昭和史 戦後篇 1945-1989
はじめの章 天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後 敗戦と「一億総懺悔」
一億、涙滂沱/平和はやっぱりいいもんだ/マッカーサーがやってきた/自由と寛容と正義のもとに/「絞首刑にしてもかまわない」/「ヘロヘト・バウ」
第一章 無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策 GHQによる軍国主義の解体
闇市の大繁盛/飢餓きわまれり/次々と出される占領政策/GHQに牛耳られる無策の日本/平和国家への道のり/追及される戦争責任
第二章 飢餓で〝精神〟を喪失した日本人 政党、ジャーナリズムの復活
「リンゴの唄」とペニシリン/有為転変の「平和の値段」/活気づく政党、ジャーナリズムの復活/アメリカさまさまの「思想改造」
第三章 憲法改正問題をめぐって右往左往 「松本委員会」の模索
ポツダム宣言は無条件降伏か?/無視された国体護持の条件/行き違った近衛・マッカーサー会談/松本委員会の発足/白熱する憲法草案論議/案じられた天皇制のゆくえ/尻込みしたメンバーたち
第四章 人間宣言、公職追放そして戦争放棄 共産党人気、平和憲法の萌芽
天皇陛下、「人間」になる/「愛される共産党」/マッカーサーを動かした日本人からの手紙/「今後は平和日本に」
第五章 「自分は象徴でいい」と第二の聖断 GHQ憲法草案を受け入れる
理想を欠いた憲法草案/日本人には任せておけない/〝衝撃〟のGHQ案/インフレへの荒療治/「四十八時間以内に回答せよ」/ようやく成立した新憲法
第六章 「東京裁判」の判決が下りるまで 冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
冷戦のはじまり/社会党内閣の成立/激変する世界情勢/A級戦犯はどうやって決められたか/東京裁判とは何であったか/「天皇は訴追せず」/〝茶番劇〟に敵も味方も汗を流す/ため息の出る裏話/判決下る/残った後味の悪さ
第七章 恐るべきGHQの右旋回で…… 改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
激しくなる米ソの対立/米のアジア戦略に利用される日本/GHQの内部対立/「改革」より「経済復興」へ/次々と起こった怪事件
第八章 朝鮮戦争は〝神風〃であったか 吹き荒れるレッドパージと「特需」の嵐
至る所で「金づまり」/「赤」はすべて追放せよ/アプレゲールの暴走/朝鮮戦争で「特需」に沸く/さようなら、マッカーサー
第九章 新しい独立国日本への船出 講和条約への模索
反米ムードに苛立つアメリカ/全面講和か、単独講和か/吉田VSダレスの攻防/〝軍隊の卵〟警察予備隊の編成へ/講和・安保条約の二つの問題/〝天皇退位〟発言は「非国民」なり
第十章 混迷する世相・さまざまな事件 基地問題、核実験への抵抗
消え行く占領の〝影〟/「金は一年、土地は万年」/『東京物語』が描いた戦後の気分/改憲・再軍備論を生んだ復古調の波/定まらぬ目標にガタガタゆれる日本人/
第十一章 いわゆる「五五年体制」ができた日 吉田ドクトリンから保守合同へ
吉田ワンマンの長期政権/鳩山派の反抗で自由党はまっぷたつ/「史上最大の政変」、吉田内閣ついに倒れる/やっと「保守合同」成る
第十二章 「もはや戦後ではない」 改憲・再軍備の強硬路線へ
憲法改正・再軍備の失敗/驚きのソ連との国交回復/「もはや戦後ではない」/短命惜しまれる〝野人〟首相/不安を広げた強硬路線/「勤評問題」と「警職法」
第十三章 六〇年安保闘争のあとにきたもの ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
ミッチーブームがもたらしたものは?/安保改定への始動/デモデモデモに明け暮れて/もう政治はたくさん、これからは経済だ/月給が倍になる
第十四章 嵐のごとき高度経済成長 オリンピックと新幹線
ただただ勤労ニッポン/大衆消費時代の到来―ソニーとホンダ/日本の風景が変わった/神武景気でマネービルが建つ/三種の神器でよろめいて/ダンチ族はエリート族/冷戦激化、緊張する世界/ジャーナリズムに〝冬の季節〟/わかっちゃいるけど無責任時代/やはり外交なき日本
/ケネディ暗殺がもたらすことは/オリンピックと新幹線
第十五章 昭和元禄の〝ツケ〟 団塊パワーの噴出と三島事件
佐藤栄作の登場と「昭和元禄」/期待される人間とビートルズ/激動する世界情勢/ベビーブーム世代の反逆/東大・安田講堂の落城/万博と三島事件と/沖縄返還で〝完結〟した戦後
まとめの章 日本はこれからどうなるのか 戦後史の教訓
〝現代史〟まで/戦後とは何だったか―これまでを振り返って/その後の〝戦後〟/これからの日本は……
関連年表
あとがき
参考文献