近江湖東・豊郷の暮らし
まえがき-本書の成り立ち(武邑尚彦)
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第1章 おばあちゃんが振り返る、わが人生90年
弟をおんぶして、かくれんぼ/女学校前の「歯入れ屋さん」/おたけどんの「しおふみ」奮戦紀/野菜は流れ水で洗え/お嫁さんは提灯で/「ここへ来たら、もんれんわ」/鶏が鳴くまで、お酒を飲む/最後に残った人がお婿さん/嫁入りと箪笥、長持/
「衣装見せ」は、ご近所同士のお楽しみ/お嫁さんがお米を炊く/地域の婦人会へ入る/産婆さんはリヤカーに乗って/産後は、たわしでも通る/産後のお嫁さんの「ずるつき」/お母さんの手作り/お母さんのための染め直し講座/
漫画のような変わり様/世も変わったなぁし-スローフードに思う/時代変われば、お説教も変わる/わが身が一番ままならず
第2章 水と作業で苦労する-今に伝えたい暮らしの営み
山の中の溜池と「神水」/両岸に分かれての水争い/「合子」と「ゴイ」は、苦労の証/舶来品の蒸気エンジン大活躍/お彼岸時分の川掘り/田んぼで「稲架掛け」をした時代/動力は足踏みから発動機へ/「てご」で籾を運ぶ/主家の籾摺り、新家の手伝い/
湿田地帯でも麦刈り/指の爪にも溝ができる/七十年前のリサイクル/「関取」は味良し、藁良し/警官がジープでやって来る/舗装て、どんなもんや?/「新築は贅沢」のころ/うどんのように長いおつき合い-うどん講
第3章 「たくましさ」の中に生きた子どもたち
白亜の殿堂/健脚の秘密は通学にあり/煙突からのぬくもり/直立不動で朝礼/図書館では本の虫/歌に合わせて床のワックス塗り/先生も子どもも育ちあう学芸会/「運動王国」の小学校/二十三本の優勝旗/生卵を飲んで走りに行く/相撲はみんなの楽しみ/子どものまなざし/
桜見物よりも「干店」見物/団扇片手に活動写真/班長と級長はさせてもらう/青年学校に行っとかんと……/相手の心臓を突け!/中山道にも大豆を植える/勉強より勤労奉仕!/子どものお世話は無償の働き/お世話係は、非農家の嫁さん/サッカリンの芋羊羹/
ひもじい思いはさせなんだ
第4章 “御国のために”みなが生きていた時代
二十町歩の大地主になれる/「小波開拓団」として入植/ふるさと恋しい「屯墾病」/極寒の地、シベリアでの四年間/馬を連れて競馬場へ/騎手を頼まれる/大きな地図の赤印/目と耳を押さえて飛び込む/目標の下際を狙え!/御国のために飛行機に乗る/お母さんを助けよ/
傷をつけられた供出物/田舎の暮らしの道具を出す/出さんと子孫が嘆かはる……/小さなボタンまで出す/戦後の焼き物火鉢と造船景気/手柄立てずに死なりょうか/一、降り 二、乗り 三、押すな/ラッパは腹式呼吸のために/真っ赤な顔した兵隊さん/芋の餡や鮒でお祝い/
「この戦争は難しいでぇ……」/男手がどんどん取られる/昭和の乃木将軍/庭先を潰して、野菜作り/一坪農業/自慢のV6フォード/四つの柱で銃後を支える/村葬/「嗚呼、悲しいかな……」/悲しい「名誉の戦死」/雨の日の葬列/ワニへの敵討ち/
また今日も嘘やったんか/講堂の日の丸を下ろす
杉立さんの思い出(北川乙彦)
父の思い出(杉立トヨ子)
今に伝えたい暮らしの用語(渡辺大記)
あとがきにかえて-地域学の可能性(武邑尚彦)