戦後日本のジャズ文化
第1章 自由・平等・スウィング?-終戦前後の日米ジャズ再考
大阪から上海まで踊り更けり~ダンスホール全盛時代
暗い谷間で開花した音楽~アメリカ大恐慌と<スウィング>
スウィングする占領~日本のジャズ復活
ビバップの反抗
「女立入禁止」のジャズ言説~秋吉敏子を中心に
第2章 大衆文化としてのジャズ-戦後映画に響くもの
<ジャズ>と<映画>、そして<ジャズ映画>
映像と音
天からの視点~黒澤明の『酔いどれ天使』
俺らはシンガー~裕次郎と『嵐を呼ぶ男』
おわりに~映画が映すジャズ認識
第3章 占領文学としてのジャズ小説-五木寛之の初期作品を中心に
戦後文学に流れるジャズ
五木寛之の「レトロ」のジャズ観
二重の占領体験
「さらばモスクワ愚連隊」再考
五木寛之の「ライブ重視」
ジャズ小説家と<人種>の差異
国際性と排他性の混在
占領の記憶と支配幻想
おわりに~同時代の作家、過去への凝視
第4章 挑発するジャズ・観念としてのジャズ-一九六〇-七〇年代ジャズ文化論(1)
ジャズの変貌
黒いジャズ、危険なジャズ
激動期のジャズ文化の要点
一九五八年という分岐点~ヌーヴェル・ヴァークの流入
アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの来日騒動
フリー・ジャズの出現
観念としてのジャズ
二人のジャズ革命論者
第5章 ジャズ喫茶解剖学-儀式とフェティッシュの特異空間
規律と厳粛
ジャズ喫茶の歴史と多面性
聴き方の儀式
<物>となった音楽~フェティッシュの眼
ジャズ喫茶の現在
わが毒舌的ジャズ喫茶論
第6章 破壊から創造への模索-一九六〇-七〇年代ジャズ文化論(2)
ジャズの浸透力
ジャズにとりつかれた小説家たち
ジャズを“歌った”詩人たち
風景の響き~アンダーグラウンド映画とフリー・ジャズ
沈黙と音の対位法~足立正生の『略称・連続射殺魔』
腹話術師としての阿部薫~若松孝ニの『十三人連続暴行魔』
おわりに~<同時代の音楽>としてのジャズ
第7章 過去の音楽へ-近年のメディアとジャズ文化
変貌する音楽メディア
映画と文学のジャズ・ノスタルジー時代
まとめに代えて~ジャズ表象の戦後史
あとがき
謝辞
注