神道の宗教學的新研究
第一章 宗教の諸形相
自然教と文明教
古今東西の宗教界に於ける二大思潮ー神人同格今日(神人渾一若くは神人平等教)と神人懸隔教(神人対立教若くは萬有神教との関係
有神教と超絶神教即ち自然神教
国民的(非伝道的)宗教と世界的(伝道的)宗教ー国家単位と個人単位
有開祖教と無開祖教
有聖典教と無聖典教
自依教(自力的宗教)と他依教(他力的宗教)
有造物主教と無造物主教
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第二章 宗教学上の宗教
宗教とは何ぞやと云ふ問題の形式的解答
宗教とは何ぞやと云ふ問題の内容的解答
宗教に於ける儀式殊に祈祷の意義ー他依教に於ける祈祷と自依教に於ける坐禅観念(-救済と解脱)
佛基に二教の比較せる孔夫子及びモハメッドの位置
教義の存否と通俗の意味に解せる来世及び霊魂観念と宗教
宗教と哲学、道徳及び芸術
宗教と神話、迷信及び魔術
神話と小説の区別及び神話の価値
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第三章 神道の発達概観
発達史的に考察せる神道の区分
原始振動概観
文明教期に於ける神道の特色
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第四章我が国に於ける天皇崇拝の特異なる発達と我が国家組織の特色
我が国体の成立に及ばせる外的要因ー地理的天恵
宗教学上より考察せる我が国天皇の御位置
国家的家族制(総合家族制)より見たる我が天皇の御位置
我が天皇の徳辞主義
我が民心上に培養せられたる忠孝道徳の基調ー大和魂の心核
我が国体の精華と神道の真生命
我が国現下の国家生活中に充溢せる神道的気分
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第5章
神道と外来の宗教(-佛基二教)
神人同格教系と神人懸隔教系とより見たる基督教の位置
神道と仏教との交渉関係
神人同格教に表はれたる宗教意識
猶基回三教と神人の信仰
我が祖先崇拝と佛教
國民的宗教としての神道の特種なる位置
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第六章 神人同格教系より見たる神道
日本語の「かみ」と云ふ語の意義
日本人の所謂「かみ」の二方面
神の二方面に関する学者の解釈
氏神と氏の上との対照と天皇に現はれたる人性と神性
神道の二方面
佛教中の二方面
佛教中の禅宗対真宗の比較
神道若しくは神社と我が国の祖先崇拝の宗教非宗教問題の考察
神道てふ語の意義
神道と皇道若くは王道との関係
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第七章 神道(-国体神道、神社神道)の宗教学的研究結果と我が憲法上の信教自由の問題
我が憲法上の信教自由の意義
神道(-国体神道、神社神道)と他の輸入宗教との関係
聖徳太子の憲法と神仏二教の関係
神道(-国体神道、神社神道)は真の意味に於て又唯一独特の意味に於て我が国現下事実上の國教
我が国に於ける精神主義と物質主義の軽重
輸入宗教の日本化
外来思想同化の可能
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第八章
神道若くは神社問題解決の不徹底
神道若くは神社非宗教説の由来
如上解釈の批判ー心理学的事実の否認
神道若くは神社を非宗教的に解釈することの利害
神社(神道)に於ける神事の宗教的形相
神道(-国体神道、神社神道)の宗教的形相に対する佛基二教徒の態度と比較宗教の研究