「国家と戦争」異説
- サブタイトル
- 戦時体制下の省察
- 編著者名
- 太田 昌国 著者
- 出版者
- 現代企画室
- 出版年月
- 2004年(平成16年)7月
- 大きさ(縦×横)cm
- 20×
- ページ
- 388p
- ISBN
- 4773804025
- NDC(分類)
- 304
- 請求記号
- 304/O81
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
目次
第1章 戦争の時代に
壊れゆく言葉-有事・戦時下の言論状況
出兵兵士を見送って打ち振られる日の丸の小旗の戦慄と衝撃
言葉が死んだ時代に
短い、簡明な言葉がもつ魅力と魔力-「テロ」「拉致」報道を読む
「政治」以前の言葉に縛られ展望なく空費された一五カ月
「派兵」の背後に見えるはずの、たくさんの現実
索漠たる、この空しさは何?-イラク派兵をめぐる国会質疑をじっくりと読む
どんな立場で何を回顧し、何を回顧しないか-「9・1」「9・11」「9・17」追悼報道を読む
「現在」と「過去」を歴史につなぐ論理-国家犯罪をどう語るか
明かされていく過去の「真実」-「T・K生」の証言を読む
イラク派兵-一五〇年の日米関係の帰結-ペリー来航一五〇周年を寿ぐ言論を読む
浮島丸訴訟など戦後補償裁判の現状が問うこと-有事三法成立のさなかに
「汝ら罪深き者たち イラクに生を享けしとは!」-対イラク侵略戦争の論理
小さな国・そこに生きる人びとの視点で見る世界-カストロの訪日報道を読む
「美しい地球、悲惨なホロコースト」だって?-スペースシャトルの「自爆テロ」報道を読む
本末転倒の論理で人為的に煽られる危機感-米国の天然痘騒ぎを読む
第2章 「9・11」事件と報復戦争を解読する
戦争のなかの文化遺産-「ターリバーンのバーミヤン大仏破壊」報道を読む
批判精神なき頽廃情況を撃つ-聞き手・米田綱路
「善意」をすら気取る、底知れぬ悪意-「9・11」事件とその後の展開をめぐる報道を読む
罌粟(けし)とミサイル-「9・11」とその後の事態をどう捉えるか
「自衛隊が外国へ行くのは、、外国を知るよいきかい」-学生たちのアフガン戦争論を読む
人を傷つける現実よりも、武器の「精度」を報道するメディア-BBC放送の自主規準
微かな希望の証し-二〇〇一年におけるマフマルバフの映像とテキスト
驕り高ぶる者の最低の悪意-「カンダハール発→グアンタナモ行」輸送機が孕む問題を読む
人びとのこころに内面化する戦争=暴力-少年たちの路上生活者暴行事件報道を読む
テロル-「不気味な」アジテーションの根拠と無根拠
戦争行為をめぐるゴリラと人間の間-二〇〇二年前半の考古学的発見報道などを読む
外部への責任転嫁論と陰謀説の罷り通る中で-アラブ社会の自己批判の必要性を主張する文章を読む
選ばれたる者の、倨傲と怯えの中に佇む米国-「9・11」一周年報道を読む
一年後の「九月一一日」と「テロ」-聞き手・米田綱路
第3章 右派言論徹底検証
新しい衣装の下に透けて見える守旧的立場-河野雅治著『和平工作-対カンボジア外交の証言』
他山の石としての「ハノイ・敵との対話」-東大作著『我々はなぜ戦争をしたのか』
漫画を使わず「言葉を尽した」本の、ファン向け専用トリック-小林よしのり『「個と公」論』
「現実的とは何か」をめぐる、大いなる錯誤-高倉良吉らの「沖縄イニシアティヴ」
日の丸、君が代が戦争したわけではない?-加地信行編著『日本は「神の国」ではないのですか』
「ソ連論」で共感し、「日本論」で異論を持つ-内村剛介『わが身を吹きぬけたロシア革命』
「個」を脅しつける「体制」の論理-曽野綾子「日本人へ-敎育改革国民会議第一分科会答申」
多様性の名Kあの、いくつかの忘れがたい表現-文藝春秋編『私たちが生きた20世紀』
「革新疲労からの脱却」という選挙スローガン-高良倉吉ほか著『沖縄イニシアティヴ』
ペルーと日本政府・民間レベルの関係の闇-フジモリ「新聞・テレビ各社別〝独占〟会見」
いまなお大国の「ミーイズム」に自足する映像表現-ケビン・コスナー主演『13デイズ』
表層で政府批判を行ない、最後にはこれに合流する-最近の事件に関わるメディア報道姿勢
無神経・無恥な漫画家を喜ばせる入国禁止措置-小林よしのり『台湾論』
歴史的犯罪の時効をめぐる再考へ-「金正男らしき男」の偽造旅券による入国問題」
繰り返される「日本=単一民族国家」論-閣僚・政治家の「人権差別」「保安処分」発言
日米安保体制堅持の「正当性」を豪も疑わない外務官僚たち-「外交フォーラム」
「あはれ 秋風よ 汝こそは見つらめ」-南クリル(北方諸島)水域・三陸沖サンマ漁問題
スキャンダル騒ぎ=「宴の後」の恐ろしい光景-鈴木宗男報道
スキャンダル暴きに明け暮れて、すべて世はこともなし-鈴木宗男報道・再論
国境を越えてあふれでる膨大な人びとの群れ-「イスラエルの中国人の死」「瀋陽総領事館事件」
煽り報道の熱狂と、垣間見える世界の未来像の狭間で-ワールドカップ騒ぎの中の自分
「老い」と「悪態」と「脳天気」-作家の錯覚したサッカー談議
第4章 ナショナリズムの解体へ
〈敵〉はわが裡にあり-聞き手・米田綱路
一九九〇年代に関わる断章-植民地支配責任の「弁済」という問題
台湾の、ある女性の記憶
深沢七郎よ、ふたたび-女性天皇論の抬頭を前に
「はじめに戦争ありき」とする時代錯誤
あとがき
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