萬葉集歌 上巻
- サブタイトル
- 岩波新書
- 編著者名
- 斎藤 茂吉 著者
- 出版者
- 岩波書店
- 出版年月
- 1944年(昭和19年)11月
- 大きさ(縦×横)cm
- 18×
- ページ
- 3,16,260p
- ISBN
- NDC(分類)
- 911
- 請求記号
- 911/Sa25/1
- 保管場所
- 地下書庫和図書
- 内容注記
- 増訂版(記述は8刷から)
- 昭和館デジタルアーカイブ
巻第1
たまきはる・うちのおほぬに(中皇命)
やまごしの・かぜをときじみ(軍王)
あきのぬの・みくさかりふき(額田王)
にぎたづに・ふなのりせむと(額田王)
きのくにの・やまこえてゆけ(額田王)
わがせこは・かりほつくらす(中皇命)
わがほりし・ぬじまはみせつ(中皇命)
かぐやまと・みみなしやまと(天智天皇)
わたつみの・とよはたぐもに(天智天皇)
みわやまを・しかもかくすか(額田王)
あかねさす・むらさきぬゆき(額田王)
むらさきの・にほへるいもを(天武天皇)
かはかみの・ゆついはむらに(吹黄刀自)
うつせみの・いのちををしみ(麻績王)
はるすぎて・なつきたるらし(持統天皇)
ささなみの・しがのからさき(柿本人麿)
ささなみの・しがのおほわだ(柿本人麿)
いにしへの・ひとにわれあれや(高市古人)
やまかはも・よりてつかふる(柿本人麿)
あごのうらに・ふなのりすらむ(柿本人麿)
しほさゐに・いらごのしまべ(柿本人麿)
わがせこは・いづくゆくらむ(当麻麿の妻)
あきのぬに・やどるたびびと(柿本人麿)
ひむがしの・ぬにかぎろひの(柿本人麿)
ひなみしの・みこのみことの(柿本人麿)
うねめの・そでふきかへす(志貴皇子)
ひくまぬに・にほふはりはら(長奥麿)
いづくにか・ふなはてすらむ(高市黒人)
いざこども・はやくやまとへ(山上憶良)
あしべゆく・かものはがひに(志貴皇子)
あられうつ・あられまつはら(長皇子)
やまとには・なきてかくらむ(高市黒人)
みよしぬの・やまのあらしの(作者不詳)
ますらをの・とものおとすなり(元明天皇)
とぶとりの・あすかのさとを(作者不詳)
うらさぶる・こころさまねし(長田王)
あきさらば・いまもみるごと(長皇子)
巻第2
あきのたの・ほのへにきらふ(磐姫皇后)
いもがいへも・つぎてみましを(天智天皇)
あきやまの・このしたがくり(鏡王女)
たまくしげ・みむろのやまの(藤原鎌足)
われはもや・やすみこえたり(藤原鎌足)
わがさとに・おほゆきふれり(天武天皇)
わがをかの・おかみにいひて(藤原夫人)
わがせこを・やまとへやると(大泊皇女)
ふたりゆけど・ゆきすぎがたき(大泊皇女)
あしひきの・やまのしづくに(大津皇女)
いにしへに・こふるとりかも(弓削皇子)
ひとごとを・しげみこちたみ(但馬皇女)
いはみのや・たかつぬやまの(柿本人麿)
ささのはは・みやまもさやに(柿本人麿)
あをこまの・あがきをはやみ(柿本人麿)
いはしろの・まままつがえを(有間皇子)
いへにあれば・けにもるいひを(有間皇子)
あまのはら・ふりさけみれば(倭姫皇后)
あをはたの・こはたのうへを(倭姫皇后)
ひとはよし・おもひやむとも(倭姫皇后)
やまぶきの・たちよそひたる(高市皇子)
きたやまに・つらなるくもの(持統天皇)
かむかぜの・いせのくににも(大来皇女)
うつそみの・ひとなるわれや(大来皇女)
いそのうへに・おふるあしびを(大来皇女)
あかねさす・ひはてらせれど(柿本人麿)
しまのみや・まがりのいけの(柿本人麿)
ひむがしの・たぎのみかどに(日並皇子宮の舎人)
あさひてる・しまのみかどに(日並皇子宮の舎人)
しきたへの・そでかへしきみ(柿本人麿)
ふるゆきは・あはになふりそ(穂積皇子)
あきやまの・もみぢをしげみ(柿本人麿)
ささなみの・しがつのこらが(柿本人麿)
つまもあらば・つみてたげまし(柿本人麿)
かもやまの・いはねしまける(柿本人麿)
巻第3
おほきみは・かみにしませば(柿本人麿)
いなといへど・しふるしひのが(持統天皇)
いなといへど・かたれかたれと(志悲嫗)
おほみやの・うちまできこゆ(長意吉麻呂)
たぎのうへの・みふねのやまに(弓削皇子)
たまもかる・みぬめをすぎて(柿本人麿)
いなびぬも・ゆきすぎがてに(柿本人麿)
