現代詩代表選集 2 1951
僕のひとりの海に ふたたび血を吸つた海綿體の太陽がのぼる朝に(池田克巳)
僕は落葉松の鋭い枝の 幼なき歌 赤い岩(野上彰)
暴力 二十五時(平木二六)
ぼたんについて 化け物屋敷(櫻井勝美)
地下鐵 冬の蠅 自由(阪本越郎)
田園誌(岡崎清一郎)
デラ颱風 壁の一部(山中散生)
船幽靈 こだまのニンフ 冬の海から わがたてるところより(小野十三郎)
淵(長光太)
二つの世代(岡本潤)
豪雨 鳥の一瞥(北川冬彦)
薄暮 おかあさんが死んだあとで 夜の洗濯(山本沖子)
花の店 シグナル 男(安西均)
時間 疾走するもの 宇宙の嶺(高橋新吉)
銃の音のさ中で 風(許南麒)
加佐里だよ 二重の眺望(三好達治)
木の芽立ち時 水 歌(壺井繁治)
極みの時 船出 想ひ出の夜明け(中村眞一郎)
昏い圓座 もみくちやの地圖(殿内芳樹)
黒い距離 死と蝙蝠傘の詩 黒い肖像(北園克衞)
黒い歌 寫生について(村野四郎)
蚯●の砦(河邨文一郎)
燃エガラ 原爆小景 魔のひととき(原民喜)
ネロ 博物館 二十億光年の孤獨(谷川俊太郎)
追ひ立てられた疎開者の歌(堀口大學)
思い出の木蔭(江間章子)
鬼 斷片(祝算之介)
ポジション ポジション ポジション(安藤一郎)
PLANKTON 緩衝地帯 ビールと花とうつとりとした風景(安東次男)
淋しき二重(鮎川信夫)
百日紅 夜の思料(安西冬衞)
水族館 背中の眼 樹(關根弘)
正午(田村隆一)
少女がたき木を拾ふ ストリートガール(王榕青)
小詩集より十五篇(近藤東)
燒酎詩集 月と蛾(及川均)
朱の印圖 未來 死のなかの現實(岡田刀水士)
太陽 八月十五日(金子光晴)
天 天 火の山(草野心平)
天馬行(佐藤春夫)
典型 鈍牛の言葉 山荒れる(高村光太郎)
東京(ノエル・ヌエット/譯・山内義雄)
馬三章(杉本直)
雲海 五人(鳥見迅彦)
私のなかを 地圖 私の聖者(高見順)
夜 枇杷 庭に菫が咲くのも(西脇順三郎)
よいどれの歌 歩行者の祈りの唄(山本太郎)
夜の樹 海の上 終曲(新藤千惠)
夜の座(吉田一穗)
幽界通信 草 雨夜(町田志津子)