激動の昭和スポーツ史 4
●カラー
「ノーワインドアップ」「特大アーチ」 高校野球新時代を告げた王貞治の出現
ついに偉業達成! 春夏連覇だ!! 30年代、40年代、50年代、60年代に一度ずつ
「打倒、江川」に各チームが燃えた甲子園 敗れてさらに「剛腕」の名を高めた江川卓
法政二・柴田─浪華商・尾崎行雄「熱戦三番勝負」 怪童はついに3季連覇の野望を砕いた
高校球史最高のエース&四番打者“KKコンビ”PL学園・桑田真澄、清原和博
30年代は大物選手の激突でスタートした 隆盛へと向かう季節の中で活躍した選手たち
“団塊世代”は大型本格派そろい 40年をはさみ好投手が続々と甲子園に姿を現す
金属バット時代の飛ばし屋たち 高校野球は“空中戦”へと変わっていった
40年代半ばから50年代前半に何かと話題を集めてブームを巻き起こした選手たち
50年代を彩った個性派投手群 現代っ子ヒーローがマウンドで躍った
右に左に打ち分けるシュアな打撃で目を奪ったバットマン
年数は短かったが60年代も好選手が続出
カラーテレビ時代の“アイドル”選手 実力プラス容姿のよさで女性ファンは大フィーバー
高校野球史にサン然と輝く「完全試合」 選抜、選手権大会を通じただ一人の男・松本稔(前橋)
平成元年は東邦の戦後初、48年ぶり優勝ではじまった
飛び出したニュー・ヒーロー スタンドを沸かせた上宮・元木のパワー
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●モノクロ
〔昭和30年〕“坂崎大明神”の大活躍で古豪浪華商が復活/“前岡旋風”が吹き荒れる中、無名四日市が抜け出した夏
〔昭和30年〕「1億円軍団」に凄まじいプロのスカウト合戦
〔昭和31年〕雪国からベスト4へ、「引き揚げ者特例」選手の活躍/中京商、平安、県岐阜商古豪トリオが貫禄を見せた
〔昭和32年〕ノーワインドアップの早稲田実・王が颯爽と躍った/原爆の街・広島市民を勇気づけた広島商の復活
〔昭和32~33年〕投げても打っても王貞治(早稲田実)はまさに「怪物」だった
〔昭和33年〕38度の熱にめげず城戸の力投で紫紺旗海を渡る/40回記念選手大会に首里が沖縄代表として初出場
〔昭和33年〕板東(徳島商)─村椿(魚津)の白熱投手戦は「延長戦規約」適用第1号に
〔昭和34年〕皇太子ご成婚で選抜決勝テレビ中継がブッ飛んだ/夏の地方大会は地区割り変更で北海道が南北に分かれた
〔昭和35年〕雪国勢進出の春を〆た劇的な決勝戦サヨナラ本塁打/“怪童”尾崎がデビュー、柴田の法政二との宿命の対決開始
〔昭和36年〕「超高校級チーム」法政二VS浪商の激突に沸く/“奇跡の逆転”ドラマも加わって舞台は最高に盛り上がった
〔昭和36年〕怪腕・柴田(法政二)VS怪童・尾崎(浪商)/高校野球ファンを熱狂させた「ザ・ライバル」
〔昭和37年〕エースの「赤痢禍」隔離を乗り越え史上初の春夏連覇/アクシデント、接戦を突破したのはチームワークだった
〔昭和37年〕一時は出場辞退の危機もあった作新学院が前人未到の偉業を成し遂げた
〔昭和38年〕北海道勢初の決勝進出と沖縄勢の甲子園初勝利/池永を擁する下関商があと一歩で初夏連覇を逃す
〔昭和39年〕初出場優勝!“ジャンボ”尾崎の徳島南海大殊勲/夏は主力をケガで欠いた高知が制し四国が春夏独占する
〔昭和40年〕“ボタ山に灯をともした”三池工の夏快挙/平松の4試合連続完封などで選抜は岡山東商が涙の優勝
〔昭和41年〕エース加藤が投げ抜いて中京商史上2度目「春夏連覇」/夏3連覇の伝統校にまた新たな誇るべき歴史が刻み込まれた
〔昭和41年〕勝者の中京商を上回る拍手が送られたさわやか土佐の善戦
〔昭和42年〕津久見の吉良、4試合で51三振を奪い栄冠をもたらす/夏は絶妙なケン制球でピンチをしのいだ石井を擁す習志野
〔昭和43年〕春40回記念大会は大宮工、夏50回記念大会は興国/箕島甲子園デビュー、沖縄初のベスト4へ「魂・知・和」興南
〔昭和44年〕熱闘延長18回! 史上初の決勝戦引き分け再試合/松山商・井上VS三沢・太田の息づまる投げ合いは続いた
