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娼婦学ノート

サブタイトル1~10
戦後物語られた遊女たちの真相
編著者名
伊藤 裕作 著
出版者
データハウス
出版年月
2008年(平成20年)3月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
266p
ISBN
9784887189621
NDC(分類)
910
請求記号
910/I89
保管場所
地下書庫和図書
内容注記
相関表戦後の性風俗の歩みと娼婦小説:巻末
和書
目次

第一章 敗戦直後の娼婦小説
逞しく生きた少女娼婦の成長秘話…『肉体の門』(田村泰次郎)
肉体の試練を再生のステップにする淑女…『雪のイブ』(石川淳)
再会、そして……渋谷・恋文横丁の残酷…『恋文』(丹羽文雄)
母が娼婦であることを知った少年の襖悩…『母子像』(久生十蘭)
娼婦との恋はいつの世でも男の煉獄…『ミミのこと』(田中小実昌)
女を転落させてゆく”過去の汚点”…『ゼロの焦点』(松本清張)

第二章 売春防止法施行前後の娼婦の物語
聖女のごとき性女が背負った十字架とは…『わたしが・棄てた・女』(遠藤周作)
運命を潔く引受けた女の光と影…『五番町夕霧楼』(水上勉)
娼婦にとって操を守るということは?…『騨雨』(吉行淳之介)
魂は売らない、インテリ娼婦のプライド…『青春の門 自立篇』(五木寛之)
父の温もり恋しさに、夜毎股間を開く女…『マッチ売りの少女』(野坂昭如)
娼婦のアソコは天国門か地獄門か!?…『飛田残月』(黒岩重吾)

第三章 女性が書いた娼婦小説
戦死した夫の骨壷にカネを貯める街娼…『骨』(林芙美子)
「オンリー」の時代は今また繰り返される…『オンリー達』(広池和子)
闇を突き抜けた娼婦達の明るい底力…『わが妹・鳥子』(堤玲子)
瀬戸際なればこそ漲る女のしたたか…『洲崎パラダイス』(芝木好子)
魂を模索する女の苛烈すぎる人生…『黄色い娼婦』(森万紀子)
貢ぐ女の見果てぬ夢はいつまで続く…『ミチルとチルチル』(佐藤愛子)
心と身体をバラバラにしたいと願う性女…『ボディ・レンタル』(佐藤亜有子)
焼死したソープ嬢の心の旅をたどれば…『イノセント』(中村うさぎ)
女の目が追うソープ嬢の心と肉体の闘争…『石鹸オペラ』(清野かほり)

第四章 ソープランドを舞台にした娼婦の物語
ソープに沈んだ中学校女教師の受難…『嫌われ松子の一生』(山田宗樹)
突如出現した竜宮城に狂い咲く女の情念…『幻の湖』(橋本忍)
推理小説に初めて登場したトルコ嬢探偵…『仮面をぬぐシルビア』(都筑道夫)
作家と泡姫、ひと目惚れの深間…『片翼だけの天使』(生島治郎)
高校教師と真性Mソープ嬢の過酷な性…『ハリガネムシ』(吉村萬壱)
月に棲む女たちの葛藤を描いた秀作…『皆月』(花村萬月)

第五章 現代日本の娼婦小説
「娼婦」と書いて「じごく」と読みます。…『赤目四十八瀧心中未遂』(車谷長吉)
悪徳の海で溺れかけている女は美しい…『トパーズ』(村上龍)
なんでもありの世紀末風俗のぞきからくり…『夢の原色』(森村誠一)
わけありヘルス嬢との恋が実らない理由…『一輪』(佐伯一麦)
癒しを切り売りする娼婦の深い闇…『なぎさの媚薬』(重松清)

第六章 日本人の娼婦観を変えた娼婦の物語
競馬予想のコラムに登場した桃ちゃんの素顔…『競馬場で逢おう』(寺山修司)
愛人志願の素人女性を激増させた純文学…『夕暮まで』(吉行淳之介)
性女に魅せられた官能小説家の眼差し…『私版愛人バンクI』(川上宗薫)

「娼婦学ノート」が出来るまで
相関表 戦後性風俗の歩みと娼婦小説