生きて愛して
「生きて愛して」の出版をよろこぶ
推薦のことば
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第一章 悲しゅうて情のうてうれしゅうて(掛谷長助さん)
広島で生まれて
小舟にのって盲の生徒の手をつないで学校へ
ガラス工場と大工へと
娘の死の悲しみ
手から火がでた八月六日
私を見つめる目、私の妻
十一年余の苦しいつらい原爆後遺症のすえに
十二名の合同位牌に誓う
そして、ろうあ協会のこと
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第二章 紅蓮のなか空中をかきわける手足とともに(小林正治/千代子さん)
放蕩生活の末に
鉛筆削りの名人(?)
八月六日朝しんどうないか…
背中にアイロン、目の前にフラッシュの親玉
男も女もなく、ただ真っ黒な…
天までとどく炎、重なる死体
ひもじさ、恋しさ、かなしさ
原爆後遺症と聞こえないこと
死んだ子はやっぱり八歳
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第三章 黒い雨の降るなか私の見たもの言えぬ苦しみ(浜田芳子さん)
幸せな頃と失聴と
空に浮いた二階建ての家
身体にあたる小石ほどの黒い雨
米つぶが泳ぐ食事
地獄と暑さのなかで
水、みず、みずとうめく声
身も心も切り裂いて
泣いて泣いて泣き暮らし
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第四章 皮膚がはぎとられ眠った娘(松下輝雄/キリノさん)
中国で働いた日々
入院したため被爆しなかったが…
早く母も死に、ろう学校も行けなかったが…
赤い大きな玉と、えぐられた広島
死を思いながら生きつづける苦しみ
月日が身も心も
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第五章 胸が潰れるほどの悲しさの中で(行田敏明・庫子さん)
考えられんお金つかったけれど
世界が広うなった手話
真っ赤に燃える火玉
八月八日市内に入れて
顔が剃げとられとる
命だけ助かったと喜んだのに
水をあげると死ぬ姿に
地獄の中を
何んもかんも不足した時代
どれをとっても恵まれましたが…
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第六章 新しいいのち私のいのちみんなのいのち(菊岡敏子さん)
八ヵ月のお腹の子をかばって
見られるさまじゃなかった
六人のろうあ者はどこに
生きていることが不思議
一人で留守が心配
ホームで気の張った日々
健聴の人たちに少しでも
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第七章 スパイにさせられたが今生きる(国井正男さん)
スパイにさせられ裁判に
放浪のすえに
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第八章 雨がふると食べられんので母は…(福島利彦/イトミさん)
入れるもののない弁当
身体が弱って広島へ
オレンジの空と弟の圧死
御幸橋附近には
つっかい棒で支えた校舎
父の死と赤貧の生活へ
黒、赤青の雲と降る夏
あれはいけん
そして、夫婦の会話
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第九章 寒さ、空腹、雪のつらさそれ以上のこと(黒川トモエさん)
つくしてくれた次姉
一度も家に帰ることもなく
寒さと雪のつらさ
みられぬほどの重傷の母
泣き泣き水を
猛反対の中で結婚
無の状態で
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第十章 樺太望郷(三上キミエさん)
瞼の風景、生地樺太
初めてみた手話
敗戦とソ連兵
第二のふるさと広島に
第十一章 手話って書けた嬉しさよ(三上良夫さん)
父への反抗
手話と文字と友だちと
光も音もない被爆
無国籍者になっていたとは
免許と猛勉強
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あとがき