少女の記録、あの頃
プロローグ――ニューヨーク、突然の闇
巨大な黒煙
第二のパールハーバー……
あの日と同じ星空の下で
*
第一章 穏やかな日々
校庭の桜に迎えられて
質素ながらも明るいわが家
かえるの交響楽
唐傘のピアノ
春の陽のもとに生まれた弟
喘息とお引っ越し
七夕の祈りのときに
ほたるのプラネタリウム
消えていったお菓子
イクラの行列
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第二章 国家総動員体制下の暮らし
あこがれの兵隊さんと軍馬
お国のための体作り
まぼろしの勉強机
海神に捧げられた母の宝
ねずみの運動会
飛び散った甘いドーナツ
八紘一宇と金色の鳶
取りあげられた栄誉
独りぼっちの運動場
あこがれの女学生
皇国の前途を背負う
*
第三章 太平洋戦争勃発、銃後の譲り
パールハーバー
宣戦布告の詔書
聖戦を勝ち抜くために
出征兵士と女性の祈り
初めての本土空襲
毎月の大詔奉戴日
日本は神の国
敵国語、英語排斥
「兵隊さん」と「海行かば」
授業はどこへ?
「御奉仕できる幸せを思え!」
*
第四章 神国に生まれた子どもたち
軍隊と戦争への賛歌
不吉な予感と防空演習
爪楊枝で恐竜と闘う
歩けよ歩け、走れよ走れ!
セーラー服の農婦
少女たちがこしらえる戦闘機
「天皇陛下、どうかお許しください!」
自然の懐に抱かれて
雷雨の中の田植え
従軍看護婦の旅立ち
盛岡高等女学校軍服縫製工場
いなごの佃煮、蚕の煮物
きょうから看護婦さん
命がけのチャレンジ
雪の中の木こり
真の闇の中で
はかなく消えた夢
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第五章 日本が負けた日
名古屋大空襲
九死に一生
米軍の手に落ちた沖縄
この同じ空の下の広島で
恐怖の産物、白い服
長崎上空、二つ目の太陽
死と隣り合わせの恐怖
終戦前夜
玉音放送の衝撃
懐かしい父の顔
盛岡をあとにして
明日の太陽
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エピローグ―ニューヨーク、平和への祈り
英語、そしてニューヨークへ
戦争を知らない世代
二度と悲劇を繰り返さぬために
そのとき、アメリカでは
時空を超えて、幸福な世に
*
おわりに