畏るべき昭和天皇
記憶の王
なぜ三島由紀夫の名が昭和天皇・伝にないのか
昭和天皇の記憶
いわゆる「人間宣言」
「などてすめろぎは人間(ひと)となりたまひし」を拒絶する
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”御聖断”とは、何か
「国賊」という言葉
代名詞としての「あっ、そう」
判断を下さないひと?
”御聖断”と「国賊」のあいだ
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もう一つの”御聖断”
開戦に対する不同意
日米戦争を回避するために
天皇は「戦争への情熱」にとらわれていったか
二・二六事件の残響
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大東亜戦争と国際法
開戦の詔勅(しょうちょく)
「自存自衛」のための「已むを得ざる」戦争?
日清・日露の「開戦の詔勅」
東条英機が作った『戦陣訓』
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「カゴの鳥」からの脱却
映画『太陽』のこと
「カゴの鳥」のような生活
「箱入り教育」への批判
皇太子は変化をはじめた
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天皇の「私の心」
「富田メモ」の出現
昭和天皇の靖国参拝中止の理由
天皇の断固たる物言い
国家意思としての「私」
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立憲君主の激怒
昭和三年、張作霖爆殺事件
元老・西園寺公望の位置
「暗殺するのは、よろしくない」
田中首相に「辞表を出してはどうか」と
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「統帥権干犯」問題
満州事変と「統帥権干犯」
石原莞爾と有末精三
満州事変の勃発と天皇
ロンドン海軍軍縮条約をめぐって
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天皇の戦争責任その一 近衛との確執
天皇は「自決」すべきと、近衛はいった
「近衛は弱いね」
「太平洋はなお広いではないか」
杉山参謀総長=軍部の暴走
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天皇の戦争責任その二 「常なる心(コモンセンス)」
「戦争が主で」はないか、と批判
「帝国国策遂行要領」の御前会議
民族の「常なる心(コモンセンス)」
東条いわく、天皇のご意思は「和平」
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天皇の戦争責任その三 陸軍を抑える最後のチャンス
和戦の決定に関する「殆ど最後の会議」
近衛の「政治上の実力」の欠如
開戦前の天皇の「戦争終結」策
「陸海軍一致」での「平和」の一策
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「天皇の国家」という意識
北一輝「若殿に兜(かぶと)とられて敗け戦」
北一輝の「盟友」、張群
ネーションを背負って
たった一人のたたかい
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天皇制下の民主主義その一 敗戦前後
『小倉庫次(くらじ)侍従日記』をめぐって
断固たる軍事指導者
天皇によるポツダム宣言受諾
占領軍下の天皇制
「全責任を負う者」として
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天皇制下の民主主義その二 外の文明を受け入れつつ
「ファシズム」という言葉
三島由紀夫の〈美の原理〉
非西欧化への「最後の砦」?
良子(ながこ)皇后いわく「B29は残念ながらりつぱです」
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天皇制下の民主主義その三 マッカーサーを押し返す
ヴァイニング夫人の招請
「ジミー」とよばれた皇太子明仁
キリスト教を押し返す
マッカーサーとの訣別
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権力の彼方ヘ
心の棘(とげ)としての二・二六事件
権力闘争を超越せん、と
その大いなる愛のおそろしさ
政治を超えた虹
あとがき