学歴・階級・軍隊
序章 わだつみが聞いた声――高学歴兵士は何を体験したか
東大助教授の受難
帝国陸軍と帝国大学
出身校一覧
師範学校への偏見
徴兵をめぐる不公平
高学歴者はズルをしたか
犠牲の平等
平等への下り坂
のんびり軍隊
逆転の時代
貧乏クジ世代とその親たち
若者礼賛のオジサン
兵営のなかの復讐
接触と閉鎖
フランス文学者と下士官
第一章 月給取と腰掛OL――高学歴兵士はなぜ嫌われたか
学歴への関心が渦巻く兵営
学生同士の対立
学歴紛争の背景
大学出のくせに
怨念と憧憬
新しい同性関係
ねちねち軍隊
自由を独り占め
脱出口としての学校
月給取の自由なんか
官ほどステキなものはない
軍隊ず所ァいいもんでがんした
加太こうじ編集長の意見
別世界? それとも縮図?
村崎万年一等兵の意見
ヒトラー伍長の意見
はじめにナポレオンありき
徴兵制が根付いたドイツ帝国
惨めな日本の将校
試験と財産
吉野作造の意見
イットキノギロギロ
梶一等兵のイヤミ
通過できず
受験と戦争
第二章 エゴイストを撃て――高学歴兵士はどこでつまずいたか
させていただく
戦争の残酷さ
ある程度の愛国心
無償空間としての旧制高校と競争空間としての陸軍
長谷二等兵の一番槍
自己嫌悪との戦い
「庶民ですねえ」
倫理と臆病
無私無欲の神話
とりあえず、学徒兵の勝利
戦死率をめぐって
四半世紀後のしこり
山崎晃嗣主計少尉
私は貝になりたい
抗議と謝罪
ゾル転と文転
さらに理転
後ろめたさが消えていく
第三章 帰ってきた学徒兵――高学歴兵士は追悼されたか
ゴジラは何も言わないけれど
亡霊に励まされて
加害者と犠牲者
南原繁の言葉
すぐには帰ってこなかった戦没者
靖国神社の信念とわだつみ会の苦悩
手の内を明かす
渡辺一夫の呪い
声が聞ける人、聞けない人
もう一つの高学歴者本
学徒兵対農民兵
編者のチカラ
階層と戦争
ヴィットコップ教授の日和見主義
日本的配慮
高橋健二の選択基準
読書する階層
皇軍の統率力
抵抗のかたち
学生狩
「インテリ勇士」の誕生
ランゲマルクと肉弾三勇士
太田伍長奮戦す
昔からあった東大生本
ついに報われる
第四章 エリートの作り方教えます――高学歴兵士はどう教育されたか
階段を降りる
バカデモクラ
失われたもの
大衆に支えられて
護国旗の下、我れ死なん
理想と現実
教室よりも
生徒間の平等
隠蔽作用
タテマエの実現
「スズクラ」の非難
「小型ヒムラー」とナチスの教育観
旧制高校の本領発揮
寄宿舎のイメージとドイツ
パブリック・スクール万歳
理解されなくてもいい
第五章 アプレゲールの高学歴兵士――山崎晃嗣という一例
四修と一浪
ついてない男
まじめな事務家
疑わない人間
東大法学部について
「ほほえましい」
『世代』の世代
「一高エリート主義臭ぷんぷん」
エンリンの栄光と悲惨
裏切られた期待
山崎の日記から
一高のなかの正直者
木村健康の観察
家鴨宣言
ファウスト宣言
「お母さん お母さん!」
マザコンにはあらず
母の重さ
母への詫び状
帰ってこい、帰ってこい
終章のような、長いあとがき
主要参考・引用文献