松本清張と昭和史
- サブタイトル
- 平凡社新書;320
- 編著者名
- 保阪 正康 著者
- 出版者
- 平凡社
- 出版年月
- 2006年(平成18年)5月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 252p
- ISBN
- 458285320X
- NDC(分類)
- 210.7
- 請求記号
- 210.7/H91
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 関連年表:p243‐252
- 昭和館デジタルアーカイブ
プロローグ
時代の「記録者」としての自立/大正十年から始まる「プレ昭和」
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第一章 昭和前期と『昭和史発掘』
自らの同時代史に取り組む/清張にとっての昭和前期
「底辺からの視線」はどこから生まれたか/『昭和史発掘』のテーマはいかに選ばれたか
軍事的テーマと非軍事的テーマ/非軍事的テーマに潜む軍事の影
「佐分利公使の怪死」に見る昭和前期の本質/小説的な手法で表現した官憲への怒り
『昭和史発掘』で描かれた作家たち/先輩作家のスキャンダル
単行本に収録されなかったふたつの事件/清張史観が描く昭和史年譜
人間的な強さを持つ者への共感/弾圧に抗した者たち
アカデミズムや既成左翼は清張史観をどう受けとめたか
なぜ昭和十年代の戦史を書かなかったか/現代史の先行研究への挑戦
『昭和史発掘』はなぜ国民に受け入れられたか/生活者の視点
*
第二章 「二・二六事件」に収斂された昭和前期
昭和前期の日本を形造ったものの正体/事件をめぐる因果
同時代としての「二・二六」/悪鬼、天皇制の実態を知らず
陸軍首脳に陥れられた北と西田/「真崎無罪」が意味するもの
北に対する清張の個人的感情/二・二六事件の本質とは何か
叛乱将校たちが持つ不純性/「二・二六」に至る陸軍内部の抗争
「二・二六前史」として検証された相沢事件/清張がとらえた天皇制の本質
アカデミズム、ジャーナリズムに与えた影響/清張の北一輝観
「桜会」の未遂クーデターが意味するもの/生かされなかった憲兵隊の教訓
次世代に託された課題
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第三章 昭和中期を暴いた『日本の黒い霧』
占領期という時代/GSとG2の対立
占領期の闇/『日本の黒い霧』は反米的な意図で書かれたのか
大岡昇平、佐藤一の清張批判/『日本の黒い霧』で身につけた「史眼」
「下山事件」で日本社会はいかに変化したか
「『もく星』号遭難事件」「二大疑獄事件」に見る謀略の本質
隠された事実に挑む戦闘的精神/米ソ情報戦争に巻き込まれた日本人
接収ダイヤはどこへ消えたか
他の謀略史観とは一線を画している清張史観
キャノン機関の影/帝銀事件に向けられた執念
松川事件の犯人像/説得力に欠ける「白鳥事件」の推理
謀略の視点で朝鮮戦争を暴き出す危険性
清張史観をいかに乗り越えるか
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エピローグ
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『昭和史発掘』『日本の黒い霧』作品あらすじ
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あとがき
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関連年表
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