大東亜戦史 8
目次
三つの国境線(藤原てい)
動く影、流れる光
あわただしい出立
女心
時計とタオルと
石炭ガラにまみれて
水、水、水
国境渡河
八月十五日
夫帰る
南下論議
丘の上のあき家
誰かが見ている
シベリア行き
残された妻子
冬来る
流れる星は生きている
延吉帰りの人々
墓場から来た男たち
新しい土まんじゅう
坊やの発熱
望みなきロンジン
白い十字架
糧食尽きて
こじきさながら
人形づくり
温飯屋に雇われて
引揚げの機運動く
窮すれば・・・
宣川出立
親書の秘密
赤土のどろの中を
かあちゃん歩けない
断崖にあえぐ
凍死寸前
二千円の証文
市辺里につく
三途の川
しかられる子供たち
三十八度線をこえる
精魂尽き果てて
保安隊員の温情
アメリカ軍に救われる
恨みの石
コンビーフのかん詰め
海の国境線
*
ソ連の参戦(森田芳夫)
終戦直前の北朝鮮の港
二分していた日本軍
炎々と燃える羅津埠頭
たたかう船舶兵
姿を消した軍隊
馬乳山の攻防戦
根こそぎ動員
銃の撃ち方を教えながら
日本艦隊出現?
樹立されていた避難計画
阿吾地人造石油工場の撤退
会寧市街を憲兵が焼く
砲煙に包まれた清津をあとに
ソ連軍茂山に進駐
知事はソ連軍の手に
満州避難民の南下
西北鮮に留まった六万の避難民
*
北と南と(森田芳夫)
引かれた分断線
道ごとに人民政権結成
北朝鮮日本軍の抑留
日本政府の外交的努力
南朝鮮における米軍の進駐
南朝鮮日本軍の武装解除
日本人はできるだけ残ろう
世話会の新しい活躍
釜山世話会の苦闘
引揚げ状況
MRUの活躍
神宮を焼く
曹渓寺の引継ぎ
ロス中尉の健闘
さらば仁川よ
金桂祚事件
恨みの米軍政法令三十三号
日鮮結婚者の問題
南朝鮮に残った人々
*
北朝鮮の憂(森田芳夫)
咸鏡北道に残った人々
ざん壕式の墓穴掘り
磯谷松村両氏の活動
富坪の悲劇
工都興南と日本人技術者
親日的なフレンノブ司令官
全財産を朝鮮へ譲渡して
黄海道の人々
平壌の満州避難民
命がけの嘆願
鎮南浦日本人の敢闘
平安北道の各地
延吉からの釈放
脱出ルート
在外父兄救出学生連盟の来援
*
脱出(森田芳夫)
黄海道の脱出
興南も元山も
動かぬ平壌
引揚げの虚報に動く
平壌、鎮南浦の脱出
殺到する脱出者
南朝鮮にコレラ発生
三十八度線の天幕村
金日成への嘆願
東北朝鮮の移動禁止
古市氏米軍に嘆願
市辺里ルートの開拓
新義州の船団脱出
東北朝鮮の海上脱出
正式送還の実施
*
岸壁に祈る女たち(木下宗一)
波頭のおもかげ
女ごころ
帰郷
ある姉弟と日本
人の妻
だまされた少女
*
羅津をのがれて(谷村幸彦)
ソ連の参戦
茂山嶺越え
脱出行
三十八度線突破
*
清津をあとに(兼元淳夫)
流浪の果てに
ウラーを叫ぶ朝鮮人
追われ行く者
復しゅうに燃える目
現実に見た敗戦日本
ワイロでとる通行許可
逆境に愛の手
*
市民部隊(福馬謙造)
情報、司令官に達せず
矢はつるを放れた
ソ連軍進駐
新政府の誕生
流転の旅へ
収容所の秩序
不安な汽車の旅
延吉の捕虜生活
運命のさいころ
*
平壌哀詩(村常男)
大同江は流れる
三十八度線がもたらしたもの
神に祈る脱出行
ある妻の日記
京城よ
人間愛こそ
*
三十八度線(木下宗一)
赤旗の波
不良朝鮮人の横行
平壌へ運命の道
日本人の反乱?
深夜の脱出
*
夜明けの舞台裏(中保与作)
あらしの前夜の幻想
赤き胎動
赤旗のるつぼ
新聞人らしく
朝鮮軍の布告
米軍の上陸
通訳政治の実態
偽善の仮面をはぐ者
さらば朝鮮
*
純潔を守って(赤尾彰子)
疎開と終戦
収容所日記抄
脱出
ワカメ売りの少年
親切な朝鮮婦人
置き去られたヘンシリー
冷や汗の出る質問
かわいい手
こじき行列
北行列車
死の脱出決行
梧渓にて
赤壁の水に映る影
*
茂山からの道(片山智恵)
三枚のキップ
出立する夫
避難列車で
燃えるかがり火
ソ連軍進駐
よもぎの原
夫よいずこ
再会
失われた魂
竜岩里収容所
発疹チフス
生けるしかばね
夫の死
入院引揚げ列車
眠れる人よさようなら
*
さらば雄基(吉田伊蔵)
突如、ソ連機が
死中に活を求めて
救いなき民
弾雨の中の逃走