図書セイジカ ト カイソウロク000044578

政治家と回想録

サブタイトル1~10
読み直し語りつぐ戦後史
編著者名
保阪 正康 著者
出版者
原書房
出版年月
2002年(平成14年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
33,373p : 挿図
ISBN
4562035129
NDC(分類)
312
請求記号
312/H91
保管場所
閉架一般
内容注記
本書で取り上げた著書一覧:p373
和書
目次

政治家は自らを語る責務がある-「まえがき」にかえて
1 後藤田正晴
戦争体験を高言せず日本の柁をとる
耐える時代には自分だけを考えるな
政治理念は人生哲学と同義語
人間への理解と信念を両輪に
基礎技術の蓄積は日本に不可欠
日本の内政は外交を考えて行なう
2 福田赳夫
地球規模の視点
21世紀へ生きる人々への責任
財政面から「戦争」を見つめた経験
経済の柁取りは占領軍に頼らず自主的に
党風刷新運動とは党の近代化
3 吉田茂
生い立ちから終戦後の国政まで
親英米的体質は半端でない
政治は好きだが「政治屋」は嫌い
外交官時代に培った政治理念
〝負けっぷりのよさ〟で対応
マッカーサーと友好的口論
吉田政権の誕生は歴史の意思
政権獲得より民主政治を優先
戦後政治の原点の理解に重要な書
教育の偏向を懸念
講和の条件を和らげた占領の六年の時間
友好的雰囲気のサンフランシスコ会議
4 藤山愛一郎
岸に誘われ岸から離れた藤山
占領期の不平等を是正した日米安保改定
私財をむしり取られた藤山
三五年、三九年と総裁選に立候補したが
藤山派八十人が八人となる人間模様
政界十八年、人間性歪めることなき人生
5 鳩山一郎
「悲劇の人」の純粋さ
議会人として東条内閣を批判
涙の玉音放送と日本再建の誓い
〝追放解除後は鳩山に〟を反故にした吉田
「憲法改正」など戦後初の〝自主独立〟を主張
鳩山を変貌させた「鳩山ブーム」
「領土」より抑留者の帰還に全力
保守合同時は首相だったが
大野伴睦との友情を利用した三木
6 宮沢喜一
「理知派政治家」の系譜の一人
生っ粋の戦後派政治家との自認
占領下の大蔵省時代に培ったもの
吉田の講和密書を携えて訪米
各国の指導者と出会い思考の幅を広げる
〝国連常設軍〟に日本は参加すべきか
7 西尾末広
民主社会党樹立の政治的立場
庶民の息づかいや考え方を理解
戦後の社会党の隆盛は時代が味方
社会党政権の番頭役西尾の言の重み
昭電事件判決ほとんど無罪の怪
検察の功名主義とGHQへの媚態
党内左派に堪忍袋の緒が切れる
時代を超えて訴える回顧録
8 前尾繁三郎
〝経綸の士〟の代表的存在
日本の保守主義と革新という語の混乱
読書遍歴に人格思想の形成をみる
「人間性と政治」で道義の確立を説く
経済の復興と精神文化の建て直し
教育とは人で始まり人で終わる
9 石橋湛山
時代を見つめる座標
つきつめていえば人間の問題
逆境に耐え、柔軟に信念を守りとおす
人間の質は〝人間観察の構え〟による
訓練なき民衆に権利の拡張は危険
政治家が政争に明け暮れ国を滅ぼす
「経済誌」の役割と日本の政治・経済
日本人が謙譲の美徳を忘れ増上慢に
経済の危機と国家主義の台頭
自由主義者の気骨が政治家の重みに
経済復興の土台をつくった石橋財政
世界平和のため冷戦の枠組みを批判
10 松村謙三
人物鑑識眼と人を引きつける魅力
五・一五事件で機能を失った議会政治
信念に基づく議会人としての言動
敗戦直後の事情を客観的に記述
幣原首相の熱望で農林大臣就任
多くの教訓を得た四十日間の海外歴訪
各国の現状を的確に分析
11 河野一郎
実学の中で身につけた人生の教訓
農村の窮状を見て政治家を志す
逆境で得た攻撃精神と信仰への開眼
軍部独裁の中、独自の行動を模索
翼賛政治会推薦候補を敗り当選
一貫して反吉田の主導的立場に
鳩山内閣誕生が政治生活最大の喜び
日ソ国交回復で異彩を放った河野外交
代表者も含めた組織全体を動かす役を果たす
12 岸信介
政治的才能を授かった家系
歴史的意味を持つ満州国重工業政策
東条首相に能力かわれ商工大臣就任
敗戦時に日本の復興と将来を考える
二大政党制実現に新保守党論を主張
強引な国会運営が安保騒動の伏線に
首相の任期を縮めた古い体質
次代に問われる岸の安保観
13 佐藤栄作
戦時体制からの政治の歪みの是正に
指揮権発動前の党幹部の緊迫した状況
冷たい目で見続けた日ソ交渉
豊富な情報と人脈で政局の中枢へ
政治家として飛躍させた各国外遊
吉田の計らいで各国首脳と会談
保守政党の複雑な指導者選び
総裁指名の援軍となった吉田茂の書簡
秘密裏に進められた沖縄返還交渉
学者、知識人の重用は吉田茂譲り
福田・田中の後継首班争い
14 田中六助
大平に私淑しその思いを次代に託す
待ちの政治を実現した四番目の首相・大平正芳
「四十日抗争」の根に福田への強い不信感が
15 中曾根康弘
政治家は歴史の法廷の被告である
吉田政治の二重性を解きほぐす中曾根証言
六〇年安保騒動が議会政治の変化を促す
田中の総裁選勝利で自分の時代を予感する
党分裂の危機を収拾、首班候補の有力者に
首相になるための日々の勉強が実を結ぶ
指導者の三要件は目測力、結合力、説得力
16 鈴木貫太郎
首相就任演説に隠された二重の真意
政治家が歴史に生きる姿を示した終戦への決断
武士道とは正義と廉潔を重んじ、慈悲を尊ぶ精神
17 竹下登
永田町で生き抜いた強さと弱さが凝縮した政治家
竹下の運命を変えた佐藤政権の誕生
人心掌握術と政局を読む目を佐藤に学ぶ
竹下政治のきっかけとなった佐藤の指示
「田中派から総裁候補を」に応えて創政会を旗揚げ
竹下の政治姿勢は調和型で歴史を意識したタイプ
18 野中広務
政治家・野中をつくった京都府議十二年の闘い
政治家としての責任を実感した「サリン事件」
「政治改革」という熱病に疑問を持てる歴史感覚
五五年体制の終焉に必要だった連立政権
19 村山富市
歴史の皮肉が誕生させた村山連立政権
戦後日本の歴史上でも語られる政治家に
戦後五十年間の錯誤が噴出した試練の内閣
人間的な触れ合いと信頼関係が政治の基調
あとがき
本書で取り上げた著書一覧