新宿女たちの十字路
あしたを拓くために(東京都新宿区長・小野田隆)
発刊にあたって(新宿区地域女性史編集纂委員会)
凡例
はじめに
第一章 女たちの暮らし
女の一生
誕生から成人まで
結婚
家族とともに
出産と育児
老い
葬式
年中行事など
女の日常
服装と髪型
食事の変化
住まいの話し
保健、衛生
家計と副収入
女たちの楽しみ
*
第二章 学ぶ女たち
初等教育
学制発布と女子就学率
男女が別学に
洋服になりはじめた大正時代
女子は薙刀(なぎなた)を
ついに学童も疎開へ
幼児教育
はじめのころの幼稚園―明治期
心の眼をひらいて幼児教育を―大正期
住民パワーが幼稚園を―昭和期
中等教育
欧米に学んだ女子教育
良妻賢母主義教育を主流として
大正デモクラシーから昭和へ
戦時下の教育と学校工場
高等教育
女医養成学校と吉岡弥生
早稲田大学の女子学生門戸開放
キリスト教精神による東京女子大学
*
第三章 働く女たち
近代産業と女たち
近代産業のはじまり
十二歳から採用の煙草工場
写真の小西六(現コニカ)淀橋工場
明治製菓は戸山ヶ原から出発
職業を持つ女たち
努力して技術を習得した産婆たち
多くの看護婦会があった新宿
女医の活動拠点であった牛込
パイオニア女教員たちは
美容師は「すばらしい職業」
記者の短い勤続年数
母の協力で電話交換手一〇年
職業婦人社と働く婦人の家
町で働く女たち
勧工場の出現
百貨店の出現
家業に励む女たち
村で働く女たち
農村・落合
西落合の農業
農家の日常
祭りと講
その他の新宿の農業
農業と経済など
戦時下の農業
*
第四章 福祉に活躍した女たち
新宿における救済事業の開始
困窮児童のための学校
軍人遺家族などの救護活動
地域福祉をめざした二葉保育園
幼稚園創設と野口幽香(ゆか)・斉藤(森島)美根
南町分園と徳永恕(ゆき)
母と子がやすらぐ「母の家」
藤間アサヨと旭町「みどり子の家」
藤間アサヨと徳永恕の出会い
無料のお産所「みどり子の家」
保健婦の誕生
家庭的基盤をめざした東京孤児院
孤児教育院と北側波津
有隣園と大森安仁子
大森安仁子の生い立ちと活動
有隣園に集う人びと
図書館の建設と時代の変化
聖母ホームと高齢者たち
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第五章 新宿遊廓とその周縁の女たち
近代公娼婦制の成立と新宿遊廓
内藤新宿の起こりと飯盛女(めしもりおんな)
近代の公娼制
内藤新宿での貸座敷開業と娼妓
新宿遊廓の娼妓―前借金と性病
いつまでも減らない前借金
おびやかされる性病
日清・日露の戦争と新宿遊廓
廃娼運動
婦人矯風会・救世軍と廃娼運動
娼妓取締規則と自由廃業
新宿の婦人矯風会慈愛館での日々
娼妓五人が揃って警視庁へ
歓楽街の発展とそこで働く女たち
遊廓の変貌と娼妓の増加
カフェー街の女給たち
新宿の花柳地
戦時下の新宿遊廓
軍需にわいた荒木町芸者街
台湾に嫁ぎにいった「けさみ」
萬開楼「遊客人名簿」より
戦後―赤線から売春防止法の成立へ
*
第六章 行動する女たち
明治・社会運動に目覚めた女たち
矯風会の女性たち
社会主義に目覚めた福田英子
平民社の女性たち
北村美那と英語塾
大正から昭和・社会運動を展開する女たち
南伊賀町山田塾・女たちの十字路
女の政治的権利獲得への運動
四谷区婦人会の創立と活動
早稲田鶴巻町婦人会の活動
女医と社会活動
一九三〇年代を生きる
落合消費組合の活動
無産婦人運動の女性たち
戦争に協力する女の論理
*
第七章 表現する女たち
『青鞜』の女たち
『女人芸術』の女たち
長谷川時雨と『女人芸術』
林芙美子と『放浪記』
『女人芸術』の作家たち
『女人芸術』の評論家たち
プロレタリア作家たち
多彩な文芸活動
相馬黒光と「中村屋サロン」
さまざまな文芸の花開く
新しい演劇に生きる
「芸術座」と松井須磨子
神楽坂生まれの水谷八重子
多様な分野で活躍する
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第八章 戦時下の暮らし
国防色に染めあげて
戦争への意識統一
重要な隣組制度
家計をきりつめ軍事費へ
統制経済と配給
配給制度はじまる
軍需優先の物資
戦争への協力
戦時下の婦人団体
さまざまな体験
戦災の記録
おわりに
新宿女性史年表
参考文献