異なる悲劇日本とドイツ
- サブタイトル
- 編著者名
- 西尾 幹二 著者
- 出版者
- 文藝春秋
- 出版年月
- 1994年(平成6年)10月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 285p
- ISBN
- 4163493603
- NDC(分類)
- 329
- 請求記号
- 329/N86
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
第一章 異なる戦争 異なる悲劇 ドイツの知らなかった日米戦争の背景
たえず新たに敵を発掘する二十世紀型テロ国家
ナチスの根底にあった生物学的人種思想
ナチスの殺人は戦争犯罪ではない
ヒトラーが操縦した意図的無秩序
性格の異なる旧日本軍の蛮行
能動的なドイツの攻撃性、受動的な日本の攻撃性
いわば運命に身を委ねていた大日本帝国
日米双方の「戦意の歴史」を比較せよ
ハワイを巡る明治以来の日米対立
アメリカ本位の「オレンジ計画」と「スーパー三〇一条」
日露戦争後、アメリカは日本を仮想敵とみなした
ヒトラーとルーズベルトの類似
タイミングを逸した「大東亜会議」
日本人は「全体戦争(トータル・ウォー)」の恐怖と空虚を経験していなかつた
アメリカは昔も今も「正義のお節介屋」
ワシントン会議が曲がり角だった
*
第二章 ヴァイツゼッカー前ドイツ大統領謝罪演説の欺瞞 ドイツ人の罪の償いは可能か
横行する無差別思考
「集団の罪」を認めないドイツ
ヒトラーの大量殺戦は文明の破壊
日本は「人道に対する罪」を犯したか
不可解な細川元首相の対独劣等感
ドイツの戦後史は自己欺瞞の歴史
ヴァイツゼッカーと天皇
歴史は複眼で見よ
第三章 歴史とのつき合い方 英米からみた日本の謝罪問題
新聞だけがだるい昔の歌を歌う
侵略戦争史観から独自の史観へ
歴史論争のすすめ
「五十年五の謝罪は的外れ」
自分を根こそぎ否定しない欧米人
加藤周一氏の西洋劣等感
丸山眞男氏の西洋理解のそこの浅さ
日独ファシズム論では二十世紀は説明できない
*
第四章 戦略なき「国際貢献」を排す コール氏のしたたかさに学ぶ
「底の抜けた樽」への空しい援助
ドイツの財政は日本より健全
対露支援、日本の抱き込みに独仏の謀議
ドイツの対露巨額支援のカラクリ
貿易黒字国・日本への過大な期待
底なし沼にはまつったG7
*
第五章 冷戦後の「戦争と平和」考 軍事ノイローゼ克服の日独の差
いまだ克服できない「日本的単純さ」
マスコミは民族問題を言い立て過ぎる
日独は軍事に関して神経病に罹っている
全体戦争と限定戦争
旧敵国が支持するドイツの海外派兵
ドイツ統一と湾岸戦争で共通するもの
ドイツがおびえていたロシア人の復讐の恐怖
北朝鮮、「まさか」がある日……
*
第六章 ギュンター・グラスと大江健三郎の錯覚 「文学と政治」を再考する
文学的政治主義への不信
ドイツ文壇の政治参加と日本のべ平連への疑問
あまりにも無惨で哀れな逸脱の一結末
グラスは社民党内でも少数派だった
進歩的知識人は過去しか視野に入れない
歴史知識も欠く観念的煽動家グラス
幻想的ドイツ知識人の厄介な宿痾
大江健三郎と広島
人類は最悪より次善の体制を選んだにすぎぬ
*
第七章 学生気質の変貌 広がりすぎた自由の悲劇
呆気にとられることの多い今の大学
「広い見聞」はときとして人間に有害では?
ヨーロッパに無感動の若い日本人
ドイツの若者も変わった
深さ・高さ・重さの意識の欠如
何事にも参加しない見物人の群れ
自由の先には果てしなき不毛のみ
*
第八章 「統一ドイツ」の行方 われわれが初めて出合ったドイツの悪意
市場経済原理がわかっていないドイツ
ヨーロッパの怠惰に日本がつきあう理由はない
エリツィンと●小平(とうしょうへい)の違い
「シュタージ」の犯罪
東独は「後期全体の主義」の優等生
ボスニアに逃げ腰のヨーロッパ
旧共産圏に発生した新しい神経病
ヨーロッパは遠くなりにけり
*
あとがき
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