硫黄島玉砕戦
はじめに
再認識される硫黄島
「爆撃戦略」がもたらした硫黄島の”宿命”
証言が語る戦闘の実態
記録すべき戦争の真実
「記録」と「記憶」のはざま
*
序章 遺骨が眠る島
「遠い」島
硫黄島へ
異形の島
上陸
島をめぐって
想像を絶する地下壕
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第一章 語りはじめた生還者たち
なぜ自分は生かされているのか?
”玉砕”の一言では表し尽くせない
戦場と化す硫黄島
戦局が変わる中での派遣
行き先も告げられずに
「硫黄島は五日で攻め落とせる」
二度目の応召で硫黄島へ
総延長一八キロの地下壕
水を欲し、天を仰ぐ
かすかな希望
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第二章 ”語られた”戦闘、”語られなかった”戦場
彼我の差
「我等ハ全カヲ奮ツテ本島ヲ守り抜カン」
逃げ場のない戦場
劣勢の中で
島ごと吹き飛ばすほどの砲爆撃
太陽が消えた
アメリカ人にとっての硫黄島
二月一九日―静かなる上陸
妨げられた進軍
予期せぬ惨事
禁じられた万歳突撃
二月二〇日―アメリカの総攻撃
二月二一日―特攻機による奇襲成功
見捨てられた戦場
二月二三日―摺鉢山に翻った星条旗
出口の見えない戦い
歩兵戦へ
兵士の肉を挽く戦場
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第三章 ”玉砕”の名に埋もれた事実
指揮官不在の総攻撃
兵士たちは”死体になって”生き延びた
三月一〇日―東京は火の海に包まれた
三月一五日―アメリカが出した終結宣言
崩れゆく戦闘意欲
一滴の水を求めて
飢餓との闘い
アメリカ軍が尊敬した日本の軍人
”玉砕”の美名のもとに兵士は抹殺された
栗林兵団長訣別の電文
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第四章 果てなき戦い
守備隊長の最期
歴史に刻まれることなき戦い
地面から漂う死臭
なぜ、投降しないのか?
銃弾は背後からも飛んできた
兵士たちが抱いた”希望”と”絶望”
極限状態が生んだ悲劇
戦争が生み落とした”鬼畜”
容赦なき掃討作戦
地下壕は火の海と化した
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第五章 地獄からの生還
戦いの果てに
勝者なき戦争
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終章 生還者たちの声なき声
戦争のことだけは忘れない
揺れる思い
伝えることの難しさ
戦友たちの死の意昧を問いつづけて
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年表「太平洋戦争関連および硫黄島の戦闘」について
参考文献