(内山豊子)
カモを撃つ米兵(金沢和雄)
ケヤキたちの行方(木代律子)
炭鉱で落命した人々(滑川又夫)
よいお友達でありがとう(春日睦子)
詩を吟じつつ逝った女教師も(滝田一之助)
ドウーリトル初空襲(小岩一栄)
国に殉じた中学生(佐藤長幸)
愛してくれた人々、今は亡く(飯尾和敏)
なぜ言えなかった(雨宮仁)
不気味な零戦の砲口(斎藤幸一)
息せき切って妻(熊谷文男)
ビルマで逝った見ぬ父のこと(桜井節子)
宮様小隊長と工兵監(森喜久雄)
少年兵を置き去り(鈴木正昭)
開けた箱には板切れが一枚(安西均)
幸い五百発にならず(作間孝)
暗夜の行軍中の惨事(瓜生譲三郎記者)
人間的弱さの現れ(古田吉彦)
ヤドリセンノニシモフラバ(桜井良和)
女中兼下男の軍務(平松武紀)
父を亡くしたあとのわが家(原貞治)
通信検閲で営倉(国上郁夫)
わが分隊の“沖縄”泥棒作戦(ほんち・えいき)
同胞に備えた実弾(奥山裕司)
息子の戦死を信ぜず(狩野広)
父が母に残した話(黒木弘子)
ミナス一号井は今も稼働する(井上謹治)
陸戦隊の非人道的行為(岡田実)
米国収容所に拘禁された父(中村徹)
心理作戦の指導書(小泉好太郎)
大衆は要領がいい(榎本武夫)
フランス軍の盾にさせられ(阿部武二郎)
私の犯した愚を繰り返すな(茂木義夫)
さまざまな教師像(松原勇吉)
昭和一ケタの不信感(池崎和雄)
集団登校のあの思い(渡辺弘子)
戦後教育の原点をたずねて(長淵和夫/山崎馨)
時代の動き知ろう(武雄鉄次)
こんな教師もいた(足立貞子)
なぜマッカーサーか(岩淵仁子)
いつも笑顔絶やさず(井上進之輔)
強制の図式と国旗(細田亜津子)
人間という名の前進(児島由記)
戦後の小学校での“ガッカ”(田中寛子)
過ちを改むるのみ(境学)
石もて朝鮮人の子を追う(佐々木フミ子)
疎開先の小学校で(大森共子)
これがビルマ最前線の姿だ(稲葉茂)
「死に場所を与えたんだよ」(山田満寿雄)
倒れた敵兵の断末魔の気迫(本多弘太郎)
凶兆ずくめ、サイパン作戦(川上定)
「死んで寄り集まっても当然」(草間登)
極限状況下での人肉食(松井覚進記者)
ツボの陰で拝むクーニャン(薬師光一郎)
司令官が負傷した新兵器実験(堀尾貞志)
鉄帽で拾った命(宮本愛雄)
赤い丸印は心臓、絶対突くな(河野正人)
わが独立山砲隊のガス弾砲撃(中牟田勝三郎)
「阿波丸」で言い残したこと(滝田賀一/斎藤喜代子)
長良と「海ゆかば」(鈴木友夫)
氏名確認もされず(飛田俊夫)
チッタゴンに眠る日本軍人(半田一)
スマトラ油田の部隊長自決(岡田英彦)
草履を作る少年兵(平尾均)
父が歌った海ゆかば(鳥居塚規子)
カウラ原頭を鮮血で染めて(松尾茂光)
白旗は重し敵陣近し(永沢道雄編集委員)
恥じるな、あなた方は英雄だ(関山栄次/織田博)
オリの中の元参謀(野北九州男)
ステッセル将軍と牛島将軍(中野滋)
最後の芋と老婦人の金時計(河村俊郎)
心から謝罪する(三上浩司)
飢えと馬の死体(大塚正)
現地調弁という名目の強奪(松村龍雄)
VIII あなた方に慈悲はないのか
待って待って待ちくたびれて(神崎菊枝)
「誉れの子」のメダル(島田道男)
父を、戦友を、知りませんか(植村葉子/森川寅夫/高井俊彦/小山照夫/平田耕造/今津善一/鈴木靖子)
赤縄で巻いた骨箱(池田錬二)
ノモンハンの捕虜(辻安雄)
阿波丸事件のナゾ(松井覚進記者)
軍艦旗に包まれることもなく(新城祐吉)
食膳に載った一丁のけん銃(渡辺兼美)
御霊伝達と遺骨伝達(沼尻茂子)
埋めた名刀五本(赤沢薫)