〔昭和44年〕端整なマスクと“悲運のエース”として最初に女性ファンの心をとらえた三沢の太田
〔昭和45年〕島本のサヨナラ打で箕島“のびのび野球”春を制す/“黄金時代”へ東海大相模も夏に名乗りをあげる
〔昭和45年〕“コーちゃん”ブーム再び太田幸司に続き島本講平(箕島)人気沸騰
〔昭和46年〕「小さな大投手」田村(磐城)34イニング目の失点に泣く/春は日大三、夏は初陣の桐蔭学園と関東勢が優勝を独占
〔昭和47年〕初の東京勢同士の、しかも兄弟校の決勝戦/打って投げて大活躍の“ジャンボ”仲根の日大桜丘に軍配
〔昭和48年〕春夏とも不運につきまとわれたモンスター/全国の目は甲子園に注がれ高校野球は最高潮に達した
〔昭和48年〕未完成に終わった!?「怪物伝説」/江川卓(作新学院)は戦後最大のスーパースターだった
〔昭和49年〕ニュースター誕生とともに「金属バット時代」スタート“山の子イレブン”池田が甲子園を沸かせた年でもあった
〔昭和50年〕壮絶な打ち合い相次ぎ金属バットの威力まざまざ/東海大相模の“父子鷹”原辰徳が話題を呼ぶ
〔昭和51年〕予選で16連続三振を奪った“サッシー”酒井(海星)/60年ぶりの東京VS大阪決戦は初陣の桜美林がサヨナラ優勝
〔昭和52年〕“バンビ”の爽やか旋風と春に輝いた“二十四の瞳”/選抜は箕島、夏は東洋大姫路が劇的サヨナラ・アーチで栄冠
〔昭和53年〕1度ならず2度よみがえってPL「逆転神話」を生む/選抜1019試合目、春夏合わせ2429試合目に樹立された完全試合
〔昭和53年〕春夏通じ全国大会ただ1人の「完全試合男」/前橋・松本の「78球」(1回戦比叡山)
〔昭和54年〕箕島、粘りに粘って史上3度目の春夏連覇/人気者“ドカベン”の大アーチにもスタンドがどよめいた
〔昭和54年〕奇跡は2度起こった/箕島─星稜「延長18回、筋書きのないドラマ」
〔昭和55年〕横浜の愛甲と早実“ダイスケ”の史上初「京浜決戦」/選抜は“球道”中西の大活躍で高知商が万年V候補を返上
〔昭和55~57年〕「ニューアイドル」/荒木大輔(早実)/5季連続甲子園出場もついに頂点に立てず
〔昭和56年〕「逆転のPL」再び、報徳学園の金村が投打に大暴れ/工藤(名電)、槙原(大府)、吉村(PL)ら多彩な出場メンバーに沸く
〔昭和57年〕PL春連覇、脅威の“山びこ打線”夏空に白球を/27人目に死球を与え夢と消えた選手権大会初の完全試合
〔昭和57年〕「山の子イレブン」から「山びこ打線」へ/高校野球に“パワー時代”を巻き起こした池田
〔昭和58年〕PL1年生パワーが“王者”池田を粉砕した/享栄の藤王が8打席連続安打、11打席連続出塁の記録を作る
〔昭和59年〕“のびのび野球”に敗れ春夏ともに準Vの最強PL/絶妙ピッチングの岩倉・山口、取手二は延長で突き放す
〔昭和60年〕投げて打ってPL記録ずくめの夏に歓喜の雄叫び/“伊予の怪物”145キロの快速球がうなりをあげて紫紺旗を
〔昭和60年〕甲子園大会記録を塗り替えたPL“KKコンビ”/桑田通算20勝、清原1大会5号、通算13本塁打
〔昭和61年〕池田春再び、夏は初めて大和路に深紅旗ひるがえる/“新湊旋風”が吹き荒れて甲子園球場は大フィーバー
〔昭和62年〕PL「全員野球」で史上4度目の春夏連覇/“3本の矢”の投手陣を前面に鉄壁の守りを誇った
〔昭和63年〕昭和最後を飾ったのはニューパワーと伝統校/初陣優勝だ! 宇和島東、名門復活だ! 広島商
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選手たちのときめきが今も伝わってくる栄光の歴代優勝校
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甲子園は球児たちの「青春」であるとともに“おくに祭り”の場でもある
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素晴らしき白球譜 時は移っても選手たちの熱闘ドラマは続く
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〈表紙写真〉(作新学院・江川卓)