大学入試の戦後史
一章 大学全入時代
大学全入時代
私大の定員割れが急増
志願者数を伸ばした法政大学
受験生が王様、大学は召使い
国立大学の生き残り競争
未履修問題をどう考えるか
*二章 「小論文」入試
「優等生」への危機感からの導入
書けない人でも合格してしまう
慶應と早稲田の大きな違い
何が目的で、何が成果か
早稲田大学文学部―廃止した理由
慶應大学法学部―論理と経験と
慶應大学文学部―四〇〇〇枚を読む
入試は「選抜」か「教育」か
京大経済学部の「論文入試」
ブームが過ぎて
*
三章 AO入試―SFCの栄光と挫折
それはSFCから始まった
なぜ破綻したのか
SFCの画期的な新しさ
消極的だった高校のトップ進学校
AO入試とは何だったのか
官と民、国立大と私大の間にあるもの
*
四章 AO入試の広がり
早稲田大学政治経済学部―「第一志望」を求めて
早稲田大学国際教養学部―一般入試のほうが特殊
導入を拒否した東大と京大
筑波大学―受験生の目の色が変わった
九州大学―学部の縦割りを壊す
AO入試への提言
AO入試の今後
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五章 国大協と文科省
大騒ぎにならなかった京大の後期廃止
国立大の利害争いと高校の本音
「東大と京大はグル」
京大のフライングの波紋
自由化論の敗北
国大協の依存体質
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六章 東大と京大
「来ていただく」姿勢の確立
東大の二大教育制度改革
学力低下への真摯な対応
「駒場」の持つ意昧
「駒場」のない京大のやり方
京大各学部の都合
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七章 入試制度改革の歴史
受験競争との闘い
「共通一次テスト」導入の意味
裏目に出た改革者たちの「善意」
偏差値隠しに使われた「多様化」「個性化」
国立大と国大協は何をすべきだったのか
教育をバカにし、私学につけをまわした
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八章 課題と対策
日本の進学率の推移
鍵を握る「資格選抜制」
アメリカの出した解答
日本を覆いつくす「競争選抜制」
アメリカにおける「平等王義」と「能力主義」
日本の「ムラ社会」の論理
AO入試が二項対立になる理由
二項対立を克服するために
「過去の立場」か「未来の立場」か
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あとがき
参考文献