最後まで飛んだハッピー号(植木弥七)
敗戦後の職員室で(河村房子)
終戦直後になぜ脱走したか(中原精一)
高山線の車中で(森前陽)
トラの威に負けない心意気(奥田和嘉男)
カモ撃ちの米兵と父(高橋美佐子)
登記簿を死守した登記官(田島修身)
六月二十日を思う(辜天徳)
ガリ版雑誌と特高(太田耕造)
あなた方に慈悲はないのか(山下三郎)
賛美歌と愛国行進曲(加藤敏明)
深夜の下宿の招かれざる客(岩田晴雄)
村八分で憤死した教師夫妻(国分真三)
まだ自由だっだ学園(星貞一郎)
ケンペイタイ!(関口勝雄)
人間という意識(阿部壮夫)
覆い隠すことは罪(河辺美佐)
この欄を生かす道(河村真一郎)
一般大衆は戦争賛成だった(福島都志夫)
教育とマスコミと時代の言葉(姫島忠生)
心の支えなくして(安島克久)
心の正しい歯車を(山下実若)
ちょうちん行列(恒成正敏)
“大東亜共栄圏”と脱走兵たち(今沢栄三郎)
われらに続く世代へ(山津純之/熊谷徳一/荻原久雄)
着々と戦争の覚悟と準備(須藤泰雄)
キリスト者として(板橋俊典)
捕虜の人権を重んじた中尉(広瀬功/豊原敏郎)
「おかわいそうに」と言った人(吹浦忠正)
「おかわいそうに」のいきさつ(秋山邦雄)
西洋人形を切った乙女たち(鈴木和子)
青い目の人形と子どもの心(武田英子/斉藤奈都子)
「おかわいそうに」――所感と異聞(吉野徳恵/工藤為久蔵/荒木直義/村岡喜三郎/中川完二)
日本婦人とソ連兵の心中事件(牧野秀夫)
樺林山中に追いつめられて(田中正)
女たちの通化脱出(村上綾女)
国府軍の装甲列車で(河野敏雄)
罵詈雑言の中、日本人を守る(長島重俊)
猛吹雪にたたずむ(滝沢金治)
帰心、ラーゲルを抜けて(田村貞一)
弾を忘れた兵隊(寺島文雄)
興安嶺のある独立守備隊で(多賀潤)
ポケット内の写真(木村鉉一)
使われた刺突爆雷(小熊伸平)
「誰何なくとも発砲すべし」(丹野美登理)
加害者と被害者(山田一郎)
星一つの兵卒がストライキ(丸山孝四郎)
衛生上等兵と軍人精神の発露(籠谷忠恕)
潮岬沖の魚雷攻撃(菊池香)
ネグロスの死闘を生き抜いて(小久保(旧姓桜井)弓雄)
本当の実戦教育(坂田真太郎)
野戦病院の一コマ(久田二郎)
最後の米飯を分け与えた兵(河村幹雄)
死と人間の本性(松鵜新二)
「おお、ファーマーか」と米兵(川上定)
ミギヨリウテッ(田中輝彦)
波間に遠ざかった二つの顔(上橋春生)
信じられますか(早坂功)
銃をとった台湾の師範学校生(園田哲朗)
村民も見た誤認攻撃(上野実朗)
粗雑きわまるジャンク輸送(志村富寿)
山城と同盟国の盟主(荻原統一)
私には恥辱の時代(瀬川負太郎)
十二月八日の上海(上条勝)
「人肉食」信じたくない(志村登/小川保)
40年、徽章をつけず(柴本勝弥)
母を恋い、飢えに苦しみ(秋元美奈子/井上はるえ/市島陽子/島谷春枝)
観光旅館の学童と教え子たち(篠原学)
母が造った防空ごう(林妙子)
東京に帰った子らは(望月努)
私がもし死んだら(只松千恵子)
“野荒らし”と呼ばれた母親(佐藤秀人)
父の形見のコイ(樋口トエ)
“軍縮”貫き通した提督(松井覚進記者)
IX 母の嘆きは風化していない
スンバワ島、中隊長への逆襲(佐藤公保)
戦場の鉄道―粤漢(えっかん)線と泰緬鉄道(小口正一郎/渡部秀男)
撤退中、集団自決した看護婦(藤又正義)
将校が兵にわびた食料運び(永井茂)
暗夜、目の前に大勢の敵(井上幸一)
一網打尽に捕らわれる(谷川春義)
戦艦大和のある応召機関兵(青木幹夫)
レイテ決戦輸送(下田正雄)
伊十六潜沈没の日付(河村寿美子)
