新生呉の歴史絵本
本編
豊かな海でつながる新生「呉」 海に生きた人々を訪(おとず)れる旅が、いま始まる。
現代によみがえる古代の塩づくり 発見された土器や万葉集(まんようしゅう)から、古代塩のつくり方を日本で初めて復活(ふっかつ)した
大陸から文化を運んだ遣唐使船 国中から、いい木材といい技術者を集めた。
風待ち・潮待ちで栄えた港 歌人・西行(さいぎょう)は厳島(いつくしま)への途中、高富浦(たかとみのうら)に立ち寄った。
船がひしめきあう海路の要衝 平清盛(たいらのきよもり)は、音戸の瀬戸を通って厳島(いつくしま)神社に参詣(さんけい)した。
信仰と富に支えられた仏像群 大浦の薬師堂(やくしどう)には、平安(へいあん)時代につくられた仏像が今も残っている。
海上交通は水軍が支配した 中世(ちゅうせい)の交易(こうえき)は海を中心に行われ、水軍(すいぐん)はその警備(けいび)の役割を果たした。
大歓迎を受けた朝鮮通信使 将(しょう)軍が代わると、朝鮮(ちょうせん)の使節が瀬戸内海を通って江戸に向かった。
物流が生んだ町のにぎわい 人形浄瑠璃(じょうるり)も上演され、シーボルトや坂本龍馬(さかもとりょうま)も立ち寄った。
渡り鳥が導く一本釣り漁法 アビを目印に、二人一組で魚を追った。
飢饉に備えた人々の知恵 広島藩(はん)がつくらせた倉庫に、村人は出し合った穀物を蓄(たくわ)えた。
全国から愛される筆づくり 繊細(せんさい)な川尻筆は、書道や漆器(しっき)・陶器(とうき)の彩色(さいしき)にも使われている。
県外にも運ばれた山頂の氷 冷蔵庫のない時代、野呂山の天然氷は貴重だった。
魚網技術を駆使したイリコ漁 小さな網目のもじ網を使って、カタクチイワシの子どもを捕(と)る。
人々の努力が「名産」を生んだ 島の急斜面を切り開いて、みかんを栽培(さいばい)した。
防波堤となったコンクリート船 鋼(こう)材が不足し、コンクリート船で石炭や人間を運んだ。
“瀬戸内の石”が国会議事堂を造った 倉橋島の“桜みかげ”は、呉市電の敷(しき)石にも使われていた。
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資料編
用語解説
新生呉市の年表
新生呉市をむすぶ橋
各町の名産品と歴史を支えた人々
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【絵本に登場するこどもたち】
((呉市)・勇気(ゆうき)/香菜(かな)/(下蒲刈町)・翔太(しょうた)/(川尻町)・美咲(みさき)/(音戸町)・拓也(たくや)/(倉橋町)・愛(あい)/(蒲刈町)・大樹(たいき)/(安浦町)・舞(まい)/(豊浜町)・翼(つばさ)/(豊町)・彩(あや))
呉市は旧呉市、町名は合併した各町(合併後の呉市の町名)を表しています。勇気と香菜は前作【子どもたちに語り継ぐ 呉の歴史絵本】に引き続いての登場です。