昭和史の軍部と政治 3
目次
はしがき
第1章 日独伊三国同盟と軍部(義井博)
日独伊防共協定締結と大島外交
日独接近の発端
日独防共協定とソ連
陸軍武官と海軍武官
日独伊防共協定の成立
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防共協定強化問題と陸海軍の対立
交渉発端の事情
笠原携行案と五相会議の紛糾
ヒトラー・スターリン協定締結
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海軍の政策転換と日独伊三国同盟の成立
ヒトラーの大陸制覇とその衝撃
海軍、賛成を表明
スターマーの独断的処理
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日独伊ソ四国協定構想とその崩壊
日本側の四国連合構想の起源
四国協定の締結交渉
ドイツ外交の二つの路線
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三国同盟と対米開戦
枢軸同盟離脱問題
参戦の口実としての枢軸同盟
ヒトラーの対米開戦動機
第二章 第次大戦とヒトラーの戦略(村瀬興雄)
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ドイツの外交政策を決定した諸集団
『わが闘争』におけるヒトラーの戦略
第三帝国内のいろいろな集団
リッベントロップ
ゲーリング
好戦派と平和派
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イギリス・ドイツ関係の変遷
宥和政策の経済的背景
対ポーランド戦と対フランス戦
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英本土上陸作戦
あしか作戦
英本土上陸作戦の失敗
北アフリカ・バルカンの戦闘
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ソ連邦とドイツの関係
ドイツ・ポーランド関係
独ソ不可侵条約への道
三国同盟と四国同盟
ヒトラー・モロトフ会談
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ナチス体制の性格とヒトラー崇拝
画一化されなかった社会
民衆にとってのヒトラー
第三章 軍部と南方進出(塩崎弘明)
国策としての南進
大陸政策と南進の系譜
石原構想と南方資源
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日中戦争と海南島攻略
対ソ政策と中国戦線
太平洋上の「満州事変」
ノモンハンと「軍備充実」
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「奇妙な戦争」の終わりと南進便乗策
援蒋ルートの遮断
「バスに乗り遅れるな」と「隠れ北進論」
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ヨーロッパ戦線と北部仏印進駐
「フランス敗れたり」
英米可分論
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大東亜共栄圏政策と資源確保
「日満支」圏プラス南進策
「二月の危機」と太平洋の宥和
蘭印の石油
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「関特演」と南部仏印進駐
軍部の「ジリ貧」感
独ソ戦と対英米蘭開戦への道
第四章 日米交渉と軍部(須藤真志)
岩畔グループと日米了解案
二人の神父と井川忠雄
岩畔大佐の渡米
日米了解案の作成
陸軍の対応
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松岡外交と軍部
ベルリン、モスクワの旅
松岡の独り舞台
松岡の抵抗
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南進政策と日米交渉
南進の決定
松岡辞任
第三次近衛内閣
南部仏印進駐とアメリカの反応
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日米首脳会談の提唱
近衛の意図
アメリカの反応
ABCDライン
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東条内閣と日米交渉
東条へ大命降下
ハル・ノート
天皇親電問題
第五章 宮廷勢力と軍部(奈須田敬)
”四面楚歌”の陸軍
一人のクレマンソーも無きに似たり
星野直樹の”陸軍四面楚歌”論
陸軍に冷淡な宮中グループと海軍
”ドイツ軍パリへ”で蘇生した陸軍
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”宮廷草命”の主役木戸幸一
出処進退は近衛に一任
内大臣は宮中グループのカナメ
米内内閣打倒の”クーデター”
近衛・木戸時代の幕あき
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”運命論者”近衛文麿の元老批判
洞察力に富んだ近衛の『欧米見聞録』
アメリカに湧きあがる”排日の妖雲”
近衛、革新路線を突っ走る
”現状維持の妖雲”は元老西園寺
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”輔弼制国家”日本の悲劇
統帥権の壁に当たった内閣総理大臣
天皇を誤らせた宮廷グループ
そして責任者は誰もいなくなった・・・
御前会議とは”空虚な儀式”か
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虎穴に入って”東条”を得る
”累を皇室に及ぼさ”ない宮廷の論理
木戸は皇室を守り抜いたが・・・
第六章 日米東アジア観の相克(三輪公忠)
太平洋上の対決
戦争目的の国際比較
歴史の連続性
日米関係の出発
「報復」の均衡
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近代日本と国際環境
縁辺の日本
近代的国民国家へ
「徳治主義」と「内地化」
北辺の脅威と領土的補償
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門戸開放政策と東アジア
日米の国境観念の相違
法律主義と道義主義
「生成中」の国境
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民族自決の原則と現実
ウィルソンの矛盾
アメリカの中国非国論
アメリカの期待と危倶
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アジアへの回帰
対等同盟の提唱
アメリカを敵視して
人種主義と残虐事件
「反軍演説」の真意
大東亜共栄圏の理念と現実
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「大東亜戦争」の意味
人種主義の解毒
戦後への連続
達成された戦争目的
特別資料 仏印進駐と澄田機関の活動(澄田來四郎)
解説
序言
北部仏印進駐
タイ、仏印国境紛争と現地停戦調停
援蒋軍事物資の押収と日本への移送
南部仏印進駐
結言
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太平洋戦争関係図
人名索引