愛国者の条件
巻頭対談 愛国心を教えることは可能なのか
国家主導の愛国教育は軍国教育とつながりやすい
軍人勅諭と戦陣訓
戦前にもあった「ゆとり教育」の過ち
「外圧」に煽られて高まるナショナリズム
正しい歴史を知ることで国を愛することができる
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第一章 愛国を論じる前に(半藤一利)
教育が変わると国も変わる
日本は昭和の悪夢を繰り返しつつある?
分祀は教義上も可能なはず
靖国参拝よりも先にやるべきこと
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第二章 「美しい国」づくりに必要なこと(戸高一成)
「美しい国」とは何か
平和を教えるということは戦争の正体を教えるということ
開明的な人材を輩出した海軍の「品格」教育
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第三章 日本海軍の人づくりに学ぶ(半藤一利)
国際法が重視された海軍教育
規律と伝統を重んじる清廉潔白な気風
自由とユーモアを象徴する数々の言葉
「同期の桜」が意味する失錯への予兆
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第四章 国家の命運を握る先見性(戸高一成)
戦艦大和が象徴する日本の高度な技術力
「国のため」に私心を捨てる
海洋国家の命運を分ける国際的センスの有無
システムの違いが招いた陸海軍の乖離
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第五章 国家と軍が誤る時(半藤一利)
急速な富国強兵プランは国民に苦痛を強いる
「能力」よりも「成績」が大敗北の原因
良識派の追放が暴走へのターニングポイント
国を見ずに組織を守る愚
昭和十年代の日本と金正日政権との類似点
本土決戦を回避させた愛国者たち
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第六章 なぜ昭和の海軍は破綻したのか(戸高一成)
行き過ぎた成績至上主義と官僚組織への変貌
日本海軍が抱えていた組織的な欠陥
無敵海軍という幻想が教訓を無にする
硬直した思考で計画された戦艦大和
「海軍あって国家なし」の大和特攻
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第七章 再軍備を語る前に知っておくべきこと(半藤一利)
日本が持つ致命的な弱点
純粋すぎるリーダーは国家を窮地へと導く
自衛隊を軍に変えることに私が反対する理由
日本の仮想敵国はどこにあるのか
東京裁判で露見した国際条約を読んでいなかった首脳部
日本人は軍隊が扱えない
国際社会では平和憲法を高く掲げよ
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第八章 日本は歴史から何を学ぶか(戸高一成)
米海軍は日本海軍に畏敬の念を抱いていた
外交に敗れたとき、戦争が始まる
A級戦犯の「罪」と「責任」、そして戦死者との約束
マスコミの戦争責任
相互理解のできない異文化の衝突は殲滅戦になる
憲法改正なら組織も変えるべき
国家は国民との約束を違えてはならない