証言記録太平洋玉砕戦
死出の旅――極寒の満洲から南方へ転用された関東軍第十四、二十九師団
演習という名目で南方に転用された元関東軍将兵水上正さんの証言
第二十九師団の輸送船・崎戸丸、戦死者二千二百余名を出した背景
ベリリュー島に装備の揚陸をした上等兵・程田弘さんと、陣地構築および訓練を指揮した将校・山口永せんの証言
絶望的戦局を記した榊田幸太郎さんの日記『備忘録』と、ゼロ戦部隊の塚本忠義、浜田茂さんの証言
日本兵を擬装した米軍特殊工作員と、それを裏付ける上等兵・原裕さんの証言
オレンジ・ビーチの屍――米・太平洋艦隊第一海兵師団の敵前上陸
白浜戦の生き残り日本兵、鬼沢広吉、飯島栄一、程田弘さんの証言
米軍の第二回敵前上陸迂回作戦を反撃する決死的日本兵の証言
米、「栄光の第一海兵師団」を撃退した“第三大隊生き残り兵”の証言
重傷者は自決を余儀なくされた戦場の実態を証言する波田野八百作、斎藤平之助さん
敵前逆上陸――歩兵第十五連隊第二大隊の死地奪還作戦
敵前逆上陸、村堀先遣隊の奇跡の成功
山川二等兵の決死の海中伝令
水戸山“地下洞窟陣地”の日本軍守備隊の証言
“最後の日本兵”芸者・久松の死
玉砕――中川州男大佐、村井権治郎少将両指揮官の自決
部隊の最期まで打電した暗号電文による戦闘報告
“末期の水”も飲めずに死んだ兵士たちの洞窟生活
玉砕の暗号電文「サクラ、サクラ」
敗残の洞窟生活――米軍占領下の日本兵ゲリラ
「洞窟の幽霊」にまちがえられた片岡一郎。落合平吉さんらの証言
米軍物資で再武装し、生きのびた陸海軍兵の証言
戦後一年、戻って来た島の女たち
奇跡の投降――昭和二十二年四月、日本兵三十四名投降
澄川道男元海軍少尉の降伏勧告の呼びかけと手紙
敗戦を信じ、残存日本軍部隊から脱走した土田喜代一さんの証言
三十四人の生命を救った家族の手紙
失われた祖国――日本人に騙された帰還兵
復員局からもらった三百円の帰還手当
戸籍が抹消され配給がもらえなかった森島さんの怒り
太平洋の棄民――米軍の基地化するミクロネシア
アメリカのミクロネシア属領化工作
ペリリュー島の軍事基地化を手伝う“韓国や日本の人たち”を怒るオバック酋長の証言
スパイ活動を行なう変な外人を告発するバラオの人たちの証言
日本の戦争責任を追及するロペス氏の行動と彼に託された島民の供述書
あとがき
装幀(秋山法子)