女たちの戦争責任
目次
1 十五年戦争と女性
白の軍団「国防婦人会」―女たちの草の根ファシズム(加納実紀代)
日中戦争とフェミニストたち―高良とみの「戦時下言説」を中心に(鈴木裕子)
産めよ殖やせよ/産児調節運動から国民優生法へ―母性の奨励と優生思想(吉川豊子)
天皇制イデオロギーと大東亜共栄圏―「帝国のフェミニズム」を問う(大越愛子)
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」―生活現場での主婦たちの戦い(むらき数子)
欲しがりません勝つまでは―疎開政策のなかの女性(狩野啓子)
「満州」開拓の光と影―砕かれたユートピア(岩見照代)
メディアのなかの女たち―無自覚のプロパガンダの恐ろしさ(井上理恵)
2 戦時下の女性作家たち
日本の近代戦争と作家たち―女性文学者の戦争加担(渡邉澄子)
女性解放への夢と陥穽―吉屋信子の報告文学(北田幸恵)
作家的野望の果て―林芙美子の<放浪>の軸の上で(高良留美子)
戦時下の自己実現のゆくえ―生産・大陸文学の旗手大田洋子(江刺昭子)
『輝ク』の銃後運動―主宰者長谷川時雨を中心に(尾形明子)
戦時下の「母性」幻想―総力戦体制の要(岩淵宏子)
溢れ出た女たちの戦争詠―若山喜志子と斎藤史の場合(内野光子)
「美人」作家の効用―太平洋戦争下の中国戦地慰問(長谷川啓)
美談としての銃後の妻―家庭小説のなかの良妻賢母像(小林裕子)
皇民化政策のなかの「アジア」―血族ナショナリズムの罠(谷口絹枝)
従軍看護婦と南方慰問作家―女たちの見た戦場と異郷(沼沢和子)
大東亜文学者大会のトップレディたち―拡大される「共栄圏」幻想(岡野幸江)
(コラム)
「愛国婦人会」(菅井かをる)
「女子挺身隊」(橋本のぞみ)
「ひめゆり学徒隊」(松田秀子)
「従軍慰安婦」(溝部優美子)
「軍神の母」(矢澤美佐紀)
「大日本婦人会」(中島佐和子)
「隣組」(鬼頭七美)
「ペン部隊」(小林美恵子)
「皇国乙女」(藤木直実)
「千人針」(伊原美好)