山県有朋
- サブタイトル
- 文春新書;684 愚直な権力者の生涯
- 編著者名
- 伊藤 之雄 著者
- 出版者
- 文藝春秋
- 出版年月
- 2009年(平成21年)2月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 485p
- ISBN
- 9784166606849
- NDC(分類)
- 289
- 請求記号
- 289/Y22
- 保管場所
- 地下書庫和図書
- 内容注記
- 主要参考文献:p477‐485
- 昭和館デジタルアーカイブ
吉田松陰の「忠実」な弟子――はじめに
下級武士からの立身
明治・大正時代の「悪役」
吉田松陰・高杉晋作の評価
西郷隆盛の評価
山県の実像を求めて
第一章 松陰門下の青春――尊王攘夷と奇兵隊
代官所の有能な下役人
さびしい青年期の影響
松陰門下となる
奇兵隊の軍監
高杉晋作と親しくなる
禁門の変
四国連合艦隊来襲する
山県と伊藤博文
実直な二人
攘夷にこだわる山県
第二章 西郷隆盛への憧れ――討幕への戦い
「正義派」の勝利
地味な役割と愚直な友情
長州再征軍を撃退する
山県の建言
奇兵隊軍監にあき足らず
京都に派遣される
西郷との出会い
島津久光に拝謁
あいまいな薩摩藩の態度
武力討幕への道
西郷との再会
やさしい志士たち
北越・会津での戦い
黒田清隆との仲違い
結婚する
第三章 「狂介」から「有朋」へ――欧米巡遊・廃藩置県
恩人木戸孝允
心境の変化
欧米巡遊
木戸から評価される
文官による兵部省支配
弱体兵部省の次官格
西郷引き出し
兵部省の最高責任者
廃藩置県に活躍する
気になる存在
第四章 山県参議兼陸軍卿の誕生――征韓論政変・台湾出兵
兵部省内での山県
岩倉使節団からはずれる
徴兵制への夢
近衛都督を兼ねる
大窮地
西郷隆盛らが山県を救う
兵部省の武官化へ
征韓論の対立へのとまどい
征韓論政変から逃げる
伊藤に先を越される
現状をかろうじて維持
陸軍省内の対立を収拾できず
木戸を陸軍卿にする構想
佐賀の乱
乱の鎮圧にあまり関われず
「シビリアン・コントロール」と台湾出兵
島津久光の波紋
日清開戦を避けたい
参議兼軍卿となる
成熟
江華島事件
木戸との和解
二万坪の邸宅を買いたい
第五章 にがい勝利――西南戦争
私学校派の蜂起
西郷隆盛軍立ち上がる
木戸が作戦を愚痴る
山県は作戦を誤ったか
熊本方面への派兵
田原坂の指揮
大久保の新戦略
黒田清隆と再び対立する
黒田への怒り
てごわい西郷軍
政府軍への「鹿児島人」の敵意
西郷隆盛に逃げられる
城山に追い詰める
西郷との別れ
凱旋して椿山荘を建てる
第六章 陸軍の充実――朝鮮をめぐる日清対立
西南戦争の教訓
竹橋騒動
伊藤の友情で三度目の危機を脱す
参謀局を充実させよ
参謀本部の独立
明治天皇の異議
参謀本部長職に固執する
政変への慎重な対応
黒田の身勝手を批判
伊藤の留守を任される
自信に満ちた仕事ぶり
壬午事変に対応する
甲申事変と山県
第七章 陸軍の長老から政治家へ――日本陸軍の大枠形成
近代的内閣制度創設に加わる
ドイツ風陸軍への道
伊藤参議との連携
伊藤・井上による防衛改革の提起
陸軍軍備拡張計画の繰り延べ
メッケル少佐の案
陸相中心の軍政
陸軍の提案に天皇が抵抗する
三浦将軍ら山県批判者が陸軍を去る
祇園の美妓
第八章 最初の組閣――帝国議会開設・伊藤博文との対立
山県と伊藤の時勢感覚の差
ドイツ風の地方自治制
市町村制と府県制・郡制に尽力
二度目の渡欧
グナイストの個人講義
大隈条約改正案への批判
条約改正の抗争下に帰国する
山県の慎重な行動
藩閥内の山県への期待
初めての組閣
帝国議会開会への不安と準備
二人目の陸軍大将となる
教育勅語の発布
初めての議会への意気込み
第一議会を切り抜ける
伊藤と山県の代理戦争
伊藤との正面対決の回避
「悪感」
元老の最初の一員となる
感情のもつれ
第九章 やせがまんの限界――日清戦争
日清開戦
戦地へ行きたい
第一軍司令官として
無念の帰国
天皇の信任・後進の軍人との対立
伊藤・井上の友情
伊藤との格差
友子夫人との永別
心の通う若い「妻」
無隣庵の日々
第一〇章 元老としての組閣――日露協商と山県系官僚閥の形成
ロシア行きへの不安
山県―ロバノフ協定
山県系官僚閥の形成
陸軍における山県・山県系官僚閥の優位
二度目の組閣をする
憲政党と提携する
地租増徴法案を成立させる
山県と伊藤・星の連携と水面下の戦い
政治に自信を持つ
ロシアへの不信
北清事変
急激な選挙法改正を妨害する
達成感
山県の幅と限界
後ろめたさと信念
満たされない誠意の代償
桂内閣の後援者となる
第一一章 参謀総長として陛下に仕える――日露戦争
強気の対露交渉方針
「彼の術中に陥らざる様」
山県系官僚閥の陸軍支配
腹のすわった両元老
陸海軍の対立を調停する
山県の戦争指導
強気の新作戦構想に乗る
講和と「名誉」の陰に
第一二章 きわどい勝利の後の現実――桂太郎と原敬の挑戦
桂への怒り心頭に達す
満州からの撤兵に同意する
政友会の台頭を警戒する
桂への疑惑
伊藤への遠慮
山県の体の衰え
伊藤博文との永別
「天つ日の光」は消えた
二個師団増設の目標
桂を宮中に押し込める
桂が妥協を妨害する
元老批判の声に囲まれて
消えない憤り
山本内閣にがまんする
枢密院議長辞任問題
シーメンス事件がやってきた
古稀庵を作る
「古稀庵」が常住居となる
第一三章 元老筆頭の権力――第一次世界大戦と大正デモクラシー
大隈重信に期待する
二人の大物
大戦後への不安
陸軍統制をめぐるいらだち
山県の気迫
大隈への警戒と連携
大隈との戦い
寺内内閣への不満と山県の権力
天皇が山県に「辞職勧告」する
山県の陸軍に対する権力
中国政策への不満
シベリア出兵への態度
原敬内閣を承認する
普選運動による打撃
大患から弱気になる
「どうも原は偉い」
最後の京都
第一四章 晩年の落とし穴――宮中某重大事件
良子女王の色覚異常遺伝子
婚約辞退をめぐる戦い
完敗
謹慎の日々
「平民になつて」雑誌をやりたい
原首相暗殺の衝撃
「原と云ふ男は実に偉い男であつた」
眠るような死
山県有朋と日本――おわりに
山県は着々と権力の階段を登ったのか
山県の陸軍は太平洋戦争につながるか
山県系官僚閥と山県の陸軍統制
これまでの山県有朋の人柄叙述の限界
山県の人柄と理念
その愚直な人生
あとがき
主要参考文献
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