殺した仲間の内蔵を切る(菊地真一)
生命維持本能のみ(武田裕)
「愛サレンダー」と言いなさい(高橋忠)
志願するんじゃない(小沢博)
虫食いに荒らされて(野北九州男)
左近の桜、右近の橘(太田文平)
殴られた数は二百六十四回(坂田毅)
ホモ班長とリンチ(木村三山)
衛生材料の行方(宮本忠孝)
桜と橘の意味は(林由男)
アカナワと人の心(辻野良子)
ハイ、陸軍大将です(井野正道)
今日ロシアと戦争が(服部賢治)
「海陸軍とはいわぬ」(今村啓一)
赤紙はこうして舞い込んだ(松井覚進記者)
命のほうが大事(前田静雄)
考課表に「下士宮適」(山田善一)
看護婦が見たりリンチ・フケ飯(福田ミチ)
精神病棟に入った彼(小室薫)
阿波丸で往復した25日間(林鈴雄)
阿波丸とすれ違う(鈴木次雄)
いつまでもお元気で(平尾浩子)
ルソンで果てた夫よ、兄よ(清水鶴子/鈴木千賀)
四十二年の歳月を経て
アバキャン中尉健在(関山栄次)
望郷の思いを柱に彫り込み(清水芳夫)
なぜ彼女を置いてこなかったか(吉田重紀)
母の嘆きは風化していない(吉竹藤三)
八路軍にいた童顔の日本兵(高井よし子)
ヒィーッと夫人は卒倒した(浅岡泉)
死を命ぜられた青年の心境(宮下矩雄/中田和成)
山中の寺に響く「鎮魂の曲」(新井恵美子)
戦争の話をしない父(内田恵美子)
時代の空気伝えよう(木村崇)
スハルトさんの謝意(浦和静雄)
ときほぐしてほしい(羽田広子)
亡き父に代わって(長岡栄子)
不運にもめがね違い(米本宝一)
決意させたものは(久田二郎)
盧溝橋事件、北京と松江の光景(河野通弘/森山芳樹)
動員中学生が見た「雲の墓標」(蓮香又男)
穀つぶし呼ばわり(五十川和)
安竹宮の戦争体験
ジャンク船建造の実情は(渡辺高)
五日で解体運搬したカノン砲(鳥海豊)
妹は黙して語らず(松村宏)
太平洋を東へ渡った人形は(岩崎彰代志)
ピンクのロウ人形のように(野崎清)
動物たちと戦争(森本城史子)
運がよかった父(鈴木たづ子)
ムソリーニへ礼状(井上京子)
ささやかな加害者(友田昌二郎)
裏山の防空ごう(押切富栄)
彼をしかることはできない(門川倖子)
「六級生」のらく印(佐藤六郎)
「米英撃滅」かけ声かけて走る(遠山健)
戦時中の女学生(西村絹代)
何とも純真で無知で(大森拓二)
相模ダムと強制連行(橋本登志子)
「引きつけたたくは勇将の道」(藤井将貴)
ただ金庫だけが(河合八千代)
橋を駆け抜けた火(関根哲人)
あの毛布と白砂糖(緒方ユキ子)
関特演の一情景(長谷川春峰)
父と二人、満州飢餓行の半月(藤沢幸雄)
親に捨てられ、ソ連兵に撃たれ(大野和子)
一足先に関東軍家族(三尾宇田子)
モンゴルで、ウクラナイで(江部忠夫/針持健一郎)
雪に消えた二つの小さな塊(川上志摩子)
戦車は小舟のように揺れた(須原清一)
竜門山の立ち往生(湯田重孝)
老女の小さな布袋を徴発(仙波藤吾)
何をいいたかった?(滝沢金治)
息をひそめ草の葉ずれも忍び(稲葉茂)
カーニコバル島にて(近藤新一)
シンガポール攻略戦に参加(若月貴久男)
わらじばきの兵隊(竹見源太郎)
いかに上官とはいえ理不尽(野北九州男)
川を隔ててつかの間の休戦(仲摩徳義)
八路軍に捕らわれて(太田勝)
グアム島の軍属部隊と残存兵(前場喜六/土山弥太郎)
フィリピン山中の飢餓行(西原敬麿/赤尾清重)
「死ぬときはいつでもある」(足立源司)
ごまかしは効かず(佐薙知)
カタツムリのおかげ(坂本正雄)
X 母よ妹よ、狂った孤独の少年よ
わが尻をなでシベリアを思う(山本善丸)
