図書キジュツシャ タチ ノ ハイセン000045815

技術者たちの敗戦

サブタイトル1~10
編著者名
前間 孝則 著者
出版者
草思社
出版年月
2004年(平成16年)7月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
269p : 挿図
ISBN
4794213360
NDC(分類)
502
請求記号
502/Ma27
保管場所
閉架準備棚
内容注記
第1,3,5章は『草思』(2003年4~9月号)掲載に大幅加筆したもの  主要参考文献:p265-269
和書
目次

目次
第1章 三菱零戦設計チームの敗戦-堀越二郎・曾根嘉年の敗戦
大地震による工場機能停止
次第に敗戦を覚悟
半生をこめた仕事は終わった
堀越二郎の右腕
航空は必ず再開する
七試艦上戦闘機の設計チーム
〝二兎を追う〟零戦の開発に向けて
時代遅れとなった零戦
大本営発表の最新鋭戦闘機
一人歩きをはじめる零戦伝説
ミリタリー・カルチャーと飛行機熱
堀越二郎著『零戦』の刊行
戦後の戦記物ブーム
零戦と堀越二郎に向けられた批判
〝根掘り越し〟〝歯掘り越し〟
緻密で融通のきかない職人的スペシャリスト
優秀な部下と巨大組織のバックアップ
技術者の顔が見えない時代
第2章 新幹線のスタートは爆撃したの疎開先から-島秀雄の敗戦
日本を代表する工業製品「シンカンセン」
学者のようなエンジニア
「車両の神様」と呼ばれた父」
「東京発北京行き」の弾丸列車
新幹線工事の予算オーバーで二度目の国鉄辞任
宇宙開発事業を軌道に乗せる
JRと距離を置く新幹線の〝生みの親〟
世界的評価の人も俗事には無関心
列車のスピード競争を疑問視
ピーアール誌で削られてしまった島の苦言
交通には目新しい技術など不要
勲章に興味のない超俗の技術者
知的でリベラルな家庭環境に育つ
ドイツでの大使館駐在時代
エリート鉄道技師の父・安治郎
父子で進める宿願の新幹線
戦局悪化のなか増大する軍事輸送
焼失をまぬかれた車両図面
にわかづくりの蒸気機関車
戦時すでに電化に向けた研究を指示
電化第一号の湘南電車
十河新総裁の東海道新幹線構想
反対勢力を理詰めで説得
父子二代の夢の新幹線、その開通のとき
第3章 戦犯工場の「ドクター合理化」-真藤恒の敗戦
「革命の志士」の電電改革
表芸だけではやっていけない
革新的な造船法で旋風を巻き起こす
かわいげのない新人技術者
鋼材を売って餅代をつくる
視察に来た蔵相・池田勇人に喧嘩を売る
日本の造船業発展に寄与
「揉み手営業」はいらない
五千人の首切りと社長退陣
呉工廠を再生させた手腕
飛行機づくりから得た合理主義のヒント
「人減らしはいかん」
「臨調」の舞台裏
行革トップ・後藤田正晴との大喧嘩
西島技術大佐との出会い
現場主義の西島に同行して造船所を視察
「土光さんはまっすぐに歩く人」
海運王ラドウィックの影響
スケールの大きな起業家
ラドウィック流のビジネスを実践
日本の商慣習の限界
規格はずれの超人たち
第4章 なぜ日本の「電探」開発は遅れたのか-緒方研二の敗戦
日本はなぜ太平洋戦争に敗れたのか
戦後家電メーカーを支えた人々
マリアナ海戦の帰趨を決したレーダー
レーダー開発が遅れた原因は
学者肌の開発責任者・伊藤庸二
同じ海軍技術士官からの批判
実用のセンスに欠けたリーダーの資質
レーダー開発は日米開戦を目前にして頓挫
新技術を求めてドイツ視察
開発された「電探」の実験結果に軍部は落胆
ミッドウェー海戦で証明されたレーダーの威力
電探から〝画期的兵器〟殺人光線計画へ
第二次ソロモン海戦で空母「翔鶴」にレーダー搭載
対空用レーダーの開発へ
前線基地に「一号一型」改良型を設置
役に立たなかった電探
民間を活用できない官尊民卑の体制
電波本部をようやく設置
ちぐはぐな人材配置や非効率
全方式レーダー試作機完成、そして敗戦
請われて逓信省電気試験所へ
連係をとれなかった陸海軍
科学戦争の勝者と敗者
アメリカの科学者六千人動員体制
スタートが遅すぎたレーダー開発
第5章 翼をもぎとられた戦後-中村良夫の敗戦
日本のF1ブーム
ダンディな元技術屋
一人四役をこなしてF1参戦
偶像化された本田宗一郎
航空畑から三十八歳でホンダ入社
空冷か水冷かをめぐる衝突
宗一郎社長と藤沢副社長の退陣
出発点は八月の敗戦
ジェットエンジン「ネ130」開発
奇跡的な成功、そして敗戦
「地上を走る戦闘機」
軍需産業の自由闊達な気風
本田宗一郎との対立は必然
しがらみから解放された晩年
科学技術に対する姿勢や生きた哲学
航空出身の自動車技術者たち
目を見張った米英の技術
ぼちぼち彼岸に……
あとがき
主要参考文献