ともしびの・あかしおほとに(柿本人麿)
あまざかる・ひなのながぢゆ(柿本人麿)
やつりやま・こだちもみえず(柿本人麿)
もののふの・やそうぢがはの(柿本人麿)
くるしくも・ふりくるあめか(長奥麻呂)
あふみのうみ・ゆふなみちどり(柿本人麿)
むささびは・こぬれもとむと(志貴皇子)
たびにして・ものこほしきに(高市黒人)
さくらだへ・たづなきわたる(高市黒人)
いづくにか・われはやどらむ(高市黒人)
とくきても・みてましものを(高市黒人)
ここにして・いへやもいづく(石上卿)
ひるみれど・あかぬたごのうら(田口益人)
たごのうらゆ・うちいでてみれば(山部赤人)
あをによし・ならのみやこは(小野老)
わがさかり・またをちめやも(大伴旅人)
わがいのちも・つねにあらぬか(大伴旅人)
しらぬひ・つくしのわたは(沙弥満誓)
おくららは・いまはまからむ(山上憶良)
しるしなき・ものをおもはずは(大伴旅人)
むこのうらを・こぎたむをぶね(山部赤人)
よしぬなる・なつみのかはの(湯原王)
かるのいけの・うらみゆきめぐる(紀皇女)
みちのくの・まぬのかやはら(笠女郎)
ももつたふ・いはれのいけに(大津皇子)
とよくにの・かがみのやまの(手持女王)
いはとわる・たぢからもがも(手持女王)
やくもさす・いづものこらが(柿本人麿)
われもみつ・ひとにもつげむ(山部赤人)
わぎもこが・みしともうらの(大伴旅人)
いもとこし・みぬめのさきを(大伴旅人)
いもとして・ふたりつくりし(大伴旅人)
あしひきの・やまさへひかり(大伴家持)
巻第4
やまのはに・あぢむらさわぎ(舒明天皇)
きみまつと・わがこひをれば(額田王)
いまさらに・なにをかおもはむ(安倍女郎)
おほはらの・このいつしばの(志貴皇子)
にはにたつ・あさてかりほし(常陸娘子)
ここにありて・つくしやいづく(大伴旅人)
きみにこひ・いたもすべなみ(笠女郎)
あひおもはぬ・ひとをおもふは(笠女郎)
おきへゆき・へにゆきいまや(高安王)
つくよみの・ひかりにきませ(湯原王)
ゆふやみは・みちたづたづし(大宅女)
ひさかたの・あめのふるひを(大伴家持)
巻第5
よのなかは・むなしきものと(大伴旅人)
くやしかも・かくしらませば(山上憶良)
いもがみし・あふちのはなは(山上憶良)
おほぬやま・きりたちわたる(山上憶良)
ひさかたの・あまぢはとほし(山上憶良)
しろがねも・くがねもたまも(山上憶良)
つねしらぬ・みちのながてを(山上憶良)
よのなかを・うしとやさしと(山上憶良)
なぐさむる・こころはなしに(山上憶良)
すべもなく・くるしくあれば(山上憶良)
わかければ・みちゆきしらじ(山上憶良)
ふせおきて・われはこひのむ(山上憶良)
巻第6
やまたかみ・しらゆふはなに(笠金村)
おきつしま・ありそのたまも(山部赤人)
わかのうらに・しほみちくれば(山部赤人)
みよしぬの・きさやまのまの(山部赤人)
ぬばたまの・よのふけぬれば(山部赤人)
しまがくり・わがこぎくれば(山部赤人)
かぜふけば・なみかたたむと(山部赤人)
ますらをと・おもへるわれや(大伴旅人)
ちよろづの・いくさなりとも(高橋虫麿)
ますらをの・ゆくとふみちぞ(聖武天皇)
をのこやも・むなしかるべき(山上憶良)
ふりさけて・みかづきみれば(大伴家持)
みたみわれ・いけるしるしあり(海犬養岡麿)
こらしあらば・ふたりきかむを(守部王)
巻第7
かすがやま・おしててらせる(作者不詳)
うなばらの・みちとほみかも(作者不詳)
あなしがは・かはなみたちぬ(柿本人麿歌集)
あしひきの・やまがはのせの(柿本人麿歌集)
おほうみに・しまもあらなくに(作者不詳)
みもろつく・みわやまみれば(作者不詳)
ぬばたまの・よるさりくれば(柿本人麿歌集)
いにしへに・ありけむひとも(柿本人麿歌集)
やまのまに・わたるあきさの(作者不詳)
うぢがはを・ふねわたせをと(作者不詳)
しながどり・ゐなぬをくれば(作者不詳)
いへにして・われはこひむな(作者不詳)
たまくしげ・みもろとやまを(作者不詳)
あかときと・よがらすなけど(作者不詳)
まきむくの・やまべとよみて(柿本人麿歌集)
はるひすら・たにたちつかる(柿本人麿歌集)
ふゆごもり・はるのおほぬを(作者不詳)
あきつぬに・あさゐるくもの(作者不詳)
