図書カノウセイ トシテノ センゴ000049765

可能性としての「戦後」

サブタイトル1~10
日本人は廃墟からどのように「自由」を追求したか 平凡社ライブラリー;609
編著者名
桜井 哲夫 著者
出版者
平凡社
出版年月
2007年(平成19年)4月
大きさ(縦×横)cm
16×
ページ
317p
ISBN
9784582766097
NDC(分類)
302
請求記号
302/Sa47
保管場所
閉架一般
内容注記
増補
和書
目次

はじめに

第一章 廃墟から―自由について
虐殺爆撃
空襲警報が遅れた
二億坪が焼けて…
焼跡闇市こそわが故郷
すべてが灰と化したとき、思わぬ力が湧いてくる
浮浪児・パンパンメシア
「自由」を選択する決意

第二章 戦後思想のなかの「軍隊」―「軍」はいかに描かれたか
坊主刈りの体験から
社会そのものが軍隊になる
「一銭五厘」の伝説
私的制裁の恐怖
極光のかげに
星の数よりめんこの数
言い訳は許されない
軍人の最高無比の教義
大西・野間論争
良い兵士とは…
東堂太郎の「闘争」
寝るときだけが自由
気ばらしとしてのいじめ
指導のために殴る
血が流れるという事は生きている証拠や
わたしたちは兵隊だ

第三章 『自由学校』の男と女―獅子文六の戦後
芸道一筋の大佐
「出ていけ!」
茫然自失の男たち
女性教祖が輩出
世論調査は語る
ベストセラーになった秘密
「軍神」が力タルシスをもたらす
時代風俗の語り部
「ぶざま」であれ
臆病者の天国
「一人で映画を見る自由」はあるか
主婦が家計を牛耳る
強大な母、影の薄い父
勇ましい「男」はいらない

第四章 「ムラ」の政治―杉浦明平のルポルタージュ
村八分
地主は蜘蛛だ
郷里を動かず
騒動勃発
ボスのやり口が明るみに
『台風十三号始末記』
一文でも多く補助金を取れ
嘘がばれても予算は通る
癒着の原因
農村という密室
日本農民は矛盾する性格を持つ
政治から身をひく
渥美町の変貌
発電所が建って…
夜逃げ町長
『住民』という存在

第五章 民衆的理性のために―花森安治と『暮らしの手帖』
イギリス製の石油ストーブ
宝塚体験
職人に徹する
なぜ広告を入れないのか
「暮しの手帖」創刊
「くずし」の美学
基本を大事にする
焦るな、体験に即して考えよ
名物、商品テスト
スカートをはく編集長
「啓蒙主義」の遺産
紋切り型の『一戈五厘の旗』
まるで人造人間だ
強制された「美」
職人の「逸脱」

第六章 子どもに自由を―松田道雄の仕事
町衆の系譜
マルクス主義と聖書
「転向しない転向者」
『赤ん坊の科学』
スポック博士の育児書
確固たる姿勢
結核はみんなで治そう
日本でいちばん弱い者
若い母親は不安
時代風潮に抗して
子育ての六〇年代―伝統からの断絶
自慰をする幼児
人間に空気、子どもに自由空間
「戦後」の初心

第七章 戦争は終わった―私たちは何処から出発してきたのか
どの戦争ですか
「現場」の思想
一〇坪の工場から
山びこ学校
すべてが具体的
社会の非軍事化
『三等重役』と『江分利満氏の優雅な生活』
自分は何者であるのか
人間は人間に服従しない


旧版あとがき

増補
戦後史のなかの黒澤映画
戦後少年文化のなかの乱歩

平凡社ライブラリー版のあとがき
索引