あゝ復員船
目次
まえがき(坂本克郎)
プロローグ復員輸送はこうして行われた(高橋辰雄)
1 復員船八方に散る
<南洋諸島>
テニアン、三カ月で軍港新設(山本信夫)
昨日の敵に叱られた(横田聡)
ロマンに満ちた波まくら(鵜飼俊哉)
船酔いで食糧不足が解消(大塚達雄)
<比島>
取材記者で大にぎわい(蟹山久登)
ダバオ、最初の引揚げ(村岡敬公)
自決をやめて輸送に専心(八木弘)
捕虜間で陰悪な対立(高橋信雄)
定員の倍も詰めこみ賞電(斎藤正俊)
<中国・朝鮮・台湾・沖縄・小笠原>
波間に漂う日本紙幣(岡田凡夫)
赤坂の虎屋で羊かんを(小野塚士郎)
内地を見た陸兵の目に涙(大野義夫)
航海士、海に投げ込まれる(武内一郎)
船から船へ、一年半に全国を縦断(町田光弘)
玉野でヤクザと出入り(坂本克郎)
甲板上で士官つるし上げ(小林茂)
中国兵、日本兵とも秩序整然(高橋昭)
釜山で危うく拉致(池田英夫)
米艦の満艦飾に寂寥(滑尚真)
<コロ島>
惨!コロ島からの引揚げ(舛田果知郎)
前代未聞、内火艇が沈没(田中登)
入社後、引揚者と再会(久保出)
2 復員輸送てんやわんや
特派員電「比島引揚げ第一陣」(湯浅昌光)
「福江」で生まれた赤ちゃんとの再会(田口康雄)
「砂糖事件」で罰金二千円(鈴木福雄)
残存空母「葛城」海を渡る(妹尾作太男)
軍医長「占守」で奮戦す(樋渡正五)
われ捕鯨に出陣、食糧難に一役(谷太三郎)
麗子ちゃん、いまいずこ(吉岡秀夫)
水兵の口笛はモーツァルト(渋江覚)
博多-釜山間で米兵輸送(小西三郎)
北京からLSTで帰国(高橋清之)
祖国にただ涙、待ち焦れた「帰り船」
3 復員輸送の裏方頑張る
醤油樽から切干大根まで調達(篠原清健)
遂に砂糖は受け取れず(大澤鉦二)
エンジンかけが大仕事(六反園文雄)
米兵強盗が短銃乱射(鍋島秀之)
港内、鬼気迫れり(満岡春雄)
韓国人軍属が手当を要求(津田四方栄)
4 掃海艦かく戦えり
無事故に満足感(岩崎徹)
掃海中止、救助艇用意(吉岡博之)
まさにモルモット(岩本清)
米軍艦も触雷轟沈(白川光夫)
室蘭沖で機雷処理(秋元正一)
屋久島などへ気象台要員輸送(林謙三)
エピローグ戦後の海軍艦艇の行方(鍋島秀之)
あとがき(吉岡秀夫)