さきはひの・いかなるひとか(作者不詳)
わがせこを・いづくゆかめと(作者不詳)
従属選出歌
きみがよも・わがよもしらむ(中皇命)
うちそを・をみのおほきみ(作者不詳)
ながらふる・つまふくかぜの(誉謝女王)
くさまくら・たびゆくきみと(清江娘子)
わがおほきみ・ものなおもほし(御名部皇女)
きみがゆき・けながくなりぬ(磐姫皇后)
かくばかり・こひつつあらずは(磐姫皇后)
ありつつも・きみをばまたむ(磐姫皇后)
たまくしげ・おほふをやすみ(鏡王女)
あをまつと・きみがぬれけむ(石川郎女)
いにしへに・こふらむとりは(額田王)
あきのたの・ほむきのよれる(但馬皇女)
あきやまに・おつるもみぢば(柿本人麿)
みまくほり・わがするきみも(大来皇女)
あさひてる・さだのをかべに(日並皇女宮の舎人)
みたちせし・しまのありそを(日並皇女宮の舎人)
あさぐもり・ひのいりぬれば(日並皇女宮の舎人)
こぞみてし・あきのつくよは(柿本人麿)
ふすまぢを・ひきてのやまに(柿本人麿)
けひのうみの・にはよくあらし(柿本人麿)
しはつやま・うちこえみれば(高市黒人)
いそのさき・こぎたみゆけば(高市黒人)
わがふねは・ひらのみなとに(高市黒人)
いももわれも・ひとつなれかも(高市黒人)
あしはらの・きみがさきに(田口益人)
なぐはしき・いなみのうみの(柿本人麿)
おほきみの・とほのみかどと(柿本人麿)
かくゆゑに・みじといふものを(高市黒人)
むかしみし・きさのをがはを(大伴旅人)
ふじのねに・ふりおけるゆきは(作者不詳)
さけのなを・ひじりとおほせし(大伴旅人)
いにしへの・ななのさかしき(大伴旅人)
さかしみと・ものいふよりは(大伴旅人)
いはむすべ・せむすべしらに(大伴旅人)
なかなかに・ひととあらずは(大伴旅人)
あなみにく・さかしらをすと(大伴旅人)
あたひなき・たからといふとも(大伴旅人)
よるひかる・たまといふとも(大伴旅人)
よのなかの・あそびのみちに(大伴旅人)
このよにし・たぬしくあらば(大伴旅人)
いけるもの・つひにもしぬる(大伴旅人)
もだをりて・さかしらするは(大伴旅人)
よのなかを・なににたとへむ(沙弥満誓)
なはのうらゆ・そがひにみゆる(山部赤人)
あべのしま・うのすむいそに(山部赤人)
こもりくの・はつせのやまの(柿本人麿)
やまのまゆ・いづものこらは(柿本人麿)
ゆくさには・ふたりわがみし(大伴旅人)
ひともなき・むなしきいへは(大伴旅人)
わぎもこが・うゑしうめのき(大伴旅人)
あふみぢの・とこのやまなる(舒明天皇)
かぜをだに・こふるはともし(鏡王女)
いにしへに・ありけむひとも(柿本人麿)
わがせこは・ものなおもほし(安倍女郎)
とみびとの・いへのこどもの(山上憶良)
あらたへの・ぬのぎぬをだに(山上憶良)
たまもかる・からにのしまに(山部赤人)
おほならば・かもかもせむを(遊行女婦児島)
やまとぢは・くもがくりたり(遊行女婦児島)
うぢがはは・よどせなからし(作者不詳)
なにはがた・しほひにたちて(作者不詳)
まとかたの・みなとのすどり(作者不詳)
ゆふなぎに・あさりするたづ(作者不詳)
いなみぬは・ゆきすぎぬらし(作者不詳)
あしひきの・やまつばきさく(作者不詳)
こらがてを・まきむくやまは(柿本人麿歌集)
あすかがは・ななせのよどに(作者不詳)
おほきみは・かみにしませば(大伴御行)
参照注釈書略表
抄…仙覚「万葉集抄」
拾穂抄…北村季吟「万葉落穂抄」
代匠記…契沖「万葉代匠記」
僻案抄…荷田春満「万葉集僻案抄」
考…賀茂真淵「万葉考」
槻落葉…荒木田久老「万葉考槻落葉」
略解…橘千蔭「万葉集略解」
灯…富士谷御杖「万葉集灯」
攷証…岸本由豆流「万葉集攷証」
桧嬬手…橘守部「万葉集桧嬬手」
緊要…橘守部「万葉集緊要」
古義…鹿持雅澄「万葉集古義」
美夫君志…木村正辞「万葉集美夫君志」
註疏…近藤芳樹「万葉集註疏」
新釈…伊藤左千夫「万葉集新釈」
新考…井上通泰「万葉集新考」
選釈…佐佐木信綱「万葉集選釈」
新解…武田祐吉「万葉集新解」
新講…次田潤「万葉集新講」
講義…山田孝雄「万葉集講義」
総釈…楽浪書院版「万葉集総釈」
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