元憲兵らが赤旗の歌(平尾均)
死体を見たのか(内山エミ)
あと一日生きのびていれば(左子エミオ)
ノモンハンの重傷者救出(森居鉦作)
「静謐」の二文字のために……(小野沢寛)
敗戦後の樺太の経済体制(福富節男)
ガサ馬に助けられた一等兵(中牟田勝三郎)
馬だけは食えず(師岡永造)
悪疫流行で薬殺(成田武夫)
苦力に助けられて(常木金雄)
糧まつ倉庫破り(鈴木竹治)
「餓了」を訴える(吉田幸)
中国のマタハリ、髪飾りの姑娘(川上登喜雄)
マラリアで淋病快癒(金城盛昌)
ヤア、すみません(佐護恭一)
中国捕虜の慰霊祭(垂木煥文)
永定河畔、斥候に出て命拾い(紙合隆夫)
丸太をさして高射砲(秋葉行雄)
電流刑、スピンドル油刑(加藤金治)
解放軍に頼まれ帰順工作員に(茅根巴)
戦に慣れた下士官(子成場家三)
幼子の運命を狂わせたもの(川上定)
戦う祖国の血液(住田睦雄)
閃光……脳神経刺激する不快感(和田三千代)
髪がパーマのように(小松峰子)
私は“不発原爆”監視の決死隊(松本光和)
勝手にしゃべるな(吉田一人)
ウサちゃんはどこへ(森馨子)
郵便ポストは次々と反戦文書(石田寿参百)
スパイと疑われて(渡部秀男)
よみがえった悪夢(石井順子)
十二月七日の夜(小泉好太郎)
浦上に父と弟の姿を求めて(内田亨)
母よ、妹よ、狂った孤独の少年よ(中山伊佐男/香田寿男)
東京空襲に生き残る(山本悌二郎)
こんなのウソだと父を送る(山谷雅子)
結婚相手がいなかった(益子あつ子)
天皇のお身代わり(衛藤一)
名誉ばん回に努力(森喜久雄)
私は補充兵たちを殴った(熊井雅男)
召集延期の申請……私の体験(関博蔵)
終戦の翌日から演習(鴛尾武治)
危機一髪の自殺未遂(池田錬二)
入浴にきた特攻隊員(堤建造)
炭鉱で働いた捕虜(河野徳男)
教官の悪口書いたばかりに(勝山光郎)
営倉から出て「軍務に精励を」(久永成義)
非難攻撃の匿名氏に訴える(東史郎)
責任追及しない日本は嫌いよ(清野智佳子)
大人たちの義務(境学)
死者に申しわけない(高野ゆう子)
「君の身代わりに命を捨てた」(細川隆)
座談会・語り継ぐ真実(入江徳郎/高木俊朗/秦郁彦)
マスコミがあおった軍国主義(吉田彰男)
ガダルカナルよ、幽鬼の兵よ(石田矢八)
ラバウルの大隊長(大野三郎)
空母翔鶴が沈没したとき(杉野守誓)
司令官逃げ、混乱のラングーン(武田裕)
「十三歳以下は殺せ」の命令(ジョージ・福井)
ビルマの捕虜収容所に日本酒(三浦徳平)
無謀航路の強要で二隻失う(上島久人)
ある元海軍飛行兵曹の告白(水口昭一)
天国に一番近い島で(戸塚恭一)
戦病死にならない例(高田次郎)
大阪駅頭、若き次兄との別れ(藤岡美智子)
平頂山虐殺事件と私の両親(渡辺槇夫)
父の残した手帳(清水寛子)
弟は英霊ではない(田崎広夫)
ガ島生き残りの夫「哀」の一生(長崎美枝子)
死者からの赤い飯(原豊)
丸帯一本、必死に守りぬく(大形時子)
銘刀は海の底に(半田匡一)
朝鮮、台湾兵の終戦(小島茂)
大島の朝鮮の人たち(栗原芳子)
ガス弾?の大量投棄(東幸一郎)
歩三とは無関係(大坪義幸)
度胸のいい米兵(中野滋)
陸海軍の帽章の規程(原剛)
航空隊深夜の誤報(下田直孝)
砲兵の射撃号令(中村正治)
無謀な突撃、無能な連隊本部(河野正人/上野実朗)
作戦中、両親に会えた少年兵(田口鉄治)
「戦争」を読んで(達子潤)
ふれ合いの場を(久田二郎)
国民的友好外交を(竹岡勝美)
「死」を生かすこと(村松広秋/西小路正)
戦争と新聞(永沢道雄編集委員)
文庫版あとがき(永沢道雄)
用語解説